■シフトノブ・ボタンの位置を右側から裏側に移動し、操作性を向上
マツダは、コンパクトSUVの「MAZDA MX-30」「MAZDA MX-30 EV MODEL」を2022年10月20日(木)に一部改良し、同日より予約販売をスタートしました。なお、発売は11月初旬以降の予定になっています。
MX-30は、フリースタイルドア(観音開き)を採用するモデルで、マイルドハイブリッド仕様とバッテリーEV仕様を設定しています。
今回の商品改良では、「ソウルレッドクリスタルメタリック」「ジェットブラックマイカ」「ジルコンサンドメタリック」に“マルチトーン仕様”が新たに設定されています。
MX-30の特徴である、キャビンとフリースタイルドアを際立たせる「フレームドトップ」をブラック単色とすることで、キャビンをより軽快に見せる効果があるそうで、アクティブなライフスタイルに合うカラーとなっています。
筆者が気になるのが、シフトノブの操作性が向上したというトピックス。
MX-30で採用されたシフトノブは、「P」が右上に配置されていて、シフトノブ右側にあるボタンを押しながら操作しますが、操作性は良好とはいえませんでした。
マツダでは、人間中心の考え方に基づき、素早い操作時でもよりスムーズに扱えるように、シフトノブ右側にあったこのボタンをシフトノブの裏側に配置しています。
なお、従来と同様に、「R」は最も上に配置。多くのシフトレバーでは「P」の位置になるため、通常のシフトレバーに慣れていると、「R」の位置でエンジンを止めてしまいかねません。
筆者も含めて、このシフトレバーに戸惑っている声を自動車メディア関係者から何度か聞くことがあり、実際に「R」の位置でイグニッションオフにした例も目撃しました。
操作性と安全面からも「P」の位置が右上という方法がベストなのかは疑問が残ります。もちろん、オーナーになればすぐに慣れるのでしょうが、「P」と「R」の位置を逆にする、「P」をボタン式にするなどの選択肢もあったような気がします。
脱線しましたが、今回の改良で、マイルドハイブリッドモデルのMX-30には、MX-30のデザインコンセプトである「Human Modern」を体現したという、新グレードの「Industrial Classic(インダストリアル クラシック)」「Modern Confidence(モダン コンフィデンス)」が設定されています。
また、バッテリーEV(BEV)の「MX-30 EV MODEL」では、今まで設定されていなかったAC1500W/AC150W電源、V2Hの給電機能が追加されたのが朗報です。車両に蓄えられた電力を使うことで、アウトドアで電気製品を使ったり、災害時などに建物への給電ができるなど、BEVの利点を享受できます。
そのほか、BEVは、フロントフェンダーにバッジが追加されたのにくわえ、テールゲートのバッチも新デザインに変更され、バッテリーEVであることがさり気なく主張できるようになっているようです。
なお、下肢に障がいのある方とシェアできる画期的な手動運転装置付車「MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle(セルフ エンパワーメント ドライビング ビークル=手動運転機能と通常運転機能の切り替えが簡単に行える仕様)」が、MX-30のすべての機種で選択が可能になっています。
●車両価格
「MAZDA MX-30」:264万円~299万7500円
「MAZDA MX-30 EV MODEL」:451万円~501万6000円
「MAZDA MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle」:ベース車両価格+52万8000円※
※リング式アクセル&レバーブレーキ、ブレーキサポートボード、移乗ボードの3点がセットの装備。新車への架装のみの対応で、既存モデルには装着できません
(塚田 勝弘)