メルセデス・ベンツ「GLCクーペ」が初のフルモデルチェンジ。最新のディーゼルマイルドハイブリッドを搭載

■美しさに磨きをかけたエクステリアと先進的なインテリア

メルセデス・ベンツ日本は、新型GLCに続いてGLCクーペをフルモデルチェンジし、2023年11月28日に発売しました。文字どおり、GLCのクーペクロスオーバーSUVであるGLCクーペにとっては初の全面改良になります。

メルセデス・ベンツGLCクーペの新型が発売
メルセデス・ベンツGLCクーペの新型が発売

流麗なエクステリアからチェックすると、フロントマスクは標準仕様ではフロントグリルまわりを縁取るクロームトリム、アンダーガード調のワイドなクロームトリムが上質でスタイリッシュな表情を生んでいます。

ほかの最新モデルと同様に、スターパターングリルが採用され、立体的に配されたスリーポインテッドスターが先進的なムードを放っています。さらに、大胆な開口部を備えたアグレッシブなフロントバンパーが精悍なフロントマスクを強調。

また、フロントグリルと連続したスリムなヘッドライト、より精悍さを増した最新デザインのフロントバンパーがワイド感を醸し出していて、圧倒的な存在感と独特なプロポーションに寄与しています。

新型メルセデス・ベンツGLCクーペの俯瞰
新型メルセデス・ベンツGLCクーペの俯瞰

サイドビューは、ラインやエッジを大幅に削減し、曲線を描く彫刻的な面により陰影が生み出されています。SUVらしい膨らみが目を惹くホイールアーチにもアクセントが与えられています。

さらに、ヘッドライト、リヤコンビネーションランプからそれぞれ伸びる前後のホイールアーチ上のライン、前後ドアパネル下部を貫くラインという3本のラインが伸びやかなサイドの曲面に絶妙なエッジを加えることで、力強く表情豊かなボディデザインとなっています。

「AMGラインパッケージ」仕様には、ボディ同色のワイドホイールアーチが装着され、より都会的で洗練されたエクステリアが演出されています。

リヤビューは、力強く張り出したフェンダーと水平基調のリヤバンパー、2ピース構造で内部に立体感があるスリムな新型リヤコンビネーションランプにより、よりワイドでシャープなたたずまいになっています。リヤバンパーにもクロームのアンダーガード風のデザインを付与。クロームトリムが左右のエグゾーストエンドと一体化された力強い造形も特徴。

メルセデス・ベンツGLCクーペのインテリア
メルセデス・ベンツGLCクーペのインテリア

インテリアは、ダッシュボードをアッパーとロアの上下に分けられています。上部は翼のような形状に、航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の新デザインの角型エアアウトレットが配置されており、スポーティさを演出。下部には、大きなインテリアトリムが広がり、標準仕様でもオプション選択時でもリアルウッドインテリアトリムが用意され、質感の高い室内空間に仕立てられています。このインテリアトリムは、センターコンソールからダッシュボードに続いています。

ダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイは、ドライバー側に6°傾けられていて、ドライバーの視認性を向上。運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは、自立型。ダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見えます。

コックピットディスプレイとメディアディスプレイは3つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック)と4つのモード(ナビゲーション、アシスタンス、サービス、オフロード)の中から選択することでカスタマイズすることができます。

「GLC 220 d 4MATIC クーペ」には、エンジン単体で197PS(145kW)、440Nmを発生する2.0Lのクリーンディーゼル直列4気筒ターボエンジンの「OM654M」が搭載されています。エンジンとトランスミッションの間に配置されるマイルドハイブリッドシステムの「ISG」により、最大で23PS(17kW)、205Nm(欧州仕様参考値:200Nm)のブーストが短時間可能。厚みのあるトルク、省燃費が魅力のクリーンディーゼルエンジンに、電気による緻密なサポートが組み合わさることで、さらにスムーズな加速感と、燃費の低減に寄与するそう。

「OM654M」エンジンは、新型クランクシャフトが採用され、ストロークが94.3mm、排気量は1992ccに拡大し(先代モデル:92.3mm/1949cc)、燃料噴射圧力を2700barに向上(先代モデル:2,500 bar)。さらに、可変タービンを採用した水冷式ターボにより、ハイレスポンスと優れたパワー伝達を実現。

メルセデス・ベンツGLCクーペのフロントグリル
メルセデス・ベンツGLCクーペのフロントグリル

「GLC 220 d 4MATICクーペ」は、9G-TRONICオートマチックトランスミッションが組み合わされ、1速から9速までの変速比幅が広くエンジン回転数が大幅に低減されることから、優れたエネルギー効率と快適性を達成。

さらに、スイッチ操作1つでエンジンやトランスミッションの特性が切り替わる「DYNAMIC SELECT」に「Offroad」モードを用意。同モードでは、トランスミッションがオフロードモードに切り替わり、雪道や悪路での走破性を高めることができます。「DSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)」も備えており、急な下り坂での安定した走行をサポートします。「Offroad」モードでは、360°カメラシステムを使いボンネットが透けたように見える「トランスペアレントボンネット」機能が採用されています。

そのほか、最新の先進安全装備やインフォテイメントシステムの「MBUX」「MBUX ARナビゲーション」、後輪操舵のリヤアクスルステアリングなどが設定されています。

●GLC 220 d 4MATIC クーペ(ISG 搭載モデル) 価格:898万円

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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