日本未発売レクサス版ヤリスクロス「LBX」を清水和夫が特別試乗。バッテリーの違いが走りを変えた

■レクサスLBXハイブリッドにはバイポーラニッケル水素! コレが最適

●自分のヤリスHEVにもこのバッテリー、カモ~ン!

清水和夫×レクサスLBX
清水和夫×レクサスLBX

ランクルも真っ青の本格オフローダー「GX550」、水素エンジンを搭載したバギーカー「ROV Concept」、アルヴェルのレクサス版?、4座仕様のショーファーカー「LM500h」、SUV3列シートで北米地域専用モデル「TX350」「TX500h」、そして、ウワサのヤリスクロスのレクサス版「LBX」。

これ全部、日本には未登場のレクサスたちです。

清水和夫×レクサスLBX
清水和夫×レクサスLBX

そんなレクサスたちを特別試乗をしたのは、国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。『え~ずるい~羨ましいゾ!』なスペシャル試乗レポート動画を、順次お届けします。

まずは、2023年内にも日本発売を予定している、ヤリスクロスのレクサス版、LBXレポートをお届けします(以下の動画より、「LBX」試乗レポートは4分45秒辺りからスタートです!)。

●LBXがここまでイイなんて、感動!!

この車はヤリスクロスのレクサス版で、バッテリーがバイポーラニッケル水素です。ニッケル水素の方が、電気の出し入れの応答性が速いみたいです。

ワクワクとレクサスLBXを初試乗する清水和夫さん
ワクワクとレクサスLBXを初試乗する清水和夫さん

これ、相当速いな! おぉ~楽しいね♪ ヤリスと思えないよコレ。しかも、ちょっと背高系。

さあここはどうかな? リバウンドもいいですね。

全開!!!
全開!!!

よし、これ全開だ! おぉ~足いいわ。これだったらニュルブルクリンクも走れる。ステアリングの手応えもいいし。

レクサス、ここまで良くなったんだな。ちょっと感動!

なんかちょっとショックだな、自分が全日本ラリー選手権で乗ってるヤリス・ハイブリッドと比べて…まぁソッチはラリーカーだけど。

●レクサス「LBX」とトヨタ「ヤリスクロス」の一番の違いは、バッテリー

LBXはヤリスクロスのレクサス版なんだけど、バッテリーがバイポーラニッケル水素、自分のヤリスHEVはリチウム。

ハイブリッドのバッテリーは、やっぱりこのバイポーラのニッケル水素のほうがいいね。アクセル踏んだ時のシュン!ていう瞬発力があります。

感動するほどイイ!
感動するほどイイ!

足も悪くないのよ。どうなっちゃったの?っていうくらい。

このところ、コロナ挟んだ3年ぐらいの間、レクサスってちょっと迷走してるのかな、あんまりメッセージが出てこないな…とかいろんな心配事もあったんだけど。でもやっぱりやることはちゃんとやっていた。

今回、プロトタイプをかなり乗せてもらったんだけど。GXとかLM、TXとかいろいろね(別記事動画レポートを待て!)。最後に乗ったこのLBX、これの完成度の高さにはちょっと驚きました。

●スペシャルな未発表レクサスたちを試乗したら、みんな「LEXUS」だった!

もう今日はね、お腹いっぱい!

レクサスのスペシャル市場を終えて…(別記事を待て!)
レクサスのスペシャル市場を終えて…(別記事を待て!)

なんでかというと、いろんなオフロード、クロスカントリーのGXと、すごいミニバンというか2列シートのLM。で、これはLBX。ここに無いのがアメリカでしか当面売らないTXという車。これは3列シートのSUV。アメリカではいろんなものをトーイングしたりするから、やっぱりそのワンモーターのターボエンジンがある。

まあでも、アレ(TX)も日本に入れてもいいんじゃないかなと思うくらい、乗った感じがいいんですね。もうね、ドア閉めた瞬間に、重厚感がその車だけ違った。

そういう意味で、今回のレクサス、非常に楽しい1日でした。

ランクルも真っ青の本格オフローダー「GX550」
ランクルも真っ青の本格オフローダー「GX550」

大事なことは、乗り味が全部“ドライバーズカー”になったということ。だから、ショーファーの2列シートのミニバン(LM)を作っても、悪いけど、後ろの席よりも運転席のほうが楽しい。特に、リアサスのハーシュの音なんかも、運転席は聞こえないけど、後ろの席には聞こえちゃう。

だから、運転手に楽しい思いさせるのはやだな!っていう車好きの社長さんは、自らハンドルを握っちゃうんじゃないかな!?っていうのが、このLM。

SUV3列シートで北米地域専用モデル「TX350」「TX500h」
SUV3列シートで北米地域専用モデル「TX350」「TX500h」

TXも、FFもあって四輪駆動もある。FFはどうなのかな?と思ったけど、ボディとサスがしっかりしているから、そんなに乗り味の違いがない。一貫性があるっていう意味で。

コレ(GX)はオフロード、メカ四駆なので、モーターと違ってガツガツガツッといけるところがいいですよね。

で、このコ(LBX)、最後に乗ったんだけど、実は我が家にはメルセデスのGLAがあるんだけど、その車を売ってこれを買おうかなって真剣に思ったくらいです。

レクサスのアルヴェル版?「LM」
レクサスのアルヴェル版?「LM」

レクサスのハイブリッドで今、面白いのは、リチウムイオンのバッテリーは使わないで、バイポーラのニッケル水素にしたということです。

これはエキスパートに聞くと、電気の出し入れの速さがバイポーラのニッケル水素の方があるということ。リチウムはエネルギー密度の関係でBEVでは使えるけど。

水素エンジンを搭載したバギーカー「ROV Concept」
水素エンジンを搭載したバギーカー「ROV Concept」

そういう風に、技術の使い方もこなれてきたし、コーポレートのトヨタにはできないような、なんか一つのブランドとしての一貫性というのが、技術でも、ADASでも、ステアリングを握った時の楽しい走りでも、全てが一貫してるなっていう感じですね。

そういう意味で、このLBXとGX、LM、TXまで含めて、すべての車がハンドルを握るとレクサスだなって分かりました。

ということで、申し訳ないけど、レクサスはショーファーを作っても、それは仮の姿で、本当の顔はドライバーズカーでした。それはある意味、良かったんじゃないかなと思います。


巷でも話題となっているレクサスLBXは、ヤリスクロスとの棲み分けやレクサスならではの乗り味も持っているようですね。

最後はGX、LM、TXなど他試乗の感想も語っていますが、ソチラは別記事にて紹介していきますので、しばらくお待ちを!

■LBX(プロトタイプ)諸元
全長:4190mm
全幅:1825mm
全高:1560mm
ホイールベース:2580mm
タイヤサイズ:225/55R18

※2023年10月19日、記事中に記載しましたレクサスで使用されているバッテリーの種類について、一部訂正をいたしました。(クリッカー編集部:永光 やすの)

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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