ヤマハ発動機がアフリカやアジアに設置している浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」

■大きな電力が不要で、専門の技術者によるメンテナンスも必要なし

ヤマハ発動機は、浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」をケニアに初設置しました。

この「ヤマハクリーンウォーターシステム」は、「緩速ろ過」という自然界の水浄化機能をベースにしたシンプルな構造が特徴の浄化装置です。凝集剤やフィルターを使わないため、ランニングコストも抑制できます。

ヤマハ発動機
クリーンウォーターシステム引き渡し式典の様子

河川や湖沼の表流水を原水に、大型装置では1日に8,000L(約2,000人分)の浄水を供給することが可能。

浄水性能は、原水中の物資が規定値以上である場合、WHO飲料水ガイドライン以下まで低減することができます。衛生概念向上への寄与や、下痢や発熱などの低下にも効果があるそうです。

水汲み活動からの解放による生産、学習活動への転換だけでなく、水配達や清浄、製氷などの新たなビジネスによる村落の活性化にも貢献しています。

さらに、大きな電力が不要で、専門の技術者によるメンテナンスが不要なため、住民による自主運営が可能なのも美点。今回のケニアへの設置を含め、アフリカやアジアの新興国を中心に、45基が設置されています(2022年10月現在)。

ヤマハ発動機
環境に優しい「ヤマハクリーンウォーターシステム」

ケニアへの設置は、ODA(政府開発援助)の一環で、途上国の経済開発支援を目的としています。官民連携の活動である「草の根・人間の安全保障無償資金協力」として採択されたもので、在ケニア日本国大使館、現地NGO団体と協力し、現地の中・高等学校に2021年12月から着工、2022年5月に設置が完了したそうです。

ヤマハ発動機は、外務省、経済産業省の公的機関や国際機関との連携、協力によって、同装置の導入を推進。2022年は、エチオピアにも設置。今後も安全な飲み水の供給に向けて設置国を拡大していく予定としています。

なお、この活動は、SDGs(持続可能な開発目標)の「目標6:すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」の取り組みでもあります。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる