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■ガソリンは生モノ、正しく保管できても半年以内に使いたい
●安い時に買って保存しておきたい!
電気やガスの単価というのはある程度固定となっていますが、ガソリンというのは毎週コロコロと価格が変わります。ガソリンスタンドなどで「来週から値段が上がりますよ」などと聞けば、まとめ買いをしておきたくなるかもしれません。
ですが、「ガソリンって安い時に買って保管しちゃだめなの?」と思うようなレベルでは、答えはノーです。安易にガソリンのまとめ買いをすることは勧められません。
●個人で保管できるガソリンは40Lまでと決まっている
ガソリンを保管するには、専用のタンク(携行缶とも呼ばれます)が必要です。間違っても灯油タンクに入れてはいけません。灯油タンクのようなポリ容器では静電気によってガソリン火災が起きる可能性があります。金属製の専用タンクが必要です。
また、消防法などによって40L以上のガソリンを保管するには設備の整備などが必要です。つまり個人宅で保管できるガソリンの上限は40L未満というわけです。なお、ガソリンを携行缶などに入れることはセルフ給油では禁じられています。発電機などの用途でガソリンを持ち帰る必要があるときはフルサービス店に行くか、セルフサービス店では店員に給油をお願いする必要があります。
さらにガソリンを用いた放火殺人事件の影響で、携行缶でガソリンを購入するには、本人確認・使用目的の確認、販売記録の作成が省令によって定められています。発電機や農機具などに使うのであれば問題ありませんが、「ガソリンが安いうちに買い溜めしておく」という曖昧な理由では販売してもらえない可能性もあります。
●まとめ買いのメリットはほとんどない
さて、ガソリン用の金属製タンクに入れて、40L未満であれば個人での保管も問題ないわけですが、ガソリンは生モノです。大気に触れての酸化や蒸発などによって傷んでいきます。一般に冷暗所などで理想的な保管をしていても半年以内には使い切りたいものです。
また、ガソリンが気化して溜まってしまうと危険です。保管できる量が限られていることも含めて、まとめ買いをするメリットはほとんどなく、むしろリスクのほうが大きいといえます。
実際、40Lしか保管できないのであれば、仮にリッター当たり2円違ったとしても80円の得にしかなりません。そう考えると、ガソリンのまとめ買いや保管は、手間やリスクのほうが大きいといえるでしょう。
(文:山本晋也/写真協力:矢澤産業)
※この記事は2022年6月3日に再編集しました。
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