第3戦鈴鹿のGT300はStudie BMW M4がポールトゥウィン【SUPER GT 2022】

■序盤からFCYにSC…大波乱の灼熱鈴鹿

5月29日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで2022 AUTOBACS SUPER GT第3戦「たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE」の決勝レースが行われました。

序盤のトップ3
序盤のトップ3

14時40分のスタート時の気温は30度、路面温度は50度と、真夏を思わせる暑さとなった鈴鹿サーキット。

スターティンググリッドにつく前に行われる20分間のウォームアップ走行で、GT300クラスの20号車 シェイドレーシング GR86 GTがデグナーカーブでスピン、クラッシュ。シェイドレーシング GR86 GTは決勝レースの参戦を断念しています。

また、ガードレールの補修のためスタート時間が10分遅れ、午後2時40分に決勝レースのフォーメーションラップがスタートします。

本来はもっと時間のかかるガードレール補修でしたが、スターティンググリッドでのスタート進行の時間を含めての補修作業により、わずか10分の遅延でレースがスタート。鈴鹿サーキットのタイムマネージメントの素晴らしさには脱帽の思いです。

レーススタート
レーススタート

14時40分に2周のフォーメーションラップからレースがスタート。

ポールポジションの7号車 Studie BMW M4が素晴らしいスタートを決め、2番手に96号車 K-tunes RC F GT3、3番手には56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが続き、オープニングラップでの上位陣に変動はなく予選順位のままレースが始まっていきます。

ところが、2周目にGT500クラスのマシンが逆バンクでストップしたため、早くもFCY(フルコースイエロー/80km/h制限)となります。

スタートラップの第一コーナー
スタートラップの第一コーナー

レースは1周で再開されると、Studie BMW M4は少しずつ後続とのアドヴァンテージを広げて行きます。そこに続くK-tunes RC F GT3とリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは、超接近戦を繰り広げながらレースを進めていきます。

8周目に日立Astemoシケインで18号車 UPGARAGE NSX GT3がブレーキトラブルでコースアウト。またGT500のマシンがコースサイドに止まったため、今度はセーフティカー(SC)が導入。この時、予選17位スタートの52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTなどが一度ピットインして、給油を行う作戦を行います。

序盤のトップ3
序盤のトップ3

FCYと違ってSCランでは、それまで築き上げたマージンが帳消しになってしまいますが、Studie BMW M4はレース再開後も圧倒的なペースで、再び2番手以降との差を広げます。

そして21周目にStudie BMW M4はピットイン。荒聖治選手から近藤翼選手に交代。近藤選手は450kmフォーマットレースではCドライバー、そして300kmレースフォーマットではアウグスト・ファルフス選手の代役としての登録であるために、実はこの鈴鹿戦が今シーズン初のSUPER GT参戦となります。

リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのピットワーク
リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのピットワーク

この鈴鹿戦ではタイヤ交換義務がないために、ピットでの作戦は大きく異なります。

ピットでのマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号
ピットでのマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号

5号車 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号や埼玉トヨペットGB GR Supra GTが、GT300のJAF-GT規定やマザーシャシー規定の軽さを活かし、タイヤ無交換作戦に出て順位を上げてきます。

特に埼玉トヨペットGB GR Supra GTは、8周目のSCの時点で給油をしていたためにドライバー交代時のピットでは給油時間も短くなり、予選順位17位から実質3位のポジションまで上げてくることに成功しています。

●Studie BMW M4、チーム結成8年越しの初優勝

Studie BMW M4がピットアウトしたコースの背後には、先にピットを終えていたマッハ車検 エアバスター MC86マッハ号が迫ります。まだタイヤの温まっていないStudie BMW M4に対して、タイヤ無交換のマッハ車検 エアバスター MC86マッハ号。

ピット作業を終えた中でのトップと2番手というバトルで、Studie BMW M4の近藤選手は見事なブロックを見せて見事に持ちこたえてトップをキープしていきました。

Studie BMW M4のアウトラップで襲いかかるマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号
Studie BMW M4のアウトラップで襲いかかる マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号

その後、マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号は埼玉トヨペットGB GR Supra GTに抜かれ3番手に。さらに56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rと、88号車 Weibo Primez ランボルギーニ GT3が続きます。

リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-RとWeibo Primez ランボルギーニ GT3
リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-RとWeibo Primez ランボルギーニ GT3

しかしGT500クラスの40周目に、NISSINブレーキヘアピン手前で244号車 HACHI-ICHI GR Supra GTとGT500のマシンが接触。HACHI-ICHI GR Supra GTはタイヤが外れるなどして両車ともコース脇に止まったために、このレースで2度目のSCが導入されました。

HACHI-ICHI GR Supra GTのピットワーク
HACHI-ICHI GR Supra GTのピットワーク

このときトップのStudie BMW M4は、2番手の52号車に7秒以上のアドヴァンテージがありましたが、このSCでまたもや帳消しとなってしまいます。しかし、レース再開でStudie BMW M4は、かなりの速さを見せて2番手以降を引き離していきます。

2度目のSC解除、レース再開でコースアウトした埼玉トヨペットGB GR Supra GT
2度目のSC解除、レース再開でのStudie BMW M4とコースアウトした埼玉トヨペットGB GR Supra GT

その2番手の埼玉トヨペットGB GR Supra GTは、レース再開の時の日立Astemoシケインでコースアウト。これで2番手はマッハ車検 エアバスター MC86マッハ号とリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが超接近戦で争うことになります。

Studie BMW M4優勝の瞬間
Studie BMW M4優勝の瞬間

後続の接戦を後目に、Studie BMW M4がパーフェクトなレース運びでチェッカーを受け、見事なポール・トゥ・ウインとなります。

今季デビューのBMW M4 GT3にとっては初優勝となり、またBMW Team Studie × CSLにとってはチーム結成以来8年超しの初優勝となりました。さらに荒選手は2009年のGT500クラスでの優勝以来の、そしてGT300クラスでは初の優勝となりました。

2位と3位は僅差
2位と3位は僅差

2位はマッハ車検 エアバスター MC86マッハ号、3位はリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rとなります。

終盤の2番手争い
終盤の2番手争い

マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号の平木玲次選手は、リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの大ベテラン、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手の猛プッシュを見事に押さえ切っての2位となります。

リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは開幕戦岡山以来の表彰台となり、ランキングトップの座を守り切りました。

GT300の表彰式
GT300の表彰式

ピーク時の気温が34度と、5月とは思えない暑さが呼んだアクシデントの数々が特徴的な鈴鹿戦でしたが、次戦は8月6日(土)、7日(日)に富士スピードウェイでの450kmレースとなります。

猛暑が予想されるうえでのロングディスタンスはどんなレース展開を見せるのか? ワクワクが止まりません。

【SUPER GT2022 第3戦 鈴鹿 GT300 決勝結果】

順位 ゼッケン 周回数 車名 ドライバー
優勝 7 49周 Studie BMW M4 荒 聖治 近藤 翼
2位 5 49周 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林勇佑 平木玲次
3位 56 49周 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗 J.P.デ・オリベイラ
4位 52 49周 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 川合孝汰 菅波冬悟
5位 88 49周 Weibo Primez ランボルギーニ GT3 小暮卓史 元嶋佑弥
6位 34 48周 BUSOU raffinee GT-R NISSAN GT-R NISMO GT3 柳田真孝 井出有治
7位 96 48周 K-tunes RC F GT3 新田守男 高木真一
8位 30 48周 apr GR86 GT 永井宏明 織戸 学
9位 60 48周 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹 河野駿佑
10位 55 48周 ARTA NSX GT3 武藤英紀 木村偉織
11位 4 48周 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝 片岡龍也
12位 61 48周 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人 山内英輝
13位 65 48周 LEON PYRAMID AMG 蒲生尚弥 篠原拓朗
14位 2 48周 muta Racing GR86 GT 加藤寛規 堤 優威
15位 10 48周 TANAX GAINER GT-R 富田竜一郎 大草りき
16位 87 48周 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦孝亮 坂口夏月
17位 9 48周 PACIFIC hololive NAC Ferrari 木村武史 ケイ・コッツォリーノ
18位 6 48周 Team LeMans Audi R8 LMS 片山義章 R.メルヒ・ムンタン
19位 360 47周 RUNUP RIVAUX GT-R 青木孝行 柴田優作
20位 50 47周 Arnage MC86 加納政樹 阪口良平
21位 48 47周 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田太陽 田中優暉
22位 244 35周 HACHI-ICHI GR Supra GT 佐藤公哉 三宅淳詞
23位 31 34周 apr GR SPORT PRIUS GT 嵯峨宏紀 中山友貴
リタイア 11 33周 GAINER TANAX GT-R 安田裕信 石川京侍
リタイア 25 22周 HOPPY Schatz GR Supra 松井孝允 野中誠太
リタイア 18  8周 UPGARAGE NSX GT3 小林崇志 太田格之進
リタイア 20 出走せず シェイドレーシング GR86 GT 平中克幸 清水英志郎

(写真:吉見 幸夫/文:松永 和浩

この記事の著者

松永 和浩

松永 和浩 近影
1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。