JR北海道の新型通勤車両737系が5月20日にデビュー。ワンマン運転に対応

■JR北海道の電車で初めてワンマン運転に対応

5月20日にデビューする新型通勤車両737系
5月20日にデビューする新型通勤車両737系

JR北海道は5月20日(土)から、新しい通勤形電車737系を導入します。

737系は片側2ドアのアルミ車体を採用。淡いピンク色に塗装されています
737系は片側2ドアのアルミ車体を採用。淡いピンク色に塗装されています

737系は2両編成。車体はアルミ合金製で、「さくらいろ」をイメージした淡いピンク色に塗装しています。前面は黒を基調として、JR北海道のコーポレートカラーとなるライトグリーンと、警戒色である黄色を配色。乗降ドアは片側2ヵ所に設置しています。

JR北海道の在来線車両でアルミ車体を採用したのは、2010年に導入した735系以来、2例目となります。

JR北海道在来線車両では初のアルミ車となった735系
JR北海道在来線車両では初のアルミ車となった735系

JR北海道の在来線電車は、基本的にステンレス車体を採用していますが、735系は北海道の過酷な環境がアルミ車体に与える影響を検証するために、3両編成2本を製造したものです。

冬季の試験の結果、アルミ車体でも問題がないことが確認しています。しかし、同時期にステンレス車体の733系を量産したため、アルミ車体の量産車は737系が最初となりました。


●ワンマン運転にも対応

ロングシートが配置された737系の車内
ロングシートが配置された737系の車内
フリースペースは各車両に1か所設置されました
フリースペースは各車両に1か所設置されました

737系の車内はロングシートを配置。片側の車体中央部はフリースペースとして、車いすやベビーカー、大きな荷物を置くことを考慮しています。

車いすスペースは連結部に設置
車いすスペースは連結部に設置
車いす対応トイレは車いすスペースの向かいにあります
車いす対応トイレは車いすスペースの向かいにあります

苫小牧(札幌)側先頭車には、車いすスペースと車いす対応トイレを設置。また、床の高さを下げてホームとの段差を小さくしています。


ワンマン運転用の整理券発行器と運賃箱、運賃表示器
ワンマン運転用の整理券発行器と運賃箱、運賃表示器
運転台もワンマン運転に対応しています
運転台もワンマン運転に対応しています

737系は、JR北海道の電車としては初めてワンマン運転に対応しました。運転室の背後には整理券発行器と運賃箱、運賃表示器が設置されています。また、運転台にもワンマン運転に対応した装備を搭載しています。


●第1陣は室蘭本線に投入

現在、室蘭〜苫小牧間の主力として運用しているキハ143形
現在、室蘭〜苫小牧間の主力として運用しているキハ143形

737系は5月20日(土)から、室蘭本線・室蘭〜苫小牧間(朝夕の出入区時は千歳線・札幌〜苫小牧間も運行)で営業運転を開始し、現在、この区間の主力となっているキハ143形気動車を置き換えます。

1980〜2012年まで室蘭本線で活躍していた711系近郊形電車
1980〜2012年まで室蘭本線で活躍していた711系近郊形電車

室蘭本線・室蘭〜苫小牧間は、国鉄時代の1980年10月1日に電化され、普通列車には711系近郊形電車が使用されました。しかし、2012年10月27日のダイヤ改正で、ワンマン運転に対応したキハ143形に置き換えられました。

地方線区での活躍が期待される737系
地方線区での活躍が期待される737系

電化区間でありながら、気動車に置き換えられた室蘭〜苫小牧間の普通列車でしたが、キハ143形が老朽化したため、再び電車の737系に置き換えられることになりました。

今回投入した737系は7編成。最終的には13編成体制となり、函館本線にも運用範囲を拡げる計画となっていて、地方区間の新しい主役となりそうです。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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