■スーパー耐久や様々なラリーで鍛えられた8段AT
11月16日から19日まで開催されたFORUM8 RALLY JAPAN 2023 AICHI/GIFU。そのJRcar1クラスで優勝を果たした眞海和志選手/安藤裕一選手組のGRヤリス。
![GRヤリス8段AT車でクラス優勝した眞海選手、安藤選手](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_003-380x253.jpg)
一見するとGRヤリスGRMNラリーバージョンでは?と思う外観ですが、実は他のGRヤリスとは大きく違う部分があります。それはトランスミッションが8段オートマティックとなっているところです。
GRヤリスでも1.5リッターのRSグレードであればCVTモデルとなりますが、こちらは1.6リッターターボのモデルに8段ATを搭載したモデルとなっています。
![岩村リエゾンを走るGRヤリス8段AT車](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_002-200x133.jpg)
この8段ATモデルはTGRラリーチャレンジや全日本ラリーにも参戦しテストを重ねてきた上に、9月2日に決勝が行われたスーパー耐久もてぎ戦でMORIZO選手こと豊田章男会長が直々にステアリングを握り5時間耐久レースで完走を果たしています。
![スーパー耐久で走るORC ROOKIE GR Yaris DAT concept](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_011-200x133.jpg)
![スターティンググリッドに立つスーパー耐久で走るORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptとMORIZO選手](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_013-200x133.jpg)
スーパー耐久もてぎ戦では、ATミッションが発する発熱が問題となっていましたが決勝レーススタートまでに解決し、最後尾スタートから130周を走り切りST-Qクラスで2番手、同排気量クラスのST-2に参戦していれば3位表彰台となるくらいの速さと信頼性を発揮しました。
●ホントにAT?疑いたくなるすごい走り
![RALLY1マシン並みのドリフトを見せるGRヤリス8段AT車](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_007-200x133.jpg)
スーパー耐久もてぎ戦での説明によると、この8段ATはマニュアルトランスミッションを操る感覚をパドルやレバー操作無しの完全なATモードで実現することを目指しているとのことでした。
その目指すところは豊田スタジアムSSSでの走りを見る限りすでに達成されているのではないかという印象を得ました。GRヤリスWRC等のRALLY1マシンのようなドリフトアプローチでタイトコーナーをクリアする様は、本当にATなのかと疑うほど。
![クラス違いのRALLY2マシンにも競り勝つ実力を見せた](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_009-200x133.jpg)
最後の最後までMTのGRヤリスとやりあったとはいえ、ATがWRCでクラス優勝というのはスゴいの一言。
そして優勝ドライバーの眞海選手はポディウムから重大な一言を発します。
![重大発言をする眞海選手](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_004-200x133.jpg)
「間もなく皆さんのお手元にお届けできることでしょう」
つまり市販が決定したということ。これから来るであろうGRヤリスのマイナーチェンジには間違いなくこのラリージャパン2023でクラス優勝した8段ATシステムが搭載されるということとなるでしょう。
![初日のSS1では頑張り過ぎて冷却系を破損するアクシデントも](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_010-200x133.jpg)
![豊田スタジアムSSSを走るGRヤリス8段AT車](https://clicccar.com/uploads/2023/11/24/gr_yaris_at_concept_008-200x133.jpg)
スーパー耐久や全日本ラリー、そしてWRCまでも使っての開発の舞台として活用し市販につなげていく。モータースポーツからいい車づくりを謳うトヨタらしい開発手法と言えますね。
(写真・文:松永 和浩)