フェアレディZ CUSTOMIZED EDITION市販仕様が公開。でもオーバーフェンダーはどこへ?【東京オートサロン2023】

■1年前に大好評だったカスタマイズエディションが市販化決定

フェアレディZ カスタマイズドエディション

東京オートサロン2023の日産ブースに展示されていた、市販仕様とはちょっと異なるオレンジ色のフェアレディZ。

具体的にはフロントバンパー、リヤスポイラー、デカール、アルミホイール、そして細かいところでは、ルーフサイドのモールが標準仕様のシルバーからブラックへ変更されているあたりがカスタマイズのポイントですね。

ちなみに、展示車両名は「FAIRLADY Z CUSTOMIZED EDITION」です。

東京オートサロン2022で公開された「フェアレデイZ カスタマイズド プロト」

鋭い人はお気づきでしょう。この仕様はちょうど1年前の東京オートサロン2022で公開された「FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO」の市販バージョンなのです。

1年前はプロトタイプとしてお披露目されましたが、それに対して今回のモデルは、法規対応や生産性、耐久性など、性能や品質の確認までおこなった市販スペック。販売店オプションとして送り出されます。

カスタマイズドエディションは、特別なエンジンを搭載した初代フェアレディZ「432R」のオマージュ

詳細な販売時期や価格などは明らかになりませんでしたが、夏くらいには正式発表されそうな気配です。

パッケージとしてセットで提供するのだとか。

好みのホイールを組み合わせる人のために、できればホイールレスも検討して欲しい気がするのはボクだけ?

ホイールは8本のバナナスポークのイメージ

本来ならこういったモデルはコンプリートカーとして工場で完成されて販売されるのが望ましい(そのほうが無駄な部品が減りトータルでの出費を抑えられる)のですが、そうできなかったのはフェアレディZの車両本体の供給状況があります。

カーボンのリヤスポイラーも用意

ご存じのようにオーダー停止中で、もしこれからバリエーションのひとつとして発売するのなら、発注済の人からは「本当はこっちが欲しかったのに!」と残念がる声が続出することでしょう。

それを避けるために、Zオーナーなら誰でも手に入れることができるように、純正オプション品としての販売にしたわけです。

●でも、市販仕様には「PROTO」との大きな違いがあった! その理由は?

ところでところで、参考出品だった「PROTO」と比べて、市販モデルでは大きな違いがあるのに気が付きましたか?

「プロト」はオーバーフェンダーを装着
オーバーフェンダー装着でエネルギッシュな印象が増す

それはオーバーフェンダー。PROTOについていたオーバーフェンダーが市販品には展開されないのです。

なぜなのか? お話を伺った日産自動車グローバルアフターセールス商品開発&エンジニアリング事業本部の伊藤琢也さんによると、「装着すると全幅が変わってしまうので、法規対応などを考えると難しいところがあり……」とのこと。残念!

●でも、個人の責任において装着する方法も無くはない

国内向けはオーバーフェンダーが……ない!

ただし、朗報もあります。

それは、「アメリカ向けの純正部品としては用意される」ということ。つまり、どうしても装着したい場合は、部品をアメリカから“逆輸入”して愛車に装着する方法もあるというわけ。

現物を見ていないので正確な判断はできませんが、「張り出しは片側5mmほど」とのことなので、個人が後付けする場合は構造変更届なしに車検も問題ないと思われます(車両法上は車検証記載値に対して全幅を20mm以上拡大する場合のみ記載変更が必要となり、それ未満なら問題ない)。

というわけで、どうしてもオーバーフェンダーが欲しい人は北米発売の状況をチェックです!

あ、そもそも論として現在、受注停止となっているフェアレディZの新型が手に入らないとどうにもなりませんけどね。

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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