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■貼り付け位置変更の主目的は「無車検運行防止」
検査標章(通称:車検ステッカー)は、車内外から車検の有効期限を確認できるようにするためのもので、車検に通ると発行され、フロントウインドシールドガラス内側に貼り付けます。
車検ステッカーには自動車検査証の有効期間満了日が記されており、対象車が基準を満たしているかを目視できるようになっています。
そうしたなか、国土交通省が発表した「自動車検査業務等実施要領」の一部改正により、車検ステッカーの貼付位置がこれまでの「前方から見やすい位置」から「前方かつ運転者席から見やすい位置」に変更されました(2023年7月3日施行)。
これにより、ルームミラー前方のガラス上部に貼り付けていた車検ステッカーを、運転席側上部の車両中心から最も離れた位置(右ハンドル車なら右上付近)に貼り付けることになります(左ハンドル車は左上付近)。
●貼り付け位置が突然変更になったワケは?
今回の変更は、国土交通省が実施している「無車検運行防止対策」の一環で、ドライバーの目につく位置に変更することにより、車検の有効期限が確認しやすくなり、車検の受け忘れを未然に防止する狙いがあります。
従来は、車外からの確認のしやすさに重点が置かれていましたが、これをドライバーからも確認しやすいよう、運転席側に近い位置に変更した、というワケです。
同変更は2023年7月3日以降に車検を受け、新たに車検ステッカーを貼る際に適用されます。
すでに車検ステッカーを従来位置に貼り付けている場合は、剝がすのが困難なこともあり、位置変更する必要はないそうで、次回の車検時でOK。取り締まり対象にもならないそうです。
車検を受けた後に送付されて来る車検シールを自身で貼り付ける際には、これまでどおり、ドライブレコーダーや安全運転支援システム用カメラ、センサー、ウインドシールドガラスにプリントされているドットなどを避けた位置に貼る必要があります。
●車検ステッカーを貼っていないと罰金対象に
2023年1月に車検証が電子化されて小型サイズになり、車検ステッカーのデザインも変更されました。そして、今回ステッカーの貼り付け位置が見直されるなど、変更が相次いでいます。
国土交通省による施行前の世論調査では、ルーフが低くフロントウインドシールドガラスの傾斜が強いスポーツカーなど、「車種によっては運転席側に車検ステッカーを貼り付けると視界の妨げとなる」との意見や、貼り付け位置変更による車検忘れ防止効果を疑問視する声もあったようです。
とは言え、車検ステッカーを定められた位置に貼り付けていない場合は、道路運送車両法第66条違反となり、50万円以下の罰金が課せられる可能性があるといいます。
●そもそも2年毎の車検制度は妥当?
今回の国交省による車検忘れ防止策は、新車購入後3年目の初回車検と、その後2年おきにユーザーに課している継続車検を対象にしたもの。
クルマの性能向上が著しいなか、30年ほど前から総費用で7~10万円前後を要する継続車検を都度義務付けている国は、日本以外に見当たらないのが実情。
近隣諸国のドライバーが日本製の程度の良い輸入中古車を好んで乗るのも頷けます。
ちなみに欧米の場合、車検の頻度はさほど変わらないものの、1車検あたりに必要な費用は1万円前後が相場で、日本より遙かに負担が少なくなっています。
車両の「安全性確保」を理由に、高額な税負担や整備をユーザーに強いている日本の車検制度も、そろそろ見直すべきかもしれません。
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【関連リンク】
国土交通省 検査標章(車検ステッカー)
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/about/inspect/sticker/index.html