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■50台の貴重なModulo Xが代官山に集結
2023年3月5日(日)、東京・渋谷区にある代官山T-SITEにおいて「Modulo Xシリーズ10周年記念モーニングクルーズ」が開催されました。
当日は、事前に応募したModulo Xオーナーの中から抽選された50名が参加、まさにModulo Xだらけのミーティングが開催されました。
Modulo Xというのは、ホンダの純正アクセサリーメーカー「ホンダアクセス」が手掛けるカスタマイズモデルです。Modulo Xは、専用のカスタマイズパーツを生産ラインでベース車に装着して販売するコンプリートカーです。
このModulo Xの記念すべき第1弾モデルとなる初代N-BOXは、2013年1月18日に販売開始されました。
Modulo Xの特徴は、フロントグリルや専用バンパーなどの専用のエクステリアを採用し、走行テストや風洞実験を繰り返し検証することで、高速道路などでの走行安定性の向上を目指しています。
最近では、“実効空力”と呼ばれる日常での速度域でも体感できる空力効果を追求し、開発しています。Modulo Xシリーズ10年の歴史は、実効空力の進化の歴史と言っても過言ではありません。
さらに、Modulo X専用ローダウンサスペンションにより、車高を下げてスポーティさを強調すると同時に、スポーティな操作性としなやかな乗り心地の両立を図っています。
そしてModulo X専用のインパネ、本革巻のステアリングホイールやセレクトレバーにより、さらに上質なインテリア空間を演出しているのが特徴です。
2013年1月のN-BOX Modulo Xを皮切りに、2015年7月には初代N-ONE Modulo X、2016年10月には先代ステップワゴンModulo X、2017年12月には現行型フリードModulo X。2018年7月にはS660 Modulo Xが登場。
2018年12月にはマイナーチェンジした先代ステップワゴンModulo X。2019年11月には先代ヴェゼル Modulo X、2020年1月にはマイナーチェンジしたS660 Modulo X、2020年5月にはマイナーチェンジした現行型フリードModulo X、2021年3月には特別仕様車のS660 Modulo X バージョンZ、2021年7月には現行型フィットe:HEV Modulo Xが発売されました。
ただ残念ながら、プロトタイプを東京オートサロンなどで公開した現行型ヴェゼルe:HEV Modulo Xは開発中止となってしまいました。
そしてModulo X第7弾として登場した現行型フィットe:HEV Modulo Xも2022年のマイナーチェンジの際に生産終了となっており、現在新車で手に入るのは現行型フリードModulo Xのみとなっています。
●Modulo X開発者&土屋圭市も参加
当日はホンダアクセスModulo X開発統括 福田正剛さん、ホンダアクセスModulo X完成車性能担当 湯沢峰司さん。そしてModulo X開発アドバイザー土屋圭市さんの挨拶で、代官山T-SITE内駐車場でモーニングクルーズがスタート。
北は岩手県、西は兵庫県から駆けつけたModulo Xが車種ごとに分かれて駐車。第1弾のN-BOX Modulo Xから第7弾の現行型フィットe:HEV Modulo Xまで、すべてのモデルが揃いました。
なかでも圧巻だったのは、S660のファイナルモデルとも言えるS660 Modulo X バージョンZが6台も並んだことでしょう。
このS660 Modulo X バージョンZのオーナー2人に話を聞いてみました。以前、ビートのバージョンZに乗っていたミッチーさんは、バージョンZという名前に惹かれて購入したそうです。
実際にS660 Modulo X バージョンZに乗った感想は、ビートとは全く別次元のクルマで、しっかりした走りにクルマの進化を感じたそうです。
一方のホヅミさんは、ディーラーにS660αを購入しに行った際に、ちょうど展示されていたソニックグレー・パールのシビックを指して、営業マンが「この色はS660に似合うと思うのでModulo X バージョンZにしたらどうですか」と言われたそうです。
色がカッコイイと言っても価格も高いし…と思ったそうですが、コンプリートカーだし楽しそうということでS660 Modulo X バージョンZを購入したそうです。
αはディーラーで少し試乗しただけだったそうですが、S660 Modulo X バージョンZの安定感の高さに、こちらを買って良かった!と感じているそうです。
●録音&撮影禁止!マル秘トークショー、その内容が気になる!
オーナー同志が親睦を深めるモーニングクルーズの後半では、代官山 蔦屋書店 3号館2階シェアラウンジにて、 福田正剛さん、湯沢峰司さん、土屋圭市さんによるスペシャルトークショーが開催されました。
録音、動画撮影禁止というスペシャルトークショー。かなり際どい内容が飛び出していました。
土屋さんが最も苦労したのは、ステップワゴンModulo Xだったそうで、運転するお父さんだけが気持ち良いクルマではダメ。セカンドシートに座るお子さんが安心して寝られる乗り心地を追求した結果、開発に2年も掛かってしまったそうです。
コンプリートカーというとスポーツモデルが中心になるものですが、Modulo XでスポーツカーはS660だけで、そのほかはミニバンやSUV、コンパクトカーといったファミリーカーとして使われるモデルばかり。
そういったクルマを使用するユーザー層を思い浮かべながら、どのようにチューンしたらみんなが笑顔になるだろう?ということをコンセプトに開発を心がけているそうです。
そして福田さん、湯沢さん、土屋さんをはじめ、Modulo Xの開発に携わっているスタッフはすべてクルマ好きばかり。そのクルマ好きがクルマ好きのオーナーに納得してもらえるクルマを目指して開発しているということでした。
筆者もN-ONE以降のModulo Xに試乗する機会がありましたが、やはりステップワゴンModulo Xの走行安定性と旋回性能は素晴らしかったです。
しかも、このパフォーマンスをエアロパーツによる空力性能の向上とサスペンションのチューニングだけで行っているのは衝撃的でした。
機能性を追求したエアロパーツは、贅肉を取り除いた機能美となる。まさにModulo Xの外観は機能美という言葉に相応しいデザインとなっています。
コンプリートカーのModulo Xばかりのオーナーズミーティングでしたが、非常にハートウォーミングなイベントとなりました。
(文、写真:萩原 文博)