日本導入はいつ?ホンダが新型「CR-V」に続き、新たなSUVを公開へ

■新型CR-Vの姉妹モデルを世界初公開

新型CR-Vのエクステリア

ホンダが12月8日、2023年1月1日に米国ロサンゼルスで行われる恒例の新年行事、「ローズパレード」の公式ペースカーに新型「CR-V」のハイブリッドモデルが起用されると発表しました。

北米では日本未導入の新型CR-Vをインディアナ工場とオハイオ州のイースト リバティ工場で生産しており、本年9月から発売済み。

5代目CR-Vのエクステリア

同社は北米でこれまでに500万台以上のCR-Vを生産。その約半分を米国で生産しています。しかし、日本では販売不振から5代目CR-Vの国内生産を終了した経緯があります。

●全長・全幅をRAV4並みに拡大

新型CR-Vのリヤビュー

新型CR-Vの車両サイズは、全長4,694(+89)×全幅1,864(+9)×全高1,682(+2)mmでホイールベースが2,700(+40)mmと、トヨタRAV4に近いサイズとなっています[※( )内は先代比]。

新型CR-V(左)とヴェゼルの比較

エクステリアが全面的に刷新されており、機能も改良。北米での車両価格は400万円台からと、ZR-V(米国名:HR-V)の上級モデルに位置付けられています。

ヴェゼル似のシャープなヘッドランプとヘキサゴングリルが特徴で、フロントバンパーの左右にガーニッシュを設定。リア周りでは先代モデルと同様に、クォーターパネル後部に縦長のテールランプを設置。バックドアに設けられたL字に発光する横基調のテールランプが目を惹きます。

また、スポーツグレードではラジエターグリルがブラックのメッシュタイプとなり、エキゾーストべゼルやロアバンパー、リアスポイラーなどが専用デザインに。アロイホイールも黒色の専用仕様となり、18インチから19インチにアップグレードされます。

新型CR-Vのインテリア

インテリアは、水平基調のダッシュボードにハニカムパネルを採用した新型シビックと同様のデザインで、10.25インチのフルデジタルメーターを搭載。インパネ上部には9インチのモニターを装備しており、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応しています。

新開発VTEC 1.5Lターボエンジン

新型CR-Vのパワートレーンには、高効率な新型ターボチャージャーを採用した、ベーシックグレード向けの1.5L直4ターボエンジンに加え、スポーツグレード向けの第4世代2モーター・ハイブリッドシステム(e:HEV)を用意。

レスポンスを向上させたVTECターボエンジンは、193ps/24.8kgmを発生。また、ハイブリッドモデルは2.0L直4ガソリンエンジンと駆動用モーターの組み合わせにより、システム出力207ps/34.2kgmを発生します。

新型CR-V(ハイブリッド)のパワートレーン

新型では2WD仕様のほか、新しいインテリジェント制御システムを備えた4WD仕様を用意。エンジントルクの最大50%を後輪に送ることができるようになったことで、滑りやすい状況でのハンドリング性能やトラクション性能が向上しています。

2024年には燃料電池搭載モデルについても生産を予定しているそう。

●姉妹モデルの新型「ブリーズ」をワールドプレミア

新型ブリーズのエクステリア

一方、ホンダは12月12日、新型CR-Vの姉妹モデルとなるアジア市場向けの新型「ブリーズ」をワールドプレミアしました。フロント周りのデザインが米国仕様と異なっており、生産は広汽ホンダが担当。

新型ブリーズのリヤビュー

2代目となる新型「ブリーズ」は、細幅のアッパーグリルとバンパーの大型ロアグリルが特徴で、専用デザインのLEDヘッドランプを採用。バックドアやテールランプ、リヤバンパー形状などもCR-Vと異なっています。

●CR-V国内再導入の可能性は?

そうした中、国内市場で実質的にCR-V後継を担った新型ヴェゼルは、旺盛な国内需要や半導体不足のあおりを受けて納車1年待ちの状況。

2023年4月の正式発売に先立ち、先頃、先行受注を開始したコンパクトSUV「ZR-V」についても受注が好調で、すでに納車1年待ちの状態だそうです。

新型CR-Vのリヤビュー

ホンダは近年、日本に本社を置きながらも、新型車の投入先を販売台数が見込める海外市場に求めており、国内展開は二の次の状況。

米国から2年遅れで5代目CR-Vを国内導入した際は、2019年上半期(1~6月)の販売台数が9,590台(月平均1,598台)と振るわなかったものの、その後、日本国内のSUV市場が大きく進展。

今回の新型CR-Vはヴェゼル似のフロントマスクなどでデザイン的にも受け入れ易く、価格設定次第では国内市場でも需要が期待できるため、今後の国内導入に向けた同社の英断が期待されます。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

ホンダ CR-V
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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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