日産「ノートクロスオーバー」vs. ホンダ「フィットクロスター」、アウトドアがに合う国産コンパクトカーは?【ライバル徹底比較】

■国産コンパクトカーはクロスオーバーモデルも充実

ノートvsフィット
ノートvsフィット

SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)人気は未だに右肩上がりです。レクサスはLBXに続きGXも導入。SUVだけで6モデルとなります。そのSUV人気の影響は、SUVテイストを効かせたクロスオーバーモデルにまで及んでいます。

ここでは、国産コンパクトカーの日産・ノート、ホンダ・フィットに設定されたクロスオーバーモデルである、日産・ノートクロスオーバーオーテックと、ホンダ・フィットクロスターを試乗して実力をチェックしました。


●【外装比較】最低地上高を25mm高めても立体駐車場に入るノートクロスオーバーオーテック

日産・ノートクロスオーバーオーテック+アクティブのフロントスタイル
日産・ノートクロスオーバーオーテック+アクティブのフロントスタイル

進化した第2世代e-POWERを搭載した現行型日産・ノートは、2020年11月に登場しました。新設計したプラットフォームに、システムを大幅刷新しパワーアップしたe-POWERを搭載。安全装備も、日産初となるナビリンク機能を備えた「プロパイロット」を搭載した意欲作です。

日産・ノートクロスオーバーオーテック+アクティブのリアスタイル
日産・ノートクロスオーバーオーテック+アクティブのリアスタイル

今回試乗した日産・ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブは、2022年12月に追加されたモデルです。ボディサイズは全長4,065mm×全幅1,700mm×全高1,545mmの立体駐車場に対応した5ナンバーサイズとなっています。

専用チューンのサスペンションに195/60R16タイヤを装着
専用チューンのサスペンションに195/60R16タイヤを装着

ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブは、専用装備であるドットパターンフロントグリルをはじめ、ブルーに輝くシグネチャーLED、メタル調フィニッシュのドアミラーに加えて、専用サスペンションやタイヤの大径化により地上高を25m拡長し、悪路走破性を向上させています。

さらに、専用デザインのサイドシルプロテクターやホイールアーチガーニッシュ、ルーフモール、専用デザインのアルミホイールを装備し、躍動感のあるスタイルが特徴です。さらに、プラスアクティブはこれに加えて、シルバーフロントプロテクターやシルバールーフモールを標準装備しています。

ホンダ・フィットクロスターのフロントスタイル
ホンダ・フィットクロスターのフロントスタイル

一方の現行型ホンダ・フィットクロスターは、2020年2月に登場しました。1.5Lガソリンエンジンに加えて、1.5Lエンジンに駆動・発電を行う2つのモーターを組み合わせたe:HEV(イーエイチイーブイ)と呼ばれるハイブリッドを設定しています。

ホンダ・フィットクロスターのリアスタイル
ホンダ・フィットクロスターのリアスタイル

フロントグリルを採用したフロントデザインに加えて、ホイールアーチにブラックのクラッディングを施したり、16インチホイールを採用することで、クロスオーバースタイルを強調しています。

フィットクロスターのタイヤ&ホイール
フィットクロスターのタイヤ&ホイール

さらに2022年に行ったマイナーチェンジで、専用のエクステリアとなっているフロント、サイド、リアのガーニッシュをシルバーに変更。よりタフギアらしいデザインとなっています。

フィットクロスターのボディサイズは、全長4,095mm×全幅1,725mm×全高1,570mmで、現行のフィットシリーズで唯一の3ナンバーボディとなっています。

●【内装比較】ラゲッジ容量は互角だが、フィットクロスターのほうがアレンジは多彩

日産・ノートクロスオーバーオーテック+アクティブのインストルメントパネル
日産・ノートクロスオーバーオーテック+アクティブのインストルメントパネル

日産・ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブのインテリアは、インストルメントパネルにセンターディスプレイと一体化したメーターを装備し、電動化に相応しい先進感と使い易さを兼ね備えています。特徴的な小型の電制シフトレバーが乗るブリッジ型のセンターコンソールには、大型の収納スペースやロングリーチのアームレストを装備されています。

また、柔らかな手触りで体に馴染むレザレットのシート地や、鮮やかな木目が特徴的な高級材、紫檀(シタン)の柄のインストルメントパネルを採用しています。日産・ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブのラゲッジ容量は5人乗車時で330L。分割可倒式リアシートを前に倒せば、容量は増大します。

ホンダ・フィットクロスターのインストルメントパネル
ホンダ・フィットクロスターのインストルメントパネル

ホンダ・フィットクロスターの内装は、コンパクトカーとしてはじめて、7インチのフルカラー液晶パネルを採用したバイザーレスメーターを採用しています。反射防止加工を施すことで見やすさを重視。また液晶ならではの表現力を生かしつつ、必要最小限の情報に絞り込んだシンプルな表示にするなどわかりやすさを追求しています。

インストルメントパネルの上面をフラット化し、フロントウィンドウとの合わせを水平基調にすることで、車両感覚がつかみやすく工夫されています。シートフレームは上級セダンまで見据えた新世代フレームを採用。体圧を面で受けとめることで乗員をしっかりと支えてくれます。

ホンダ・フィットクロスターの5人乗車時のラゲッジ容量は330L。6:4の分割可倒式リアシートを前に畳むと大きな荷室が出現。また、リアシートの座面を跳ね上げれば、高さのあるものも積み込むことが可能です。

●【パワートレイン比較】ガソリン車とハイブリッド車から選べるフィットに割安感がある

1.2Lエンジンで発電しモーターを駆動させて走行するe-POWER
1.2Lエンジンで発電しモーターを駆動させて走行するe-POWER

日産・ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブに搭載されているパワートレインは、最高出力82ps・最大トルク103Nmを発生する1.2L直列3気筒エンジンを発電機として使用し、最高出力116ps・最大トルク280Nmを発生するモーターを駆動させて走行するe-POWERのみ。4WD車にはリアに最高出力68ps・最大トルク100Nmを発生するモーターを搭載しています。

駆動方式は2WDと4WDで、燃費性能はWLTCモードでベース車のX 2WDが28.4km/L。4WD車のX FOURが23.8km/Lとなっています。

1.5Lエンジンに2つのモーターを組み合わせたe:HEV
1.5Lエンジンに2つのモーターを組み合わせたe:HEV

一方のホンダ・フィットクロスターは、最高出力118ps・最大トルク142Nmを発生する1.5L直列4気筒エンジンと1.5L直4エンジンと、最高出力123ps・最大トルク253Nmを発生するモーターを組み合わせたハイブリッドシステムe:HEVの2種類を用意しています。

採用されているトランスミッションはCVTで、駆動方式は2WD(FF)と4WDを用意。燃費性能はWLTCモードで1.5Lガソリン車が16.1~17.6km/L。e:HEVは24.2~27.1km/Lとなっています。

車両本体価格はノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブが266万9700円~292万8200円。フィットクロスターは211万4200円~267万3000円と、ガソリン車を設定するフィットクロスターに割安感があります。

●【走り・乗り心地比較】高出力のリアモーターが高い走行安定性を生み出すノートクロスオーバーオーテック

日産・ノートクロスオーバーオーテック+アクティブの走行シーン
日産・ノートクロスオーバーオーテック+アクティブの走行シーン

日産・ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブ4WDは、リアに高出力モーターを搭載しているので、車両重量は1,360kgと2WD車より120kgも重い。また、専用サスペンションと16インチホイール+195/60R16というタイヤの影響で、最小回転半径は5.2mです。

個人的に日産・ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブ4WDの走行性能面でのネガティブなポイントは、この2点だけです。

標準車で発生するリアサスペンションの落ち着きのなさは、専用チューニングを施されたサスペンションで解消。路面からの衝撃を弱めるだけでなく、カーブを曲がる際のロール量も抑えてくれるので、ドライバーだけでなく、すべての乗員に安心感を提供してくれます。

車両重量は120kgも重くなるものの、リアモーターの効果はドライ路面ではもちろん、雪道などでの効果は絶大。電動車特有のきめ細かい制御により、リアがスライドすることはほとんどありません。もちろん、高速道路などの走行安定性もバッチリです。運転支援機能のプロパイロットなどを装着すると、さらに価格は上昇してしまいますが、小さな高級車という目線で見れば納得の乗り心地と走行性能です。

ホンダ・フィットクロスターの走行シーン
ホンダ・フィットクロスターの走行シーン

一方のホンダ・フィットクロスターe:HEV 4WDは、最低地上高はほかのモデルより5mmだけ高い仕様なので、悪路走破性は変わらないです。最小回転半径は5.0mとコンパクトカーでは及第点と言えるレベルです。

ホンダ・フィットクロスターに搭載されているe:HEV は、積極的にモーターで走行させるハイブリッドシステムです。特に街乗りでは、モーターでの走行領域が多いため、スムーズな加速性能と高い静粛性が特徴です。乗り味は、ほかのフィットとそれほど変わりがなく、適度なロール感を感じるソフトな乗り心地となっています。

車両重量は、ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブ4WDと比べると、同じ4WD車でも180kgも軽いので、コンパクトカーらしい軽快な走りが特徴です。その一方で、最低地上高が高くなっていないこともあり、街乗り重視のクロスオーバーSUVという要素が強いのが、ホンダ・フィットクロスターと言えます。

運転支援機能を標準装備しているホンダ・フィットクロスターに対して、プロパイロットなどがオプションの日産・ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブ。前後にモーターを搭載した走行性能と、フラットな乗り心地は魅力ですが、オプションを含めると軽く300万円オーバーとなるのは気になるところです。

【Specification】

■日産・ノートクロスオーバーオーテックプラスアクティブ4WD:全長4,045×全幅1,700×全高1,545mm、ホイールベース:2,580mm、車両重量:1,360kg、エンジン種類:直列4気筒DOHC、総排気量:1,198cc、最高出力:82ps/6,000rpm、最大トルク:103Nm/4,800rpm、モーター種類:交流同期電動機、フロント最高出力:116ps、最大トルク:280Nm、リア最高出力:68ps、最大トルク:100Nm、WLTCモード燃費:23.8km/L、タイヤサイズ:195/60R16、車両本体価格:292万8200円

■ホンダ・フィットe:HEV クロスター4WD:全長4,095×全幅1,725×全高1,570mm、ホイールベース:2,530mm、車両重量:1,280kg、エンジン種類:直列4気筒DOHC、総排気量:1,496cc、最高出力:106ps/6,000〜6,400rpm、最大トルク:127Nm/4,500〜5,000rpm、モーター種類:交流同期電動機、最高出力:123ps、最大トルク:253Nm、WLTCモード燃費:24.2km/L、タイヤサイズ:185/60R16、車両本体価格:267万3000円

(文・写真:萩原 文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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