トヨタ2代目「ヴォクシー」デビュー。「ノア」とともに使いやすい5ナンバーミニバンは203.7万~282.5万円【今日は何の日?6月27日】

■初代のキープコンセプトで人気も受け継いだ2代目

2007年登場の2代目ヴォクシー(写真:弊社刊「ニューモデル速報 すべてシリーズ 第392弾 新型ヴォクシー/ノアのすべて 電子版」より)
2007年登場の2代目ヴォクシー(写真:弊社刊「ニューモデル速報 すべてシリーズ 第392弾 新型ヴォクシー/ノアのすべて 電子版」より)

2007(平成19)年の6月27日、トヨタのミニバン「ヴォクシー」がフルモデルチェンジ、2代目がデビューしました。

2001年に誕生した初代ヴォクシーは、8人乗りのジャストサイズのミニバンとして大ヒット、続いた2代目もキープコンセプトながら引き続き高い人気を集めました。


●5ナンバーミニバンのパイオニアは、ホンダのステップワゴン

1996年にデビューしたステップワゴン
1996年にデビューしたステップワゴン

1996年に登場したホンダ・ステップワゴンは、ボクシーなスタイリングのミニバン。最大の特徴は、5ナンバーの3列シートながら低床化と高いルーフによって、余裕の室内空間と快適性を実現していることです。

パワートレインは、2.0L直4エンジンとコラム式ATの組み合わせ、ミニバンとしては軽量なので小気味よい走りができました。駆動方式はFFを基本とし、油圧によって前後駆動力を制御するオンディマンド式4WDも用意され、RV的な用途にも対応できました。

1996年に登場したライトエース・ノア。ヴォクシーの先代車
1996年に登場したライトエース・ノア。ヴォクシーの先代車

FRの商用車ベースのミニバンが一般的であった当時、乗用車のプラットフォームで作り上げた手頃な5ナンバーサイズのFFステップワゴンは、発売から3年間ミニバン首位を独走する大ヒットを記録。

しかし、その後同じようなコンセプトの日産自動車「2代目セレナ」、トヨタ「ヴォクシー/ノア」がデビューすると、その勢いも減速しました。

●ファミリー層から圧倒的な支持を受けたヴォクシー/ノア誕生

2001年にデビューした初代ヴォクシー、精悍なマスク
2001年にデビューした初代ヴォクシー、精悍なマスク

初代ヴォクシーは、「ライトエース・ノア」の後継車として、販売チャンネルの異なる兄弟車「ノア」と同時に2001年に誕生しました。ヴォクシーとノアの違いはフロントマスクにあり、ヴォクシーは精悍さ、ノアは親しみやすさが特徴です。

2001年にデビューした初代ノア、クリーンな親しみやすいマスク
2001年にデビューした初代ノア、クリーンな親しみやすいマスク

室内は、前から2名/3名/3名掛けの3列シートを備えた8人乗車で、どちらのスライドドアからも3列目シートへの乗り降りが可能。パワートレインは、2.0L直4 DOHCエンジンと電子制御4ATの組み合わせのみ、駆動方式はFFと4WDが用意されました。

初代ヴォクシー/ノアは、5ナンバーながらユーティリティに優れたコンパクトミニバンとして、人気のステップワゴンを上回り、2002年の販売台数はともに7万~10万台の大ヒットを記録します。

●キープコンセプトながら着実な進化を続けた2代目

そして2007年、初めてのモデルチェンジで2代目ヴォクシーが登場しました。基本的には、先代のキープコンセプトで、“乗って、使って、走って、快適で個性際立つジャストサイズのミニバン”というコンセプトで、精悍なマスクや後席スライドドア、全体的なフォルムなどは継承されました。

最大の特徴は、世界初となる2つの装備。ワンタッチで折り畳、み跳ね上げ可能な「ワンタッチスペースアップシート」と、2列目シートが外側に回転する「チャイルドケアモード付ロングスライドマルチ回転シート」などで、特に若いファミリー層からの人気獲得に成功したことです。

パワートレインは、新型の2.0L DOHC標準エンジン、およびVVT(可変バルブ機構付)仕様の2種エンジンとCVTの組み合わせ、駆動方式はFFと4WDを用意。2代目には、新たに3ナンバー車が追加されて、車両価格は203.7万~282.5万円でした。

2代目の販売も引き続き好調で、ヴォクシーとノアを合わせれば、ミニバンとしてダントツのトップを維持したのです。


2022年にデビューした新型(4代目)ヴォクシー
2022年にデビューした新型(4代目)ヴォクシー

2021年の4代目ヴォクシー/ノアは、すべて3ナンバーとなりました。2代目から3ナンバーも用意されていましたが、3ナンバーの人気が徐々に高まったためと思われます。アルファード/ヴェルファイアに近づくというコンセプトが成功するのか、今後が見ものです。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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