全国で300ヵ所を突破。快適な「車中泊」を楽しめるRVパークってどんなところ? 

■安心で快適な車中泊スポットを紹介

近年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、密が避けられるレジャーとしてアウトドアがブーム。なかでも、クルマで寝泊まりする車中泊も大きな人気を得ていて、愛好者は年々増えています。

快適な車中泊を楽しめるRVパークが全国で300か所を突破
「RVパーク 石狩FIELD」現地の様子

ところが、一方で、車中泊ができない場所もまだまだ多いですし、一部ユーザーによるマナー違反が度々問題となっていることもあり、道の駅などで車中泊が禁止となってしまうケースもあるといいます。

そんな中、キャンピングカーのメーカーやディーラーなどが加盟する業界団体「日本RV協会」が設置を進めているのが「RVパーク」。快適に安心して車中泊ができる車中泊施設として全国に拡充中なのですが、そのRVパークが、2022年11月末現在、全国で300ヵ所を突破したそうです。

北海道から沖縄まで、全国各地にあるこの施設は、キャンピングカーのユーザーだけでなく、一般車のユーザーでも利用可能で、マナーや一定の条件さえ守れば、誰でも利用できる施設だといいます。

では、実際にどんなところなのでしょうか?

●RVパークとは?

RVパークとは、日本RV協会が「快適に安心して車中泊ができる場所」を提供するために、全国に広めている車中泊施設です。

快適な車中泊を楽しめるRVパークが全国で300か所を突破
RVパークのマーク

同協会では、2012年より、全国各地の温泉や旅館、道の駅、遊園地などの様々な施設でRVパークの設置を進めているそうで、最近は徐々に注目度もアップ。「キャンピングカーオーナーの75%以上が1度以上利用経験がある」ほどだといいます(日本RV協会の調べ)。

しかも、北海道の「RVパーク 石狩FIELD」や、三重県・伊勢神宮近隣に位置する「RVパーク伊勢」など、新しく6施設が追加となったことで、前述の通り、2022年11月末現在で全国で300ヵ所を突破。現在では、車中泊を楽しむ全国のユーザーが利用できるようになったのです。

●駐車スペースや利用方法

では、実際、どんなところなのでしょう? 日本RV協会の公式ホームページによれば、下記の条件を満たし、同協会が認めた施設だといいます。

1. 4m×7m程度の駐車スペース
2. 1週間程度の滞在が可能
3. 24時間利用可能なトイレ
4. 100V電源が使用可能
5. 入浴施設が施設内又は15km圏内にある
6. ゴミ処理が可能
7. 入退場制限が緩やかで予約が必須ではないこと
8. RVパークの看板を設置すること(ロゴは協会が作成、設置は施設で行う)

つまり、車中泊するための駐車スペースがちゃんとあって、車中泊だけでなく、ある程度の滞在ができる場所ということですね。

快適な車中泊を楽しめるRVパークが全国で300か所を突破
決められた駐車スペースで車中泊(写真は滋賀県のリラクピング メタセコイア店)

ちなみに、RVパークは、ほとんどの場所で予約は不要ですが、一部のRVパークでは予約が必須なところもあるそうなので、公式ホームページなどで事前に調べた方がよさそうです。

また、各施設ごとに異なる料金設定やルールがあるということで、現地では受付時に、きちんと詳細を聞くことが必要のようです。

なお、RVパーク内では、自分に与えられたスペース内においては車外へイスとテーブルを持ち出すことも可能。さらに、キャンピングカー以外のユーザーも利用が可能だといいます。

●禁止されていることは?

ただし、一定の禁止事項もあり、それは以下の通りです。

1. 車外での調理は禁止
2. 直火はもちろん禁止(直火でなくてもたき火やバーベキューも遠慮する)
3. 駐車中では、必ずエンジンを停止(アイドリング禁止)
4. 発電機の使用および騒音など、周辺(車中泊客)に迷惑のかかる行為は禁止
5. ゴミ・吸い殻などのポイ捨て、不要物の置き去りも禁止
6. 排水については、利用される施設ごとに可否を含め確認し、その処理方法については、必ずその施設のルールに従うこと。例え、グレータンク(キャンピングカーに設置されてある汚水タンク)でも、その場での排水は絶対に禁止
7. 駐車場内での事故・盗難などは、責任を負いかねるので、了承して頂きたい

快適な車中泊を楽しめるRVパークが全国で300か所を突破
一定のルールなどを守れば誰でも車中泊を楽しめるのがRVパーク(写真は滋賀県のリラクピング メタセコイア店)

車外での調理やバーベキューなどはダメということなので、もしやりたい場合はオートキャンプ場に行く方がいいようです。あとは、一般的に車中泊に必要なマナーばかりですから、特に難しいことはなさそうですね。

●どんなところ?「RVパーク 石狩FIELD」の場合

では、実際に、RVパークは、どんなところが利用できるのでしょうか? たとえば、新規認定された北海道の「RVパーク 石狩FIELD」の場合。

快適な車中泊を楽しめるRVパークが全国で300か所を突破
「RVパーク 石狩FIELD」現地の様子

同協会によれば「北海道内で最古の円形校舎があることで知られる旧石狩小学校グラウンドに、災害支援用機材を活用してオープンしたRVパーク」とのこと。

近隣には様々な名所が多く、石狩の魅力を存分に楽しむことができます。また、災害時には民設避難所としての機能も備える施設で、レジャーと災害対策の両方に利用できることも特徴です。

ちなみにトイレは24時間利用可能で、暖房便座トイレ付き。徒歩圏内に入浴施設があり、温泉もあるそうです。

また、ごみ処理も対応可で、電源や水道もあり(いずれも無料)。ペットの同伴もでき、ドッグランもあるそうです。利用料金は3000円〜(1泊/1台、一般利用時)です。

所在地は「〒061-3376 北海道石狩市横町39 旧石狩小学校グラウンド」で、札樽道「札幌北IC」から40分の場所にあります。

●どんなところ?「RVパーク伊勢」の場合

一方、同じく新規に認定された三重県の「RVパーク伊勢」。こちらは、お伊勢参りなどで有名な伊勢神宮内宮までクルマで約15分の距離にあるRVパークです。

快適な車中泊を楽しめるRVパークが全国で300か所を突破
「RVパーク 石狩FIELD」

同協会によれば、「お伊勢参りにクルマを利用する場合、最も近い安心安全に車中泊ができる施設」とのこと。また、周辺には商業施設やコンビニ、銭湯などもあり、近くの河川では釣りや散歩を楽しむこともできます。

さらに、鳥羽水族館や夫婦岩といった、伊勢志摩を代表する観光地にもアクセスしやすく、観光の拠点や中継地点としての活用ができるのも魅力。

こちらも、トイレは24時間利用可能で(洋式トイレ)、クルマで移動すれば近くに入浴施設もあり、ごみ処理の対応も可。電源や水道もあります(いずれも無料)。なお、利用料金は2000円〜(1泊/1台、一般利用時)です。

所在地は、「〒516-0011 三重県伊勢市一色町1650」で、伊勢自動車道伊勢インターから約10分の場所にあります。


上記のRVパークを利用する際の予約など詳細については、それぞれの公式ホームページ(下記)を参照下さい。

また、RVパークには他にも、さまざまな場所がありますので、気になる人は、一度、日本RV協会の公式ホームページ(下記)をチェックしてみて下さい。

(文:平塚 直樹/写真:日本RV協会)

【関連リンク】

日本RV協会「RVパーク」公式ホームページ
https://www.kurumatabi.com/rvpark/list.php

「RVパーク 石狩FIELD」公式ホームページ
https://www.kurumatabi.com/park/rvpark/1099.html

「RVパーク伊勢」公式ホームページ
https://www.kurumatabi.com/park/rvpark/1135.html

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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