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■これで解決。あなたもユーザー車検で合格だ
車検は必要な整備が行き届いているクルマなら、予約をして車検場に行って検査を受けるだけです。とはいえ、初めての車検場はかなり緊張するもの。
前回「お金のかかる車検は自分でやれば約5万円も節約できる【ユーザー車検/準備編】」に続き、今回は登録車(軽自動車以外)の乗用車の継続車検を例に説明します。
●不安だったら事前に見学しよう
多くの自動車検査登録事務所(車検場)は見学ができるようになっています。受付でユーザー車検を受けたいので見学に来た、という旨を伝えれば対応してもらえます。ただし、月末や年度末、そして午前中は混み合っているので、できればそうしたときをさけたほうがいいでしょう。
車検場は役所と同じ日が休みだと考えていいです。つまり、1月は4日が土・日でなければ開いていますし、お盆休みもありません。正月やお盆は業者が休みなので、車検場はガラガラです。こうしたときをねらって見学に行くのがベストでしょう。
実は、クルマの登録も2月や9月にしておけば、ユーザー車検の受検を空いている1月や8月にスケジュールすることができるのです。見学に行ったら、必要書類も入手しておきましょう。
●いきなり車検場に行ってはダメ
車検を受けるにはまずは予約をしなければなりません。車検の予約はネットで行えます。アクセスして、アカウントを取得して、必要事項をインプットするだけなので、さほど難しくはありません。
大切なのは、予約番号を忘れないこと。この番号を忘れると受け付けができないこともありますので、番号が発行されたらメモを取り、車検証ケースに貼っておきましょう。
車検は午前に2回、午後に2回の計4回あり、それぞれ定員(定数)が決まっています。午前の1回目を1ラウンド、午後の2回目が4ラウンドと呼ばれます。
おすすめは午前の2回目、つまり第2ラウンドです。窓口のオープンが1ラウンド開始の直前なので、いろいろ質問などをしながら書類を書きたいのなら、2ラウンドにしておいたほうがいいのです。
また、万が一検査に落ちたときも、同じ日ならば初回を含めて3回までは無料で再検査(つまり再検査は2回)を受けることができるので、2ラウンドがおすすめというわけです。
●車検前日の準備:現金も必要。クレカは不可だと思え
可能なら、前日に洗車をするのがおすすめです。ボディはもとより、下まわりやエンジンルームもキレイにします。エンジンルームや下まわりがオイルまみれだと車検に合格しません。ロングリーチの洗車ブラシ、オイル汚れに効果の高い洗剤、パーツクリーナーなどを使ってしっかりと落としておきましょう。
車検時はホイールナットの締め付け具合をチェックしますので、ホイールキャップなどは取り外してホイールナットが見える状態にしておきます。
車検時、検査員はクルマの状態をチェックしながら検査票にチェックをしていきます。この際に、検査表などの書類がバラバラになっていると手間がかかります。これを防止するためにも、書類をまとめておくクリップボードは必需品。プロである業者の人は、必ずクリップボードを持っています。
現金も必要です。自動車税の納付が済んでいる場合でも、重量税や自賠責保険、検査手数料は現金で支払う必要があります。
たとえばヤリスの1.5Z(グリーン税制非対象車)の場合は、車両重量が1020kgなので重量税は2年分(車検有効期間分)で2万4600円、自賠責保険料は2万10円(24ヵ月)、小型車なので検査手数料は2100円で、合計は4万6710円。最低限、これだけは必要です。
逆を言えば、もっとも節約すればこの金額で車検を通せることになります。なんだか検査にものすごくお金が掛かりそうなイメージがありますが、検査手数料そのものは小型車で2100円、普通車でも2200円です。
●テスター屋さんって何? 利用するべき?
車検場の近くには「テスター屋さん」と言われる業者が店舗を構えています。
「テスター屋さん」は車検場にある計測機器と同じような機器を備えていて、車検に受かるかどうかをあらかじめテストしてくれます。業者は車検をスムーズに通して、ほかの仕事をしたいので「テスター屋さん」を利用することが多いのですが、一般人の私たちはいきなり車検で問題ありません。
もし、不合格となったら「テスター屋さん」に行って、不具合を修正すればいいのです。
●自賠責保険の証書は新旧2枚が必要
自賠責保険は、自分が普段お世話になっている保険屋さんでも掛けられますし、車検場近くにある「代書屋さん」でも掛けられます。保険会社の看板が掲げられているので簡単にわかるでしょう。
自賠責保険の保険証書は、今までの証書と新しい証書の2枚が必要です。車検時に必要な書類などは次のものとなります。
1. 車検証
2. 自動車損害賠償責任保険証明書(新旧2枚が必要)
3. 自動車税納税証明書(継続検査用、納付後3週間程度が経っていればオンラインで確認可能なため不要)
4. 自動車検査票(車検場でもらえる)
5. 自動車重量税納付書(車検場でもらえる)
6. 継続検査申請書(車検場でもらえる)
7. 定期点検整備記録簿(車検後の整備でも可)
8. 使用者の認印(基本は不要だが、記入が自書でない場合は必要なこともあるので、念のため)
●検査ラインでは初心者であることを伝える
さて、いよいよ検査ラインです。
建屋に入る前にクルマの外観や車台番号、エンジン番号の確認、警告灯の点灯などが確認されます。警告灯はイグニッションオンで点灯、エンジン始動で消灯することを確認します。
また、ワイパーとウインドウウォッシャーの作動も確認されます。ライト類やウインカーなどは、点灯するすべてが正しく点灯することが求められます。使わないからといって、フォグランプが点灯しないのは不合格です。
建屋の外での確認が終わると建屋の中に入って、排ガス、光軸、サイドスリップ、下まわり、サスペンションなどの検査があります。初めてだと手順がうまくいかないかな、という心配もあるでしょうが、それは心配いりません。初心者であることを伝えれば、係の人がていねいにやり方を教えてくれます。
すべての検査に合格したら、合格のハンコをもらって、最初に受け付けをしたところに書類を提出して新しい車検証とステッカーをもらいます。
万が一、落ちたときは、そのまま「テスター屋さん」に行きましょう。どこが悪くて検査に合格しなかったか?は、書類に記載されています。「テスター屋さん」はそれを見て、悪い部分を調整してくれます。
「テスター屋さん」で対応できないときは、整備工場に行くなどのことも指示してくれます。調整は有料なので、ここでも現金が必要になりますが、「テスター屋さん」で可能な調整だと5000円程度までが平均的です。
落ちた場合でも、同日であればあと2回は受検可能なので、「テスター屋さん」を出たら、ふたたび列に並びましょう。外回りの検査はありませんが、書類と車台番号が合致しているかなどをチェックして、もう一度ラインに入ることになります。
(文・写真:諸星 陽一)
【関連リンク】
自動車検査インターネット予約システム
https://www.reserve.naltec.go.jp/web/ap-entry?slinky___page=forward:A1001_01
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