「ピーポーピーポー」だけじゃない!緊急車両のサイレンの違い、知っておけば安全安心

■サイレン音は緊急車両によって異なる

パトカーや救急車、消防車といったクルマが緊急走行する際に鳴らすサイレンと言えば、「ピーポーピーポー」や「ウーウー」「カンカンカン」、さらには「ファンファン」など、さまざまな音がイメージされます。

実は、そのどれもが間違いではなく、これらのクルマが出すサイレンの音には、実際に複数のパターンが存在しています。

では、日本を走る緊急車両は、どんな音を出すのでしょうか?

●パトカーのサイレンは2種類?

パトカーのサイレンは2種類の「ウーウー」が基本。
パトカーのサイレンは2種類の「ウーウー」が基本。

まずはパトカーについて見てみましょう。

パトカーがサイレンを鳴らすケースは、事件や事故現場へ急行する場合や、スピード違反の車両を追跡する場合などがあります。

こうした緊急走行時にパトカーが鳴らすサイレンの音は「ウーウー」が基本です。音のサイクルが4秒周期のものと8秒周期の2種類が存在しており、状況に応じてそれらを使い分けることができます。

サイレンの使い分けに明確な規定はないといいますが、一般的には4秒周期のサイレンを使うケースの方が、8秒周期のものを使うケースよりも緊急性が高い場合が多いようです。

また、警察モノのテレビドラマで聞くことも多い「ファンファン」というサイレンも、かつてのパトカーに採用されていました。ただ、現在では「ウーウー」などに置き換えられているため、実際に聞くことは難しそうです。

●消防車のサイレンは、江戸時代からの伝統の音

消防車が鳴らす「カンカン」は江戸時代の「火消し」の名残り。
消防車が鳴らす「カンカン」は江戸時代の「火消し」の名残り。

空気が乾燥しやすい冬になると火災件数も多くなるため、耳にする機会が増えるのが消防車のサイレンです。

地域によって多少の違いはあるものの、消防車も「ウーウー」という音と「カンカン」という音の2種類を使い分けているようです。

火事が起こった時、現場まで急行する場合には、「ウーウー」と「カンカン」の2種類を合わせて鳴らします。「ウーウー」は緊急走行を意味するサイレンですが、「カンカン」は火事を表す消防車特有のものです。

「カンカン」は鐘の音をモチーフにしていますが、これは江戸時代の消防隊である「火消し」の人たちが、鐘を使っていたことに由来しています。

江戸時代では、無事鎮火した際の帰り道にも鐘を鳴らしていたといいますが、現代でも消防車は鎮火後には「カンカン」の音だけを鳴らして帰路につくこともあるようです。この場合は緊急走行ではないため、「ウーウー」のサイレンを鳴らしたり、赤色灯を回したりすることはありません。

一方、火事以外のケース、たとえば災害や洪水などで緊急走行をする際には「カンカン」のサイレンは鳴らさず、「ウーウー」のみとなる場合もあるようです。

●救急車のサイレンは4種類もある?

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救急車のサイレンは何種類ある?

救急車のサイレンと言えば「ピーポーピーポー」が定番中の定番です。しかし、救急車にはそれ以外の緊急車両よりもサイレンの音が多く、一般的には4種類の音を使い分けています。

おなじみの「ピーポーピーポー」は、緊急走行をする際に鳴らすことが義務付けられているもので、最も耳にする機会が多いものでもあります。

一方で「ピーポーピーポー」には、より小さい音のものも用意されています。これは、おもに夜間や住宅街などで使用されるものです。

また、救急車には「ウーウー」というサイレンも用意されています。さらに、この「ウーウー」には高音版と低音版の2種類があり、「ピーポーピーポー」では救急車の存在に気が付かない一般車両がいた場合などに、手動で使用されることがあるようです。

●サイレンが聞こえたら安全な場所に退避を

このように、サイレンにはさまざまな音があります。

パトカーや消防車、救急車、あるいはそのほかの緊急車両も含めて、これらのサイレンに加えて赤色灯が点灯している場合は、緊急走行中であるため、一般車両は安全に十分注意したうえで道を譲る義務があります。

サイレンが聞こえたら、落ち着いてクルマを道路脇へ寄せるなどの行動をとりましょう。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])