■ホンダ独自のテクノロジーシンボルとなるスペシャルティとフラッグシップ
ホンダが四輪電動ビジネスについてメディア向け説明会を行いました。すでに2050年カーボンニュートラルに向けて、様々なアプローチをしているホンダですが、グローバルでは2030年時点で30機種のEVを展開、年間200万台(販売台数の4割程度)を目指しているということが、明確な目標として発表されています。
その中で、日本においては2024年めどで軽商用EVを100万円台でリリースするという具体的な発表もありました。
注目したいのは電動スポーツカーの投入宣言です。ホンダの発表をそのまま引用すると、次のような力強い文言が並んでいます。
カーボンニュートラルや電動化に挑む中でも、常にFUNもお客様に届けていきたいという想いから、操る喜びを電動化時代にも継承し、Honda不変のスポーツマインドや、際立つ個性を体現するようなスペシャリティとフラッグシップ、2つのスポーツモデルを、グローバルへ投入していきます。
●電動スポーツカーのパワーソースは不明だが……
公開されたのは1枚の画像のみで、そこにはヴェールを被った2台のスポーツカーが並んでいます。
どちらがスペシャリティで、どちらがフラッグシップなのかといった情報はありませんが、いずれも2020年代半ばの発売を予定しているということですから、すでに試作車は走っているタイミングといえますし、このシルエットについても量産モデルにつながるものだと予想できます。
おそらくクーペ的なシルエットの向かって左側にあるモデルがスペシャリティ、右側の明らかにNSXを思わせるシルエットのモデルは「ホンダのスポーツフラッグシップ」といえるでしょう。
とくに気になるのは右側のシルエットにおいて、前後タイヤに青緑の表現が加わっていることで、これは電動の四輪駆動を想像させます。2代目NSXが実現したSH-AWDのさらに上を行く四輪制御を四輪独立駆動モーターで実現すれば、それはたしかに電動化時代におけるホンダのスポーツフラッグシップとなること間違いありません。
すでにNSXのカウルを被った四輪独立モーターのレーシングカー(試作車)をパイクスピークで走らせたこともあるホンダですから、そうしたテクノロジーへのリサーチは行われていますし、十分に知見が溜まっていることも期待できます。
また、説明会において2台の電動スポーツカーについてのパワーソースは明確にされませんでした。もしかすると水素燃料電池を採用することで、ホンダ独自の技術ショーケースとしての役割を担うことになるのかもしれません。