クロアチア生まれのハイパーカー「リマック・ネヴェーラ」は最高速400km/h、3億円超、世界で最も加速が速い量産車

■4モーター搭載で最高速度は400km/h超え!!

クロアチアと聞いて、筆者が思い浮かぶのは、サッカーのルカ・モドリッチ選手。K1で活躍したミルコ・クロコップ選手。そして、ジブリ作品の舞台になったと言われている世界遺産のドブロブニク旧市街ぐらい。

リマック・ネヴェーラのフロントスタイル
リマック・ネヴェーラのフロントスタイル

このBEVのハイパーカーであるリマック・ネヴェーラを見るまで、クロアチアに自動車メーカーがあることを恥ずかしながら知りませんでした。

実はこのリマックという会社は、フランスのハイパーカーブランド、ブガッティを2021年に買収し、ポルシェとともに新たに合弁会社のブガッティリマックを設立したハイパーカーブランドなのです。

リマック・ネヴェーラのリアスタイル
リマック・ネヴェーラのリアスタイル

このリマックの手掛けた市販車を日本で販売するのは、ケーニグセグなどのハイパーカー販売をはじめ、稀少車の販売やオークションを開催している株式会社BINGOです。

今回、発表されたリマック・ネヴェーラは、主要車両システムはすべて社内で開発され、ゼロから設計されたモデルです。150台限定の生産で車両本体価格は200万ユーロ。日本円で約3億1500万円という超高額車。しかし、日本でも数台オーダーが入っているそうです。

シャシーにカーボンモノコックを採用したリマック・ネヴェーラのボディ剛性は、レーシングカーのLMP1を上回り、車両重量は2,300kgとなっています。

リマック・ネヴェーラの充電ジャック
リマック・ネヴェーラの充電ジャック

搭載しているパワートレインは、自社開発した4つのモーターを採用した電動パワートレインです。最高出力は1,914ps、最大トルクは2,340Nmを発生。そして満充電時の走行可能距離はWLTPモードで490kmです。

リマック・ネヴェーラに搭載されたオンボードペガサススーパーコンピューターは、運転1時間あたり6TBのデータ処理が可能。これは、24台分のMacBook Proの処理能力に匹敵します。

リマック・ネヴェーラのインストルメントパネル
リマック・ネヴェーラのインストルメントパネル

そしてステアリング、サスペンション、精密に調整されたトルクベクタリングシステムを介して、4つのホイールをフル活用でき、7項目の運転モードからドリフトモードを選べば、タイヤを滑らせ、煙を立てながら走行することも可能です。

ハイパーカーのリマック・ネヴェーラは、ニュルブルクリンクサーキットで、世界で最も速い量産型BEVという称号をはじめ、世界で最も加速が速い量産車として23個のタイトルホルダーとなっています。

リマック・ネヴェーラのバケットシート
リマック・ネヴェーラのバケットシート
センターパネルでエアコンなどを操作する
センターパネルでエアコンなどを操作する

リマック・ネヴェーラがドイツの自動車試験施設(ATP)でテストを行った結果、23個の量産市販車の世界記録を塗り替えました。

その記録がこれらです。

・0-100km/h加速1.81秒
・0-200km/h加速4.42秒
・0-300km/h加速9.22秒
・0-400km/h加速21.31秒
・100-200km/h加速2.59秒
・200-250km/h加速2.00秒
・200-300km/h加速4.79秒
・0-100km/h加速からの停車までの時間が3.99秒
・0-200km/h加速からの停車までの時間が8.85秒
・0-300km/h加速からの停車までの時間が15.68秒
・0-400km/h加速からの停車までの時間が29.93秒
・100km/h走行からの停車までの距離が28.96m

と、加速性能だけでなく、ブレーキング性能の高さも特徴です。

タイヤサイズはフロントが275/35R20。リアは315/25R20
タイヤサイズはフロントが275/35R20。リアは315/25R20

同様にその記録は…。

・0-60MPH加速1.74秒
・0-100MPH加速3.21秒
・0-120MPH加速4.19秒
・0-130PH加速4.74秒
・0-200MPH加速10.86秒
・0-250MPH加速21.86秒
・60-130MPH加速2.99秒
・1/8マイル加速5.44秒
・1/4マイル加速8.25秒
・1/2マイル加速12.82秒
・スタンディングマイル20.59秒

と、23個の記録を作っています。

世界で最も加速性能の高い量産車というのもスゴイですが、最高速度が400km/hまで達するとサラッと書いてあるところに、リマック・ネヴェーラの計り知れないポテンシャルに『ネヴェーラ=地中海の嵐』という名前どおりにビリビリと痺れてしまいました。

(文・写真:萩原文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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