ドクターイエローカラーも。東海道新幹線が金属バットに生まれ変わる!?

■子ども用金属バットをラインナップ

JR東海、ジェイアール東海商事とミズノは、東海道新幹線N700系・700系の車体に使用していたアルミをリサイクルした『東海道新幹線再生アルミ』を使った子ども用金属バットを共同開発し、2023年10月14日(土)から発売することを発表しました。

東海道新幹線N700系の『東海道新幹線再生アルミ』を金属バットにリサイクル
東海道新幹線N700系の『東海道新幹線再生アルミ』を金属バットにリサイクル

ラインナップは「N700KONG」と「Dr.YELLOW KONG」の2種4色。74cm/76cm/78cmの3サイズを展開し、価格は1万4300円(税込み)。東海道新幹線N700系の再生アルミから製造されたドッグタグが付属しています。

「N700KONG」は新幹線の車体をイメージ。「Dr.YELLOW KONG」は新幹線のお医者さん「ドクターイエロー」と同じイエロカラーとなっています。

金属バットは2種3色、3サイズを展開(JR東海プレスリリースより)
金属バットは2種3色、3サイズを展開(JR東海プレスリリースより)

アルミリサイクル金属バットは、ミズノ史上初だそうです。それは従来、リサイクルアルミでのバット作成は技術的に難しいとされていたからです。

JR東海グループは、新幹線車両に使用されていたアルミから不純物を除去し、高純度のアルミ合金のみを抽出するアルミリサイクル技術の特許を持っています。この特許技術を活かして『東海道新幹線再生アルミ』をバットに適した材料に成分調整し、金属バットの製品化を実現しました。

金属バットには『東海道新幹線再生アルミ』を約95%使用。子どもが使用しやすい長さ、質量にこだわり、しっかりと振り抜きやすい仕様としました。

新幹線のアルミから金属バットにリサイクルする過程(JR東海プレスリリースより)
新幹線のアルミから金属バットにリサイクルする過程(JR東海プレスリリースより)

金属バットの発売本数は1400本を予定。8月1日(火)からミズノの公式ホームページで予約受付が始まっています。

●N700Sにも『東海道新幹線再生アルミ』を使用

JR東海は、2020年7月1日にデビューした新型車両のN700Sに、廃車となった700系・N700系の『東海道新幹線再生アルミ』を使用しています。

N700Sには700系・N700系の『東海道新幹線再生アルミ』が使用されています
N700Sには700系・N700系の『東海道新幹線再生アルミ』が使用されています

アルミは、添加する金属によって6000系・7000系等に分かれていて、廃アルミ材ではこれらが混ざってしまいます。JR東海は再利用するアルミの選別・抽出行う技術を確立。6000系アルミ合金をN700Sの内装(荷棚)としてリサイクルしました。2023年度の増備車からは、強度が求められる屋根の一部にもリサイクルしています。

『東海道新幹線再生アルミ』を使用したN700Sの荷棚
『東海道新幹線再生アルミ』を使用したN700Sの荷棚
2023年度から投入するN700Sからは屋根にも『東海道新幹線再生アルミ』を使用しています
2023年度から投入するN700Sからは屋根にも『東海道新幹線再生アルミ』を使用しています

また、東京駅ギフトパレットののれんや柱・天井の桜装飾などにも、700系の『東海道新幹線再生アルミ』を使用しています。

今後もいろいろな製品に『東海道新幹線再生アルミ』が使用されることを期待したいところです。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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