■「レコーダーリンク」を搭載。レコーダーのチューナーで受信している番組のリモート視聴も可能に
2022年11月1日(火)、パナソニック オートモーティブシステムズは、「Strada(ストラーダ)」ブランドのフローティング大画面3モデル、スタンダードモデル4タイプを発表しました。
フローティング大画面モデル3タイプは、12月初旬から、スタンダードモデルの4機種は、12月中旬から順次、発売されます。
半導体などの部品不足などの要因により新車販売台数が落ち込む中、市販カーナビの2021年度は、微減となっているそうです。同社では、2022年度は普及価格帯以上を中心に、2020年度並にまで回復する見込みとしています。
その中でも大画面モデルへの引き合いは年々高まっていて、中でも10インチ以上の大画面ナビが欲しいというニーズは、2019年度から2022年度は、5%アップと徐々に向上しているそうです。
「ストラーダ」の大画面モデル「Fシリーズ」は、2021年度で対応車種が業界最多となる470車種以上に拡大。
大画面と高い汎用性のほか、左右角度調整、奥行き調整、画面傾き調整、前後角度調整、取付後も上下スライドが可能など、見やすい位置に設定できるのも美点。
さらに、フローティング構造の泣き所である耐振動性の強化も図られていて、ディスプレイの軽量化、保持部の剛性強化が盛り込まれています。
そのほか、業界唯一のブルーレイディスク対応、こちらも業界唯一の有機EL(市販AVナビ。2021年9月末)採用など、従来までのモデルでもトピックスは盛りだくさんでした。
さて、11年1日に発表された最新モデルは、こうした美点を継承しつつ、「レコーダーリンク」機能の搭載が最大の注目点。自宅で録りためた番組をダビングすることなく、手軽にカーナビで再生できます。
また、レコーダーのチューナーで受信している番組のリモート視聴も可能。なお、スマホ・アプリ「DiXiM Play forレコーダーリンク」が必要で、別途通信費がかかります。
さらに、リモート視聴の対応により、自宅TVのエリア外に外出した際でも、自宅エリアで放送中の番組が視聴できます(BS、CS放送は、視聴可能な番組が限られます)。最上位機種の「F1X10BG」は、手持ちのブルーレイソフトを高画質で視聴できます。
なお、「レコーダーリンク」対応レコーダーは、パナソニック製、シャープ製、東芝製に対応。NAS(Network Attached Storage)は、アイ・オー・データ機器製、バッファロー製に対応。
また、パケット通信費は手持ちのスマホなど、ユーザー自身の負担になります。スマホとナビは、BluetoothとWi-Fiで接続し、Bluetoothは5台まで登録可能なので、家族でクルマをシェアする際にも対応します。
ディスプレイの美しさもトピックス。低反射の10V型有機ELディスプレイが「CN-F1X10BGD」「CN-F1X10GD」に搭載され、地図も映像もHD高画質で表示。また、ルート案内や連携ドライブレコーダーの映像も鮮明でより見やすくなっています。
自慢の汎用性もさらに高まり、新車、既販売車ともに取り付け対応車種は、490車種以上に拡大されています。
ナビ画面では、「HD美次元マップ」と呼ぶ、高精細で美しいHD地図を用意。3Dゲームなどに使われている高度な描画手法が採用されています。夕暮れ時の空気感や建物の窓から漏れる明かりの描写まで、リアルさが徹底追求され、ビルや建物の透過率を自動で調整するなど、見やすさにもこだわったそう。
ルートガイドでは、ポイントである案内地点の表示がより分かりやすくなりました。交差点の通過、右左折がひと目で分かる表示でルート案内。
曲がる交差点までの詳細なレーン情報が事前に表示され、必要な車線変更が分かりやすくなっています。直感的に分かる案内表示により、初めての地域でも道を間違えずにすみそうです。
ルート探索などのレスポンスも向上。ルート探索にかかる時間は、従来比(従来品2020年モデルCN-F1X10BLD/F1X10LD/F1D9VDとの比較)で半分以下に短縮され、従来モデルの1ルート探索と同等の時間で、5ルート探索が可能になっています。起動時間も早まったことで、スムーズに出発できる利点も享受できます。
また、操作レスポンスの向上も盛り込まれています。「ダイレクトレスポンスII」は、指の動きに素早く反応し、操作性では、2点ドラッグの上下で地図の俯瞰度合いを調整し、2Dから3Dへシームレスな切り替えが可能になっています。円弧を描くような2点ドラッグ操作で地図を回転させ、いろいろな方位や方角から地図を見ることができます。
そのほか、地デジチューナーの性能向上も見逃せません。妨害除去機能が強化され、車両や普及が進むドライブレコーダーなどの車載器から発生するノイズの影響が受けにくくなり、安定した動作を実現したそう。処理能力も向上し、障害物などで地デジの電波が弱まった環境においても、データ受信率が向上したとしています。
地図更新では、発売から1年後に購入した場合でも、3年間の更新権利が得られるようになっています。
全地図更新は、2024年度版/2025年度版/2026年度版/2027年度版から1回。部分(差分)更新地図は、2026年12月15日(予定)までの最大3年間、2ヵ月に1回更新可能(差分更新はCN-F1X10BGD/F1X10GDのみ対応)。
●スタンダードモデルは、高解像度のHDパネルを搭載
大画面モデルと同時に発表された、スタンダードモデル4機種をチェックします。
いつも1人でクルマに乗るユーザーの中では、7インチモデルで十分、という声が根強いようです。最新モデルでは、高解像度HDパネルの搭載により、鮮やかで美しく映像が表示できるのはもちろん、地デジなどの映像を高画質、そして高音質で享受できます。
地図や連携ドライブレコーダーの映像も鮮明で見やすく表示。データ量の多い「全国どこでも市街地図」も高精細で視認しやすく、案内表示もより分かりやすく改良されています。
なお、地図や地デジ、オプションカメラの映像は、従来比(2020年モデルCN-RA07D/WD、CN-RE07D/WDとの比較)から2.4倍のHD解像度で高精細に表示。広視野角でコントラスト比の高いHD液晶の採用により、画面が見やすくなっています。
また、大画面モデルと同様に、「HD美次元マップ」が搭載されています。高精細で美しいHD地図表示に対応し、視認性に配慮された配色のデザインを採用。文字や道路、自車位置マークが見やすくなっています。
地図表示は、建物の形や道幅を緻密に描写した詳細地図で全国の市街地が100%カバーされた「全国どこでも市街地図」が搭載されています。HD高画質表示により、現在地の把握や目的地の特定がしやすく、初めて行くスポットでも安心して使えます。
そのほか、別売の前後2カメラドライブレコーダー(CA-DR03HTD)、リヤビューカメラ(CY-RC500HD)とHD-TVI接続で連携可能で、ナビ画面に表示される鮮明なHD解像度の映像で、後方確認や録画映像の確認ができます。
大画面モデルと同様に、地デジチューナーの性能が向上され、妨害除去機能を強化。音質も向上されていて、デジタルパワーアンプ搭載と回路設計の最適化が盛り込まれ、前モデルよりも音の歪みが抑制され、よりクリアな音質を実現したそうです。
実機に触れてみると、スタンダードな7V型モデルでも操作レスポンス、高画質であるのはもちろん、10V型大画面モデルの2機種は、有機ELの採用により市販カーAVナビでもトップクラスの美しさを実感できます。
ハードスイッチを画面からなくし、ディスプレイ上部に配置するこだわりは、慣れるまで使いにくく感じる面もありますが、大型大画面にこだわり、新車、既存車含めて490車種という圧倒的といえる汎用性の高さは、ほかにはない魅力となっています。
●価格:オープン
●想定販売価格(税込)
・フローティング大画面モデル
「CN-F1X10BGD 10V型有機EL/HD」:26万円前後
「CN-F1X10GD 10V型有機EL/HD」:24万円前後
「CN-F1D9GD 9V型液晶」:17万円前後
・7V型AV一体型カーナビゲーション
「CN-HA02WD/CN-HA02D」:10万5000円前後
「CN-HE02WD/CN-HE02D」:9万5000円前後
(文:塚田 勝弘/写真:塚田 勝弘、パナソニック オートモーティブシステムズ)