世界最大の自動車メーカーGMが経営破綻【今日は何の日?5月31日】

■世界一を誇ったGMも、時代の流れに対応できずに経営破綻

2009年(平成21)年5月31日、GM(ゼネラルモーターズ)が米連邦破産法(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、経営破綻しました。

●1901年に創業したGMは、1931年に世界一の自動車メーカーに

GMの創業者ウィリアム・C・デュラント (C)Creative Commons
GMの創業者ウィリアム・C・デュラント (C)Creative Commons

GMは、ビュイックの経営者ウィリアム・C・デュラントが1908年に設立。キャデラックポンティアックシボレーなどを次々と傘下に収め、企業規模を拡大していきます。先に成功を収めたフォードに対抗するため、傘下のブランドをフル活用して、富裕層から低所得者層までをカバーする強力なラインナップを揃えました。1911年に金融会社GMACを設立すると、そのオートローンが潜在顧客を開拓し、販売台数を飛躍的に向上。さらに1931年にオペルを完全子会社にすることで、遂に販売台数でフォードを抜き世界第一位になりました。その後2007年までの77年間世界第一位の座を守り通し、トヨタとも熾烈な首位争いを繰り広げました。

●多くのブランドをもつGMの代表的なモデル

キャデラック・プレジデンシャル・リムジン(アメリカ大統領専用車仕様) (C)Creative Commons
キャデラック・プレジデンシャル・リムジン(アメリカ大統領専用車仕様) (C)Creative Commons

キャデラックやシボレー、ビュイック、ポンテアックなど、数多くのブランドから成り立っているGMだけに、多くの名車を生み出しています。ほんの一例をあげてみましょう。

・往年のモデル
メッキグリルや巨大なテールフィンを採用した「キャデラック・シリーズ59」、「シボレー・コルベット」、「シボレー・カマロ」、「ビュイック・ロードマスター」、爽快な走りが堪能できる「ポンティアックGTO」、カマロの姉妹車「ポンティアック・ファイヤーバード」

・1970年以降の代表的なモデル
オイルショックによって小型化した「キャデラック・セビル」、スポーツクーペの「ポンティアック・フィエロ」、小型車「サターン」、「サターン・アイオン」、大型SUV「ハマーH1」

●小型化、低燃費に後れを取って首位陥落

シボレー・サバーバン (C)Creative Commons
シボレー・サバーバン (C)Creative Commons

21世紀に入ってからは、世界的な市場の低燃費、小型車志向などに後れを取って、日本メーカーや欧州メーカーにその座を奪われてしまいます。収益が激減し、2009年に経営破綻に追い込まれたのです。かつては、米国ビッグ3と呼ばれたGM、フォードクライスラーですが、現在はいずれもその輝きは消失しました。GMは日本メーカーとの関りも強く、いすゞやスズキ、富士重工に出資した時期もありましたが、いずれも経営不振のときに関係を解消しています。

GMは経営破綻の末、一時的に国有化されますが、2013年に国有化を解消。しかし、その後も大規模なリコールが発生するなどして、不安定な状態が続きました。ただしこの数年の米国市場の好況と、メアリー・バーラCEOの「選択と集中」路線が奏功して、2019年には黒字を達成。やっと再生の道筋が見えてきたようですね。


企業が巨大化することで手を広げすぎ、制御不能になって失敗するケースはよくありますよね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン

Mr. ソラン 近影
某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きなクルマで、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。