トヨタ「86」初公開。2011年東京モーターショーに出展予定のプロトタイプを初公開【今日は何の日?11月27日】

■名車AE86の名を継承した小型FRスポーツ

2011(平成23)年11月27日、トヨタが第42回東京モーターショーに出展予定のFR小型スポーツ「86(ハチロク)」のプロトタイプモデルを公開しました。車名の86は、FRレイアウト最後の名車「カローラレビン/スプリンタートレノ」の車両形式“AE86”に由来します。なお、スバルの兄弟車は「BRZ」と名乗りました。

2012年発売のトヨタ86、ロングノーズの流線型フォルム
2012年発売のトヨタ86、ロングノーズの流線型フォルム

●走り屋を夢中にさせたレビン/トレノのAEハチロク誕生

今も絶大な人気を誇る4代目「カローラレビン/スプリンタートレノ」(AE86型)、通称ハチロクがデビューしたのは、1983年のこと。

ベースのカローラ/スプリンターは、居住性を優先してFFに変更されましたが、レビン/トレノは走りを重視して先代同様FRが継続されました。

1983年に登場したスプリンタートレノ(AE86)
1983年に登場したスプリンタートレノ(AE86)
1983年に登場したカローラレビン(AE86)
1983年に登場したカローラレビン(AE86)

ボディタイプは、3ドアハッチバックと2ドアクーペを設定。エンジンは、1.6L直4 DOHC(4A-G型)と従来型の1.5L直4 SOHCを搭載し、エンジンの違いで1.6L車が「AE86」、1.5L車が「AE85」とされました。

レビンは、固定ヘッドライトのオーソドックスなスタイリングで、トレノはリトラクタブルヘッドライトを採用して差別化が図られました。

最高出力は130PSと突出した性能ではありませんでしたが、高回転での伸びに優れ、車重が900kg台と軽量であったため、軽快な走りが実現され、走り屋から熱烈な支持を受けたのです。

●スバルの水平対向エンジンを搭載したライトウェイトスポーツ

スバルと共同開発された86/BRZは、車両パッケージングやデザインはトヨタが、エンジンをはじめとする機構面や生産などはスバルが主導しました。

スポーツカーらしいロングノーズの流線型フォルムのボディに、エンジンはスバル伝統の水平対向エンジンを採用。エンジン長が短く低重心で回転バランスが良いボクサーエンジンが、FRスポーツには最適と判断したからです。

トヨタ86の兄弟車スバルBRZ
トヨタ86の兄弟車スバルBRZ

パワートレインは、200PSを発揮するスバルの2.0L直4水平対向DOHCエンジンと、6速MTおよび6速ATを設定。サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット/コイルスプリング、リアはダブルウィッシュボーン、ブレーキは4輪ディスクブレーキと、高機能な装備が採用されました。

トヨタ86の発売は、東京モーターショーの翌年2012年の4月からでしたが、発売とともに大変な人気を獲得。注文してから半年待ちと、冷え込んでいるスポーツカー市場では異例の大ヒットとなりました。

●新型GR86は、排気量アップして進化

2021年10月に、86はモデルチェンジを行い「GR86」へと進化しました。注目は水平対向エンジンの排気量が2.0Lから2.4Lに拡大され、出力が大きく向上したことです。

2021年に登場したGR86。排気量を2.0から2.4Lに拡大。
2021年に登場したGR86。排気量を2.0Lから2.4Lに拡大。

スタイリングは、全体的にボリューム感のあるダイナミックなフォルムに変貌。搭載された新開発FA24型エンジンは、排気量を2.4Lに拡大した直4水平対向DOHCエンジンですが、市場からの“モア・レスポンス、モア・パワー”という既存ユーザーの要望に応えるためでした。

出力は初代に対して最高出力18%、最大トルクは22%向上し、ライトウェイトスポーツらしい軽快な走りに磨きをかけました。

2022年6月には、発売から8ヶ月で販売台数が1万台を突破して、高い人気を誇っています。


エンジン出力を上げるならターボ化という選択肢もありますが、86/BRZはNA(無過給)エンジンを搭載しています。ライトウェイトスポーツにとっては、ターボが装備されていない分、低重心でレスポンスの良いNAエンジンの方が、軽快で小気味よい走りができるので理想的かもしれません。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン

Mr. ソラン 近影
某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きなクルマで、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。