りんかい線に新型車両71-000形を2025年度から導入

■2025〜2027年に8編成80両を順次導入

東京臨海高速鉄道株式会社は、りんかい線で運行している70-000形(ななまんがた)の後継車として、71-000形(ななまんいっせんがた)を導入することを発表しました。

りんかい線の新型車両71-000形(東京臨海高速鉄道のプレスリリースより)
りんかい線の新型車両71-000形(東京臨海高速鉄道のプレスリリースより)

現在運行している70-000形は、1996年のりんかい線第一期区間(新木場〜東京テレポート間)の開業時に導入した車両で、27年以上活躍しています。

現在りんかい線を運行している70-000形
現在りんかい線を運行している70-000形

71-000形の車体幅は、70-000形よりも150mm拡大(2800mm→2950mm)し、混雑時の圧迫感を緩和。また、床面高さを50mm下げてホームとの段差を低減します。

外観デザインは70-000形の丸みのある面影を継承しながら、海や波のおおらかさを取り入れ、前面上部をひさし形状として横方向への広がりを強調。

前面のカラーリングは、70-000形の色彩を継承しつつ、より親しみが感じられるように「やさしい微笑み」をイメージ。側面は、ホームドア越しでも見えるように、腰部から上部にかけてカラーリング。エメラルドブルーのグラデーションで、東京湾ウォーターフロントの水辺の空間を表現しています。

安全性を向上させるため、前面には衝撃吸収材を設置。また、車体の剛性を高めています。

71-000形の車内(東京臨海高速鉄道プレスリリースより)
71-000形の車内(東京臨海高速鉄道プレスリリースより)

内装はホワイトを基調にグレーやネイビーでまとめて、臨海副都心の洗練された都市景観をイメージ。また、70-000形で採用した木目柄の妻部化粧板を継承しています。

70-000形の車内71-000形の車内(東京臨海高速鉄道プレスリリースより)
70-000形の車内71-000形の車内(東京臨海高速鉄道プレスリリースより)

車体幅の拡大に加え、座席幅も1人当たり10mm拡大して居住性を向上。袖仕切りも大型化すると共に、一部をガラス製として開放感を高めています。また、荷棚や吊り手の高さを下げて利用しやすくしています。ドア上部には2画面の液晶ディスプレイを設置して、様々な情報を提供します。

●70-000形はJR209系の兄弟車。では71-000形は?

70-000形のベースとなったJR東日本209系
70-000形のベースとなったJR東日本209系

りんかい線の初代車両70-000形は、JR東日本の通勤車両209がベースでした。これはりんかい線の車両定期検査をJR東日本に委託しており、JR東日本の車両と部品の互換性を持たせる事が狙いでした。

70-000形4両をJR東日本が購入・改造して八高線・川越線で使用した209系3100番代
70-000形4両をJR東日本が購入・改造して八高線・川越線で使用した209系3100番代

余談ですが2004年に70-000形の編成組み替えを行った際に、余剰となった先頭車4両と中間車2両をJR東日本に売却。新造車2両を加えて209系3100番代として、2022年まで八高線・川越線で使用されました。これは私鉄・第三セクターからJRに車両を売却した最初の例でした。

JR東日本の最新型通勤車両E235系
JR東日本の最新型通勤車両E235系

71-000形も、システム的にはJR東日本の車両と互換性が図られるものと考えられます。JR東日本の最新型通勤車両は、山手線や横須賀線、総武快速線で使用しているE235系です。

りんかい線が乗り入れている埼京線で使用されているE233系7000番代
りんかい線が乗り入れている埼京線で使用されているE233系7000番代

りんかい線はJR埼京線に直通運転をしています。埼京線では一世代前のE233系7000番代を使用しています。

2019年から埼京線に乗り入れている相模鉄道12000系のシステムはE233系がベース
2019年から埼京線に乗り入れている相模鉄道12000系のシステムはE233系がベース

また、2019年11月30日から埼京線と相互乗り入れを開始した相模鉄道が、JR乗り入れ用に導入した12000系のシステムはE233系をベースとしています。

12000系がE233系のシステムをベースとしているのは、相模鉄道には同じくE233系をベースとした11000系も在籍している事も理由のひとつだと言えます。

2008〜2013年に製造した相模鉄道11000系もE233系がベースです
2008〜2013年に製造した相模鉄道11000系もE233系がベースです

一方、りんかい線の車両はJR東日本の最新型車両をベースとしてきたので、今回もE235系をベースにするのではと予想されます。

71-000形は2025年度に登場。そのスペックが楽しみです(東京臨海高速鉄道のプレスリリースより)
71-000形は2025年度に登場。そのスペックが楽しみです(東京臨海高速鉄道のプレスリリースより)

はたして2025年度に登場する71-000形がどのようなスペックで登場するのか楽しみです。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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