永光やすの 
目次
■トヨタの水素燃料エンジンGRヤリスが、ラリーベルギーのテストカーとして走行
●コ・ドライバーはカンクネンという、超スペシャルなテストカー走行
2022年は、いよいよ日本戦が開催（予定）されることで、モータースポーツファン大盛り上がりのWRC・FIA世界ラリー選手権。8月22日現在、9戦を終え、最終戦の「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」（11月10日～13日）まで、残すところ3ヵ月を切りました。ん～楽しみです♪
そのWRC第9戦、ベルギーの西部に位置するイープル（オランダ語でIEPER［イーペル］）で開催された「イープル・ラリーベルギー」で、特別なテストカーが走行をしました。
そのマシンは、トヨタ自動車が試験開発中の水素エンジン車「GRヤリス」。2021年から日本のスーパー耐久レースで開発車両クラスST-Qを走っている、あの水素燃料エンジンを搭載しているGRヤリスです（※2022年のS耐はGR Corolla H2 conceptで参戦）。
この水素燃料エンジンGRヤリス、海外の公道を走行するのは初。恰好のお披露目の場となりました。
しかも、ドライバーはご存じ、トヨタの社長でもあるモリゾウ選手こと豊田章男さん。そして、コ・ドライバーには世界タイトルを4度も獲得した経験を持つフィンランド出身、元トヨタドライバーでもあるユハ・カンクネンさんというスペシャルなコンビです。
ちなみにテストカーというのは、競技開始前にステージの安全を確認するため走行するセーフティカーの前に走行するクルマ。日本では往年の伝説的ラリードライバーが務めたり、ゼッケン0（ゼロ）とか呼ばれているそうです。
モリゾウドライブの水素燃料エンジンGRヤリスが走行したのは、イープル・ラリーベルギー2日目（20日）のSS（スペシャルステージ）11、全長15km区間です。民家も近く、道幅も狭く、プロドライバーにとってもチャレンジングなステージとのこと。ここを、モリゾウ＋水素燃料エンジンGRヤリスは、滑りやすい路面の中、下見も無かったものの、カンクネンの的確なペースノート（指示）で無事、走行を終えました。
モリゾウ＆カンクネンのコメントを紹介します。
●無事、完走。カーボンニュートラルな取り組みを世界に見てもらえた byモリゾウ
今回、カンクネンさんの好意で運転させていただくことができ、感謝しています。私の運転に合わせて案内してくれたので、気持ちよく走行できました。
路面が刻々と変わり、滑るうえに狭いので難しい道でした。ジャパンラリーの道に似ていて、観戦していただけるお客様への対応に向けても良い経験になったと思います。会場にはミライによる電源供給のデモもあり、水素エンジンの走行と合わせて、カーボンニュートラルの達成に向けた選択肢のひとつとして、水素の可能性を欧州でも見ていただけたと思っています。
●アキオのドライブ、ブラボー byカンクネン
アキオの運転はすばらしかった。水素エンジンも非常にトルクがあり、ガソリンエンジン車と変わらない。CO2も出さないということで、モータースポーツはもちろん、一般車の世界でもカーボンニュートラルに向けた選択肢のひとつになると思う。
トヨタの、実戦での実験が続けられる水素燃料エンジンGRヤリス。フォーラムエイト・ラリージャパンでもその雄姿が観られることを…希望！
（永光 やすの）
【WRC FIA世界ラリー選手権 2022年カレンダー】
Rd.1 ラリーモンテカルロ（1月20日〜23日）
Rd.2 ラリースウェーデン（2月24日〜27日）
Rd.3 クロアチアラリー（4月21日〜24日）
Rd.4 ラリーポルトガル（5月19日〜22日）
Rd.5 ラリーイタリア・ サルディニア（6月2日〜5日）
Rd.6 サファリ・ラリーケニア（6月23日〜26日）
Rd.7 ラリーエストニア（7月14日〜17日）
Rd.8 ラリーフィンランド（8月4日〜7日）
Rd.9 イープル・ラリーベルギー（8月18日～ 21日）
Rd.10 アクロポリス・ラリーギリシャ（9月8日〜11日）
Rd.11 ラリーニュージーランド（9月29日〜10月2日）
Rd.12 ラリースペイン（10月20日〜23日）
Rd.13 ラリージャパン（11月10日〜13日）
【関連リンク】
WRC・FIA世界ラリー選手権「フォーラムエイト・ラリージャパン」オフィシャルサイト
https://rally-japan.jp/
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