ブリヂストンの「ENLITEN(エンライトン)」技術を採用した金属製の月面探索車用タイヤ【これだけは見逃すなジャパンモビリティショー2023】

■「エンライトン」は、タイヤ性能の向上に加えて、究極のカスタマイズが可能

ブリヂストンの「ENLITEN(エンライトン)」技術は「ジャパンモビリティショー2023」の展示におけるハイライトになっています。

ブリヂストンブースには、同技術を使った世界最高峰のソーラーカーレースのマシンとタイヤも展示されています。

「Bridgestone World Solar Challenge」の参戦車両。2019年の東海大学ソーラーチーム車両
「Bridgestone World Solar Challenge」の参戦車両。2019年の東海大学ソーラーチーム車両

「2023 Bridgestone World Solar Challenge(ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ)」では、チャレンジャークラスで「Innoptus Solar Team」(ベルギー)、クルーザークラスで「Sunswift Racing」(オーストラリア)が優勝しています。

同社広報担当のオススメは、「ENLITEN」技術の展示パネルと海外向け市販タイヤ
同社広報担当のオススメは、「ENLITEN」技術の展示パネルと海外向け市販タイヤ

同社が供給する「ENLITEN(エンライトン)」技術搭載タイヤは、市販だけでなく、モータースポーツにも投入されています。

なお、装着チームは、チャレンジャークラスで優勝、クルーザークラスで優勝しているほか、クルーザークラスでは準優勝、3位になり、表彰台を独占しています。

チャレンジャークラス優勝チームの「Innoptus Solar Team」のソーラーカーとチーム
チャレンジャークラス優勝チームの「Innoptus Solar Team」のソーラーカーとチーム

ブリヂストンの最新技術である「ENLITEN」は、タイヤ性能を従来品よりも高めているのはもちろん、多様な性能をモビリティ、ユーザーごとにカスタマイズする商品設計基盤技術です。

ソーラーカーレース用タイヤ
ソーラーカーレース用タイヤ

このソーラーカーレース用の「ENLITEN」技術搭載タイヤは、太陽光による限られた電力で約3000kmもの長距離を走り切るという過酷な条件下で求められる低転がり抵抗、耐摩耗性能、軽量化、耐パンクに特化することで、究極のカスタマイズが具現化されています。

今回の成果が証明しているように、優勝チーム含めて参加チームの足元を支えました。

こちらは、ブリヂストンのブースに展示されている月面探索車用タイヤ
こちらは、ブリヂストンのブースに展示されている月面探索車用タイヤ

月面探索車用タイヤも必見です。月面は、-170~120度という過酷な状況下というだけでなく、宇宙線と呼ばれる高エネルギーの放射線も降り注いでいるため、通常のタイヤのようなゴム製では耐久性を確保できません。

そのため、金属製のネットのような骨格として、スチールウールのようなふわふわとした金属素材がタイヤ全面に配置されています。すでに同タイヤがテスト車両に装着され、砂地や不整地、斜面での走行テストが行われています。

なお、「ジャパンモビリティショー2023」の西ホールで開かれている「Tokyo Future Tour」には、月面探索車の「ルナクルーザー」のミニチュアや「ルナクルーザー」の内部も再現されていて見学できます。宇宙と月に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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