目次
■日本一速い男「星野一義」とスカイラインのLOVEラヴな関係♪
●早い者勝ちの1000台限定「NISMO」か、運次第の100台限定「NISMO Limited」か!?
クリッカーでも速報したとおり、日産スカイラインの特別仕様車「スカイラインNISMO」が9月上旬に、そして超特別仕様車「スカイラインNISMO Limited(ニスモ リミテッド)」が2024年夏に発売されます。
スカイライン NISMOは先着順の1000台限定で、価格は788万400円~847万円。
そして、100台限定のスカイライン NISMO Limitedは、オンラインでの抽選販売[応募は2023年9月4日(月)15時締め切り]で、価格は947万9800円。
ちなみに、スカイラインNISMOのベースとなる「スカイライン400R」の価格は595万4300円ですから、お値段もなかなかです(価格は全て税込)。
●星野一義さんがスカイラインNISMOのブランドアンバサダーに就任
2023年8月8日(火)に行われたスカイライン NISMO発表会会場には、ブランドアンバサダーに就任した、元祖日本一速い男・星野一義さんも登壇しました。
長年にわたり日産、そしてスカイラインに携わってきた星野さんに日産から贈られたのが、1000台限定のスカイラインNISMO、しかもシリアルナンバー0001/1000、1号車!
そういえば、今でも車両贈呈式はリモコンキー型じゃなくアナログな鍵プレートなんですね…w。
「本当にありがとうございます。このクルマはボクの宝、金メダルを獲ったような気持ちで、IMPULショールームに飾って、富士スピードウェイに行くときには、スカイラインNISMOの運動性能の良さを味わいながら向かいます。そしてスーパーGT・GT500もチャンピオンに向かって頑張りたいと思います!」
と、星野さんは感謝と喜びを語りました。
●18歳でスカイラインGTに出会ってから「スカイライン無くしてオレの人生は無い!」
星野さんは、4輪レースの前はカワサキの契約ライダーだったというのは有名な話。レジェンドレーサーの中には、元ライダーという方も多いんですよね。2022年3月16日、82歳でお亡くなりになったレジェンドレーサー・高橋国光さん(※正確には「高」ははしごだか、「国」は旧字体)もそうでした。
星野さんはそのライダー時代、日産がプリンスと合併する前の1965年、星野さん18歳の頃に発売された2000GT-B(54B)が「欲しくて欲しくて!」購入されたそうです。
「羊の皮をかぶった狼ね。5速マニュアルミッション、ウェーバーキャブ、6気筒、125ps! 『スカイラインGT』という赤いエンブレムで、それ以外のクルマは何も見えなかった。買うときに値段の交渉なんか無し! もう言われるがまま、欲しいと思ったら絶対に手に入れる。小さい頃から、オモチャが欲しかったらその場で暴れちゃう、そういうコで育ってきたから(笑)。
価格は99万円だったかな。GT-Aがちょっと安かったんだけど、あくまでもボクはGT-Bしか興味が無かった。『スカイラインGT』、その魅力は光って見えました。
スカイライン無くしてオレの人生は無い! ブルルルルル~ウォン! 6気筒の音が素晴らしい!
当時のクルマ、普通はコラムシフトじゃないですか、それが5速MTでヒール&トゥもしながら。たとえば5速ギアで走っていて、いきなり1速まで…ちょっとシンクロが弱かったけど、そこまでフォンフォンフォン!と、それがも~気持ち良くて♪」(星野)
●憧れのスカイラインでレースをする前は『FFのチェリー星野』
星野さんの話には、ちょいちょいエロ話も織り交ざったりするものなんですが…!
1970年に日産ワークスドライバーになっても、すぐに憧れのスカイラインでレースは出来なかったそうです。
「乗れない、乗れない! だって先輩の高橋国光さん、北野元さん、黒沢元治さんがいるからね。先輩たちのスカイラインがパワースライドしながら、富士スピードウェイの100Rからヘアピンから全部行くわけですよ。でも、ボクはFFのチェリー。『FFのチェリー星野一義』なんて呼ばれたくなかった(笑)! アンダーステアでウニョニョニョニョ!って。スカイラインに乗ることは憧れだったね」(星野)。
その後、いよいよスカイラインに乗れる時が来た星野さん。
「最初にレースで乗ったのは、PGC10。6気筒で、8500rpmくらいでシフトアップ。それで筑波サーキットのオープニングレースで優勝したんだよね(※1970年6月28日/第12回全日本クラブマン・レース大会クラブマン・レースII総合優勝)。
その頃、SOHCで5000~6000rpmがマックス、それがDOHC 6気筒でキャブレターが3つ付いていて、それが低速から高速に変わるときにバラつくわけですよ。ブルルルルル~ギャン! 鳥肌が立つ!! そういうクルマに、ボクは最高に魅力を感じるね」(星野)。
●BNR32 GT-Rの四駆、実は乗る前はバカにしてたんだよ
日産ワークスドライバーとして数々のレースをスカイラインで戦ってきた星野さんの中で、思い出深いスカイラインは、GT-R(BNR32)なのだとか。私もです~♪
「BNR32スカイラインGT-Rは最初、長谷見昌弘さんと『四駆?www』って、ちょっとバカにしていたんです、『ラリーじゃあるまいし』なんてね(※アテーサE-TS)。
ところが乗ってみたら、筑波でクリッピングポイントから脱出するときにホイールスピンする。600ps近くあったからね。リヤ駆動(FR)で600psあったら、パワースライドでいくらでもいっちゃう。
それが四駆だとアクセルオンと同時に加速するから、“気持ち悪い”くらい速いわけ。その魅力が、新しい四駆スカイラインの技術だなと。日産の技術屋さんは凄い頭をしているよね。ボクは乗って文句言うだけ、作らなくていいから。それはもうビックリしましたよ。
特に、ウェット状態のときがもっと力が出る。もの凄いグリップ力で、四駆のすばらしさを本当に見せつけられましたよね」(星野)。
●前後でサイズの違うタイヤの安定感抜群! スカイラインNISMOは大人のセダンだね
発表会では、星野さんがスカイラインNISMOを袖ケ浦フォレストレースウェイでドライブする映像も流れました。そう、ニコニコ楽しそうに!
「GT-Rじゃなくて、これはGT。だから、サーキットだけじゃなくて環8もターンパイクも走るわけ。そういう意味で、このスカイラインNISMOは路面の悪いところもちゃんと吸収しながら走れる大人のセッティング。こういうの、ボクは1番好きですね。
都内を40km/hで走る場合もあるし、高速道路を100km/hで走る場合も、ターンパイクを走る場合もある。そんな時にGT-Rだとちょっとハードでしょ? でも、このスカイラインNISMOはGTのレベル的に一番イイトコロをついてるよね。その辺の強弱っていうバランスがよくとれている。
当然走りだけじゃなくて、ペダルのレイアウトからメーターパネル、ハンドル、シートポジションなど全部をセットアップする。
そして、右に切ったら右に曲がるクルマが一番いいんだけど、慣性でステアリングを切っている中で、リヤが落ち着いている。リヤがスライドしたら普通の人は怖いから、その辺のレベルをよく考えたセッティングがされている。
ステアリングはただ軽いだけでもいけない、タイヤのグリップを感じて、これ以上いったら滑るんだよな…っていう感じがハンドルから頭に伝わってくる。そのへんの慣性の伝わり方が凄く良くバランスとれているよね」(星野)。
エアロパーツにもこだわりが込められているスカイラインNISMO。自身のブランド、IMPULのエアロパーツ開発ノウハウに精通している星野さんだからこそ、そのこだわりに感心です。
「たとえば、富士のヘアピンから300Rにいく、200~220km/h出るようなところで、フロントのチンスポイラーでダウンフォースが得られなければ、アンダーステアで外にはらんでしまうんじゃないか、そういう計算からなにから、今、空力の技術っていうのは凄い進んでいるんだよね。サスペンションのメカニカルグリップだけじゃなく、エアロパーツによる効果も必要。
フロントのダウンフォースが無いと速く走れない。昔のスカイラインにはそんなエアロパーツは付いて無いでしょ? だから、今の空力の技術のレベルが全然違うわけです。
でも、そのダウンフォースもあり過ぎるとストレートで遅くなっちゃう。1mmリヤウイングを上げるだけで2~3km/h変わるからね」(星野)。
星野さんと一緒に登壇された、スカイライン NISMO開発担当 日産モータースポーツ&カスタマイズ チーフ・ビークル・エンジニアの長谷川聡さんも、「星野さんにレース場で『もっとダウンフォースを!』って言われるんですよ。レーサーは0.5mmの差が分かりますから」。
●走り屋魂が湧き出てくる!?
「とにかくね、スカイラインNISMOのこのパワーっていうのは物凄い、この値段で味わえるっていうのは凄い魅力がありますよ。
フィーリング的に、アンダーステア、オーバーステアというより、けっこうニュートラルを維持してくれるくらいまとまっています。サーキットだけを走るんだったらタイヤもスリックにしてサスペンションも変える。でも、スカイラインNISMOはオールマイティに、雨が降っても、高速でも、環8でも、どこでも走れるセッティングになっているから。
ボクはこのサスペンションのセッティングは、“GT(グランドツーリング)カー”というところの一番いいレベルだと思う。運転が上手い人も下手な人もいるんだけど、ハンドルとクルマに頼ってステアリングを切っても、以外とクルマは安定しています。ボクはスピンするように、わざとブレーキを踏みながらステアリングを切ってみたんだけど、なかなかスピンしないんだよね。
ボクはお世辞抜きでこのクルマをおススメします。できれば、マニュアルでヒール&トゥで走れるようなものがオリジナルであってもいいかな♪」(星野)
●オマケ! 星野さんとお話してたら、日産広報がスッ飛んできた!
「Daiちゃん元気?」(星野)
クリッカーとは姉妹でもある「OPTION(オプション)」誌の親分、稲田“Dai”大二郎さんと星野さんは、同じ歳の友だちなのですが、発表会後、そんな話を星野さんとしていたら、日産広報の方がスッ飛んできました(笑)。
ついポロっとリップサービスの禁句?も飛び出しちゃう星野さん! ということで、ちゃんとしたお話(!)を単独インタビューです。
クリッカー:IMPULにもスカイライン400Rありますよね?
星野:スカイラインNISMOは420ps、楽しいよ。ウチ(IMPUL)の400Rは519ps出てるけど。もうね、危ないwww! 四駆じゃなくてFRでだからね。でも、そこが楽しい♪
クリッカー:このスカイライン(2000GT-B)が、18歳で手に入れた最初の!?
星野:18歳だから…58年前? エンジンがブルンブルン!って、みんなボクのクルマを見ている、その満足感! 当時、ハイオクガソリンが50円とか55円、オプションの100Lタンクを満タンにして。東名高速が東京から御殿場まで600円だった時代。スカイラインは世界一良いクルマだと思っていたよ。
クリッカー:スカイラインは星野さんにとってなくてはならないクルマなんですね!
星野:振り返ってみて、スカイラインと共にこの歳までこられるっていうのは、本当に幸せ。スカイラインなしに、今のボクはいないから。
クリッカー:私にとってもBNR32で走られていた星野さんが一番印象深いです! それに、若いドライバーさんにとって、IMPULブルーのレーシングスーツを着るというのは憧れです♪
星野:ありがたいね! BNR32は本当に楽しませてもらった。自分のやりたいことをやらせてくれた日産には、本当に感謝だよ。「星野さん、コース上走ってください!」って。
クリッカー:4脱当たり前!?
星野: カルソニックブルーというカラーを日産が市販してくれたくらい、染まってきたからね。最後、BNR32での全日本GT選手権は6万人くらい入ったでしょ、富士スピードウェイに。まぁコッチはリタイアで止まっちゃったけど。
クリッカー:あらためて、日産車、スカイライン、そして星野さんの関係についてお聞かせください。
星野:若いころは、先輩のセドリック/グロリア・ハードトップでレザーが付いたヤツの最先端のATに乗ったり。毎日さ、仕事でヒール&トゥでガンガン乗っているから、普段は何もしたくないよね(笑)!
今、IMPULでは最新GT-Rを買ったり、それに今度、この贈られたスカイラインNISMOが追加される。プライベートでは今、シーマに乗っているし、スカイラインは歴代全車、買って乗ってる。
だから、レースでもプライベートでもオール日産!
今までレースもやって、日産車につぎ込んだのは10億円くらいあるかも!?
ボクはスカイライン以外はクルマじゃないっていうくらい、スカイラインに魅力を感じているから。これをやらせてくれる日産、NISMOの方に凄い感謝。幸せだよ!
ボクはずっとスカイラインに恋をしている、今は女性のほうが好きだけど(笑)。
星野一義さんの暖か味、ダンディーな姿に間近で触れ、あたしゃ仕事を忘れ、心臓止まるかと思った!!
(文:永光 やすの/写真:井上 誠、永光 やすの)
【SPECIFICATIONS】
車名:スカイライン NISMO/NISMO Limited (※カッコ内はRECAROシート+カーボン製フィニッシャー装着車)
車両型式:ニッサン5BA-RV37
全長×全幅×全高:4835×1820×1440mm
ホイールベース:2850mm
トレッド(前/後):1540/1560mm
最低地上高:130mm
車両重量:1760kg(1740kg)
乗車定員:5名
最小回転半径:5.6m
エンジン:NISMO専用VR30DDTT/DOHC直噴V6ツインターボ
排気量:2.997cc
ボア×ストローク:86.0×86.0mm
最高出力: 309kW(420ps)/6400rpm
最大トルク:550N・m(56.1kgf・m)/2800-4400rpm
燃料・タンク容量:無鉛プレミアム/80L
駆動方式:2WD(FR)
トランスミッション:7M-ATx マニュアルモード付フルレンジ電子制御 7速オートマチックトランスミッション
ステアリングギヤ形式:ラック&ピニオン式
変速比 前進:1速 4.783/2速 3.102/3速 1.984/4速 1.371/5速 1.000/6速 0.870/7速 0.775
変速比 後進:3.858
最終減速比:3.133
サスペンション(前/後):独立懸架ダブルウィッシュボーン式/独立懸架マルチリンク式
ブレーキ(前/後共):ベンチレーテッドディスク式
タイヤサイズ(前/後):245/40R19 98W/265/35R19 98W
価格(税込):NISMO 7,880,400円(8,470,000円)/NISMO Limited 9,479,800円
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