■昭和の日常を再現した列車を満喫できる!
大井川鐵道(静岡県)は普段、電車で運行している普通列車に客車を使用した「普通客レ」を、2023年6月20日(火)から期間限定での運行を開始しました。
普通客レは、金谷〜家山間で運行。新金谷駅16時10分発の家山行きから運行を開始して、金谷駅20時40分発の新金谷行きまで7便に使用されます。
普通列車ですので、運賃(150〜830円)のみで乗車可能。3500円の大井川本線フリーきっぷを購入すれば全便乗り放題となり、全便を乗り通せば1490円もお得です。
また、最終列車を除いて車内販売を実施しているので、お酒を飲みながら夜汽車気分を味わうこともできます。
編成は客車2両の前後を電気機関車がサンドウィッチした、プッシュ・プルという形態になっています。
公式Webサイトで発表されている2両の客車は、どちらも昭和20年代に製造された国鉄型客車で、今となっては貴重なものです。
茶色い車体のオハフ33形は、戦前から戦後にかけて量産された国鉄一般形客車オハ35系の一員です。オハフ33 469は戦後型で、妻面が折妻になっているのが特徴です。
車内は昔懐かしいボックスシートが並んでいます。オハ35系は1980年代までは全国各地で活躍していたので、通勤・通学で利用した50代以上の人も多いのではないでしょうか。
スハフ43 2は特急形客車スハ44系の一員として製造。上野〜青森間を結んだ特急「はつかり」で活躍しました。
また、同型車は東海道本線の特急「つばめ」「はと」にも使用されていました。晩年は四国で普通列車に使用されていました。大井川鐵道では特急「はつかり」時代のカラーリングで使用されています。
スハ44系は特急形客車だったので、車内はロマンスシートを配置。四国の普通列車に転用した時に向かい合わせ配置に改造されましたが、座席自体は特急時代のままです。
スハフ43 2は日本ナショナルトラストが所有し、大井川鐵道が管理している車両なので、乗車できるチャンスが限られています。そんな車両に乗り放題というも普通客レの大きな魅力です。
普通客レをけん引する電気機関車は、E101とE32の2両です。E10形は大井川鐵道生え抜きの電気機関車で、1949年に3両を導入。E101はそのトップナンバーです。
E101は客車と同世代となる茶色いデッキ付車体のレトロな電気機関車で、普通客レによく似合います。
もう1両のE32は西武鉄道から譲渡されたE31形電気機関車3両のうちの1両です。
E31形は1986〜1987年に製造されました。国鉄形電気機関車みたいな車体デザインが人気です。
普通客レの運転日は当初6月20日〜22日、27日〜30日と発表されていましたが、初日が大好評だったことを受け、7月1日〜13日を追加することを発表。7月は土・日も運転するので、遠方の人たちも行きやすくなります。このチャンスをお見逃しなく!
(ぬまっち)