新型「プリウスPHEV」を清水和夫が試乗。プリウスHEVは軽快感、PHEVは重厚感だが改善の余地あり?

■カリフォルニアのZEV(ゼロエミッションビークル)狙いの航続距離で、ほぼEV感覚 by清水和夫

●4代目と乗り比べて分かる、技術の進歩はスゲェ!

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清水和夫さんが新型プリウスPHEVプロトタイプをサーキットで試す!

今春発売予定のプリウスPHEV。そのプロトタイプに、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんがサーキット試乗(袖ケ浦フォレストレースウェイ)しました。

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プリウスPHEVは普通のプリウスに比べ軽快感は少ないけど重厚感はあり!

高効率のダイナミックフォースエンジンと、高出力の駆動用リチウムイオンバッテリーの組み合わせで、従来型同等の低燃費を維持しつつ、164kW(223ps)ものシステム最高出力を達成、との話。

また、従来ラゲッジ部にあった電池パックをリアシート下部に搭載し、低重心化とラゲッジスペースの拡大を実現。加速性能は0-100km/h加速で6.7秒をマーク!

さぁ、頑固一徹オヤジの清水さんはプリウスPHEVをどう評価したのでしょう? さっそくドーゾ!


●5代目新型「プリウス」、なんか別の惑星から来たクルマ、みたいな!

おぉ~電気自動車だな。なんか最近、EVづいちゃってるからね。

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新型プリウスPHEVのフロントビュー

このプリウスPHEV=プラグインハイブリッドは、トヨタが本気で作ったプラグインで、多分、5代目プリウス企画の最初からあったんだと思います。バッテリーは13.6kWhくらい、かな? 上手く走れば、電費的には80~90kmくらいはいけるんじゃないかなと思います。

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新型プリウスPHEVのリヤビュー

カリフォルニアのゼロエミッションビークルは50マイル、80km走ればZEV(Zero Emission Vehicle)と認められるので、そこは間違いなく達成するハズ。

今、EVモードで走っていますけど、静かで、剛性感があって。

え~っとねぇ…あら、ちょっとロールするなぁ。ノーマルのプリウスが意外とハンドリング良かったからな。でもコレ、低重心なので比較的良いハズなんだけど、ちょっとロールは目立ちますね。

やっぱり重い分、サスが柔らかいのかな。重量に合わせてもうちょっとロール剛性を上げてもいいかも。

●EVモード、袖ケ浦サーキット1周で電気10%消費

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街中などの普段使いならガソリン入れることを忘れるほど!

トヨタの方から「EVで1周走れ!」ということで、78%で出発して68%くらいで帰ってきましたから、1周で約10%。

2周目はハイブリッドモードにしました。ハイブリッドモードだと、このへんからエンジンがかかります。

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新型プリウスPHEVのエンジン部。4代目より速度狙いの2L

「清水さん、スピード出しちゃダメよ!」って言われていますけどね。

出したくなっちゃうよ、気持ちイイんだもん♪

おぉ~♪ ケツ出るじゃん!

やっぱこうやって攻めたくなる!

●普通のプリウスに比べ軽快感が少ないけど、重厚感はあり

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清水和夫目線な感じ

やっぱり、PHEVじゃないプリウス(HEV)と比べると、ちょっと軽快感が無いっていうのはあります。コッチ(PHEV)のほうが重厚感がある感じ。当然だろうな。

でも、それを狙ったのか、もっと軽快にしたいのか…。これはまだプロトタイプなので、改善の余地はあると思いますけどね。

バッテリーは、3周で20%使ったのかな。

値段はまだ分かんないけど、買うならプラグインだな。でも、軽快感のある普通のプリウスの走りも良いんだけどね。

●先代、4代目プリウスPHEVと乗り比べてみた

これは4代目プリウスPHEVです。やっぱステアフィールとか、このサスの感じ、やっぱりダンピングとかはちょっと悪いし、全然違うな、4代目と5代目!

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4代目プリウスPHEVと比べてみると、5代目の進化が凄いな

やっぱ技術って、あるときコーン!と上がっていくからね。でも4代目もTNGAなんだよね。だから、同じTNGAの世代でもどんどん良くなっていくんです。

ハイ、今度はハイブリッドモード。いや~、これはあんまり飛ばしたくないな。シートのホールド性も悪いし。オ~ットットット~。シートの背中が痛いし、ホールド性も悪いし、足もやっぱロールピッチがあるし。

このクルマに乗っているときは良いクルマだなと思ったんだけど、やっぱり新型5代目に乗っちゃうと全然違うね。今回ばっかりは、本当に違うわ!

●トヨタ新型「プリウスPHEV」に乗ってみたまとめ

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新型プリウスPHEV、総評!

今、世界はカーボンニュートラルで動いていますけど、いわゆるCo2の燃費ってことを考えたら、当面、このPHEV、プラグインハイブリッドが4番バッターじゃないかなとずっと思っています。

ただ、気を付けなければいけないのは、1モーターのハイブリッドのプラグインは、バッテリーに電気が無くなったら、ただ重いものを運んでいるだけなので、トヨタの強みはTHS。つまり、走りながら充電できるハイブリッドシステムがプラグインになっている。これがポイント。

トヨタは5代目プリウスPHEVを本気で開発しました。エンジンも2リッターで、バッテリーも13.6kWhくらいかな。で、EV距離が約80km前後と言われています。

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新型プリウスPHEVのフロントタイヤ
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新型プリウスPHEVのリヤタイヤ

前述したように、カリフォルニアのZEV、ゼロエミッションビークルは50マイルをEVで走ればゼロエミッションのクルマとして認定されますから、間違いなく80km以上は電気だけで走ることを狙っていると思います。

そうなると、やっぱりスピードも100km/hくらいまではバッテリーでいかないと、途中でエンジンかかっちゃったらアウト!

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新型プリウスPHEVのコクピット

そういう意味で、EVの航続距離と、EVで走れる最高速度も引き上げて、そのためにエンジンも2リッターにして、モーターの出力も上げて、っていうことだと思うんです。ガソリンスタンドへ行くのを忘れちゃうくらいの感じになるんじゃないかと。

それが事実上、Co2を減らすエビデンスとして、最も効果のある当面の技術ではないかなと思っています。

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リヤハッチはここまで上がる

実際、走るとやっぱりボディの剛性も上がっているし、床下にバッテリーがあるので、ちょっと重厚感がある。新型プリウスはFFの2リッターのハイブリッドと2リッターの四駆と、PHEV。比べてみると、このPHEVが一番重厚感があるかなと思う。

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PHEVにはE-Fourの四駆が組み込めない

ただ残念なことをひとつ言えば、RAV4 PHEVと違って、プリウスのパッケージではリヤモーターが付けられないので、プリウスPHEVはFFです。ですから、雪道とかそういったニーズにはちょっと難しいかもしれません。

このパッケージだと、リヤにモーターを付け難いというのがあると思いますね。

名前だけでいうとプラグインハイブリッドですけど、そのコア技術になっているのは、やはりTHSという、モーターを2つ使ったハイブリッドシステム。それがプラグインになっているということが、非常に重要なポイントだと思います。


ZEV狙いの2リッター PHEV。なるほど~。清水和夫さんによる鋭いインプレッションのすべては、動画でドーゾ!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

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この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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