復活が話題の「ホンダ・プレリュード」は、どんなクルマになる?【週刊クルマのミライ】

■JMSで大注目、帰ってきた前奏曲

ジャパンモビリティショーで世界初公開されたホンダのプレリュード・コンセプト(写真提供:ジャパンモビリティショー事務局)
ジャパンモビリティショーで世界初公開されたホンダのプレリュード・コンセプト(写真提供:ジャパンモビリティショー事務局)

来場者数は111万人を超え、大成功となった新生ジャパンモビリティショー(JMS)。その余韻はまだまだ車好きの心をホットにしているのではないでしょうか。

とくにバブル世代と呼ばれる、いまの中高年にとって印象深かったのはホンダが世界初公開した「プレリュード・コンセプト」だったのでは?

バブル世代が学生から新社会人になった頃、デートカーとして一世を風靡した「プレリュード」という名前が、おそらく近い将来に蘇えるというホンダのアピールはインパクト抜群でした。

「よーし退職金で新型プレリュードを買っちゃうぞー」とウキウキしているご同輩もいたそうです。

●20インチタイヤにブレンボのブレーキ

いまどき珍しいクーペボディ。フロントに青いブレンボを備えている(写真提供:ジャパンモビリティショー事務局)
いまどき珍しいクーペボディ。フロントに青いブレンボを備えている(写真提供:ジャパンモビリティショー事務局)

メカニズムについてはハイブリッドであることはアナウンスされましたが、それ以外の詳細はなく、下回りを覗き込んだ筆者がアレコレと質問しても「ご想像にお任せします」という回答が返ってくるのみ。

見てわかる部分を整理すると、タイヤ&ホイールは現行シビックタイプRより大きな20インチサイズ。スポーツモデルらしくフロントに青いブレンボ・ブレーキがついていますし、カーボン製のエアロパーツなども備わっています。ただし、市販車に採用するというものではなく、ショーモデルとしてのお化粧という印象はぬぐえません。

しかしながら、下回りを覗いたときにはサスペンションアームがスチール製であることが確認できました。完全なるコンセプトカーというイメージより、量産プロトタイプに近いという印象を受けたのも事実。ジャパンモビリティショーでの反応を考えると、予想以上に早いタイミングでの市場投入もありそうです。

●タイヤはタイプRに負けないスポーツラジアル

メカニズムについてはハイブリッドであることのみが公表されている(写真提供:ジャパンモビリティショー事務局)
メカニズムについてはハイブリッドであることのみが公表されている(写真提供:ジャパンモビリティショー事務局)

ちなみに、プレリュード・コンセプトが履いていたタイヤ銘柄は、コンチネンタルの超ハイグリップモデル「スポーツ・コンタクト6(245/35R20 XL)」でした。

このチョイスからすると、最近のホンダ車でよく見かける2.0Lエンジンのe:HEV(2モーターハイブリッド)ではなく、もっとパワフルでトルクフルなハイブリッドパワートレインを想定していることが想像できます。

ジャパンモビリティショーでは、ホンダの三部敏宏社長が、『本格的な電動化時代へ“操る喜び”を継承する、Honda不変のスポーツマインドを体現するモデルの先駆けとなります』と、このプレリュード・コンセプトを紹介していました。

プレリュード・コンセプトとホンダの三部敏宏 社長(ジャパンモビリティショーにて筆者撮影)
プレリュード・コンセプトとホンダの三部敏宏 社長(ジャパンモビリティショーにて筆者撮影)

ご存知のようにプレリュードというのは前奏曲や先駆けという意味があります。プレリュードの復活は、ホンダ・ブランドにおけるスポーツラインナップが充実することを示しているのです。気の早い話かもしれませんが、プレリュードにつづくスポーツモデルの登場にも期待が高まります。

もっとも、電動化時代にもホンダがスポーツマインドを高めていくことを具現化するのであれば、誰が見てもホンダ車らしいスタイリングを極めることにも注力してほしいと、生意気ながら思う筆者でありました。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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