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■2024年1月13日発売。価格は101万2000円~106万7000円
カワサキモータースジャパン(以下、カワサキ)は、2023年10月より海外で発売を開始している初のフル電動バイク、フルカウルの「ニンジャe-1」とネイキッドの「Z e-1」を、2024年1月13日より国内販売することを発表しました。
いずれのモデルも、日本では定格出力0.98kWの原付二種(第二種原動機付自転車)クラスになりますが、400ccクラスに匹敵する本格的な車体を採用。また、電動モーターならではの素早いレスポンスと大きなトルクにより、静かで俊敏な走りが魅力のモデルだといいます。
しかも、両モデルとも価格は100万円を超えるものの、国が実施するCEV補助金や各地方自治体が実施する補助金を申請すれば、50万円を切る価格で購入できるケースもあることも注目です。
●追い越しなどに便利な「e-boost」機能も搭載
ニンジャe-1とZ e-1は、いずれもカワサキ初の電動スポーツバイクです。
ニンジャe-1は、フルカウルモデルの「ニンジャ」シリーズに属し、スポーティでシャープなスタイルが特徴です。
一方のZ e-1は、独自の「Sugomi(スゴミ)」デザインを採用した「スーパーネイキッドZ」シリーズに属するモデルで、アグレッシブなフォルムや街中でも乗りやすいアップライトなライディングポジションなどが魅力のモデルだといえます。
パワートレインや車体を共用する両モデルは、400ccクラスの「Z400」をベースとする信頼性の高いトレリスフレームを採用。また、バッテリーを含めた車両重量は、ニンジャe-1で140kg、Z e-1が135kgで、いずれも軽量な車体を持つことで、取り回しなどがかなり楽であることがうかがえます。
搭載する電動モーターは、最高出力9.0kW(12PS)/2600~4000rpm、最大トルク40N・m(4.1kgf・m)/0~1600rpmを発揮。走る際にクラッチレバーやシフトペダルの操作は不要で、アクセルをひねるだけで、EVバイクならではの鋭い加速感が楽しめます。
走行時に排気ガスを一切排出しないゼロエミッションを実現したパワートレインには、通常走行に適した「ROAD」モードと、速度を制限し航続距離を伸ばす「ECO」モードを用意。走行状況やバッテリー残量などに応じたモードセレクトが可能です。
また、加速と最高速を約15秒間向上させる「e-boost」機能も搭載。追い越し時など、一時的に加速が必要な場面に便利な機能も装備します。
さらに、駐輪場などでの取り回しをアシストする「ウォークモード」も採用。この機能は、スロットルを開けると、歩行に近い速度で前進。また、スロットルを全閉からさらに奥へ回すと、微速で後進することも可能です。
バッテリーには、リチウムイオンバッテリーパックを2個使用。充電は、別売アクセサリーの専用充電器を使えば、車体から取り外して室内などでも行えます。また、同じく別売アクセサリーのアダプターを使えば、ガレージなどでバッテリーを車体に取り付けたまま充電することも可能。オーナーの住環境などに合わせた充電方法が選べます。
走行中にスロットルを戻すことにより、運動エネルギーがバッテリーに蓄えられる「回生システム」も搭載。走行中にも充電が可能なことで、航続距離の延長に貢献します。
1回の充電で走行できる航続距離は、ニンジャe-1が55km、Z e-1が53km(いずれもROADモード時の60km/h定地走行値)。どちらも走ることができる距離自体はちょっと短いですし、高速道路なども走れない原付二種モデルですから、ロングツーリング向きではなさそうです。
でも、軽い車体や心地よい加速感などにより、きっと近距離を走る街乗りは快適でしょうね。おそらく、通勤・通学や買い物など、普段使いの足としては最適ではないでしょうか。
●補助金の対象車なので実質価格は下がる
価格(税込)は、ニンジャe-1が106万7000円、Z e-1が101万2000円と、どちらも100万円を超えてしまいます。
でも、前述の通り、これらモデルは国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金制度、いわゆるCEV補助金の対象車であるため、購入後に申請すれば12万円が支給されます。
また、それとは別に、各地方自治体に定められた補助金の交付を受けることも可能。補助金の有無や金額は自治体により異なりますが、たとえば東京都に住民票がある人の場合では、東京都電動バイク普及促進事業補助金として46万円の交付を受けることができます。
つまり、このケースでは、
「CEV補助金12万円」+「東京都の補助金46万円」=「合計58万円」
の交付を受けることができるということです。この場合、両モデルの車両本体価格(税込)は、ニンジャe-1が(106万7000円ー58万円=)48万7000円、Z e-1が(101万2000円ー58万円=)43万2000円となりますから、かなりリーズナブルになります。
なお、補助金は予算消化状況により、補助金申請受け付けを終了している場合があります。最新情報は次世代自動車振興センターHPで確認するほか、各地方自治体に問い合わせることをおススメします。
(文:平塚 直樹)