メルセデス「AMG EQE 53 4MATIC+」は「ワープしそうな加速!」と清水和夫もビックリ

■清水和夫がメルセデス-AMG EQE 53 4MATIC+に試乗してみた

●トルクお化けはヘタクソ運転手禁止!? ロードノイズをもうちょっと落とせば完璧だな

Mercedes AMG EQE 53 4MATIC+の清水和夫評価はどうだ?
Mercedes AMG EQE 53 4MATIC+の清水和夫評価はどうだ?

最近は電気自動車にも興味津々、血液にガソリンが流れるダケではなく、電気も通電しだした国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが今回試乗したのは、メルセデス・ベンツの電気EクラスAMG版「メルセデス-AMG EQE 53 4MATIC+」です。

前後に新世代のEVパワートレイン「eATS」を備えたEQE 53 4MATIC+。EQSと共に、これがメルセデス・ベンツの主役になるのか? さっそく動画をチェック!


●車両価格1900万円はほとんどバッテリー代?

エンジンかけたら(エンジン無いから始動w)変な音したぞ!
エンジンかけたら(エンジン無いから始動w)変な音したぞ!

さぁ、EQEです。これはEQSと同じで、メルセデス・ベンツ初のEV専用プラットフォームに載ってます。

あれ? ちょっとロードノイズでかいなぁ。

このクルマ、バッテリーが90kwhくらい、航続距離は500km以上。だから、EQE 350+なら1200~1300万円くらいなんだけど、このAMG EQE 53 4MATIC+はベース車両で1900万円くらい。まぁ、その価格のほとんどがバッテリーじゃないかなって気がするけど。

こうやって乗ると、本当に静か~なディーゼル車に乗っている感じ。昔、12気筒のディーゼルエンジンに乗ったことあるんだけど、それがこんな感じだったかなぁ。

加速はどっかにワープしそうなほど!
加速はどっかにワープしそうなほど!

トルクはやたら凄くて、アクセルちょっと踏んだだけでガーーーンッ!といきます。だからコレ、ヘタクソが乗ると助手席の人は間違いなくむち打ち症になっちゃいます。なまして、ソ~ッとふんわりアクセル踏んでくれないとダメだよね。

ワープしていくような加速感! これはエンジン車だとF1マシンくらいじゃないとできないな。

●メルセデス・ベンツのADASは宇宙一!

Mercedes AMG EQE 53 4MATIC+のコクピット
Mercedes AMG EQE 53 4MATIC+のコクピット

ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems/先進運転支援システム)の使い方は、ガソリン車と全て一緒。右ハンドルは右手の親指でスイッチを押します。ここは70km/h規制なので70km/hに設定しました。

この状態で今、ディストロニック・プラス、ACC(Adaptive Cruise Control/定速走行・車間距離制御装置)で走っています。レーンキープも付いているので、LKAS(Lane Keep Assist System/車線維持支援システム)的には、車線の端っこに行くとググッと、飛び出さないようになっています。

安全面においての運転支援の作り方は、メルセデス・ベンツは全てのクルマと共通性があります。駆動のところはバッテリーEVってことで、独自の走りっぷりを持っています。

ただどうしても、2t以上、このAMG EQEは2.5tくらいあるのかな(2510kg)、車両が重いので、それを支えるため全体的にサスペンションは固めになっています。

タイヤサイズはF265/40R20/R295/35R20。ゴツゴツ感がちょっと気になる?
タイヤサイズはF265/40R20/R295/35R20。ゴツゴツ感がちょっと気になる?

ちょっと気になるのは、荒れたところを走るとタイヤのゴツゴツ感が残っちゃってるんだけど、この辺はもう少し、綺麗に乗り心地を揃えておきたいなっていう気はします。

ディーゼルエンジンのGLCがビックリするくらい良いクルマになっちゃいましたからね。今、メルセデス・ベンツのベンチマークはGLCのディーゼルかな、220d、これの乗り心地は本当にヤバかったです。

しかしこのADAS系は本当に使いやすい。細かく押すと1km/hずつ調整できて、グーッと押し込むと10km/h単位で上がっていく。こういうところのインターフェースは本当に使いやすい。BMWもアウディもレクサスもいいクルマなんだけど、でも、人間が使うというところの、細かい使い勝手の良さは、やっぱりメルセデス・ベンツは凄いよね。

AMGの顔はEQE 350+とちょっと違う
AMGの顔はEQE 350+とちょっと違う

エンジンとかボディが凄いというよりも、きめ細かい使い勝手の良さと、乗り心地も含めたクルマのオールラウンド性がメルセデスらしさ。

電気自動車としては、確かに加速は凄いけど、乗り心地はもうちょっと洗練してもいいかなって気がしました。テスラをベンチマークにすると、どうしてもこういうクルマになっちゃうのかな。これをしなやかに作ったら凄いですね。そういうクルマを期待したいと思います。


バッテリーによって重たくなるボディを支えるフットワークだけど、もうちょっと洗練された、しなやかさも併せ持てば完璧!とのこと。全てのインプレッションは動画で ↓ ↓ ↓!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

Mercedes AMG EQE 53 4MATIC+の主なスペック
Mercedes AMG EQE 53 4MATIC+の主なスペック

【SPECIFICATIONS 】
車名:Mercedes AMG EQE 53 4MATIC+
全長×全幅×全高:4970×1905×1495 mm
ホイールベース:3120mm
トレッド(前/後):1650/1610mm
カタログ重量:2510kg
最小回転半径:5.7m
乗車定員:5名
フロントモーター最大出力:165kW/4586-7773rpm
フロントモーター最大トルク:346Nm/0-4856rpm
リアモーター最大出力:295kW/4552-7715rpm
リアモーター最大トルク:609Nm/0-4639rpm
駆動方式:四輪駆動
交流電力量消費率(WLTCモード):212Wh/km
一充電走行距離(WLTCモード):549km
サスペンション形式(前/後):4リンク/マルチリンク
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前/後): 265/40R20/295/35R20
車両本体価格(税込):19,220,000円

【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

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この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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