AT小型限定免許で乗れる!ホンダ・ダックスが125モデルで復活。同じ価格のモンキーとは何が違う?

■原付のダックスが原付二種になって帰ってきた!

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エンジンは123ccの空冷単気筒、自動遠心クラッチのためAT小型限定免許で運転できる

大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたホンダ「ダックス125」の市販が発表されました。

発売日は2022年7月21日(木)、メーカー希望小売価格は44万円(消費税込)、ボディカラーはパールネビュラレッドとパールカデットグレーの2色というのが日本仕様の正式情報です。

ご存知の方も多いように、ダックスというのはダックスフントに由来するネーミングのレジャーバイクで、1969年に誕生した原付モデルが最初です。1981年まで製造は続き、生産の止まっていた時期もありましたが、1995年に原付のまま復活するなど根強い人気を誇るモデルです。

そんなダックスは、車名に125の数字が入っていることからも想像できるように、原付二種バイクとなって帰ってきました。外観イメージは初代のそれを色濃く残していますが、エンジンやタイヤが大きくなったことで、実際に跨るとひと回りもふた回りも大きく感じることでしょう。

その意味では、2018年に125ccクラスの原付二種モデルとして復活したホンダ・モンキーと成り立ちが似ているレジャーバイクといえます。

●リバイバル系のモンキーとは兄弟車のように見える?

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一足早く2018年にリバイバルしていたのがモンキー。変速機がクラッチ付き5速MTで、タンデム不可のシートとなっている。メーカー希望小売価格は44万円(消費税込)

すでに定番となっているモンキー125も、かつては50cc級の原付モデルを中心としていましたが、現在は原付二種として生まれ変わったファンモデルになっています。

こちらもメーカー希望小売価格は44万円(消費税込)とダックス125と同じです。ホンダのマーケティングとして、こうしたリバイバル系の原付二種モデルは本体40万円がユーザーニーズを満たす価格設定ということなのでしょうか。いずれも製造がタイとなっているのも共通です。

同じ123ccの空冷単気筒エンジンを積むモデルですから、モンキーとダックスは同じような乗り味の兄弟車と思うかもしれませんが、おそらくまったく違う乗り物といえます。

もっとも大きな違いは、モンキー125はクラッチレバーを備えた5速MTなのに対して、ダックス125はクラッチ操作が不要な4速トランスミッションとなっていることです。ダックス125でも変速操作は必要なので機械に任せっぱなしというわけにはいきませんが、クラッチレバーがついていませんからスーパーカブと同じくAT小型限定普通二輪免許で運転することができるわけです。

また、モンキー125はタンデムステップがなく、一人乗り専用となっていますが、ダックス125はシートサイズにも余裕があり、二人乗りが可能となっています。この部分はかなり大きな違いといえるのではないでしょうか。

なお、車両重量はダックス125が107kgで、モンキー125は104kg。シート高はダックス125が775mm、モンキー125は776mmですから、スペック上の扱いやすさは、ほとんど同じレベルといえそうです。

●AT小型限定の二輪免許は最短2日で取得できる

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新生ダックス125のメーカー希望小売価格は44万円(消費税込)。ボディカラーはパールネビュラレッドとパールカデットグレーの2色

いずれにしても、AT扱いとなることがユーザー目線でのダックス125最大の特徴です。

原付二種バイクのATモデルを運転する手段として、もっとも手軽なのは125cc以下のクラッチ操作不要なバイクに乗れる資格、つまりAT小型限定普通二輪免許を取得することです。

普通四輪免許を持っている場合、自動車学校(教習所)でAT小型限定普通二輪免許を取得するために必要な教習内容は学科1時限・技能8時限となっていて、最短2日・予算は10万円程度で取得することができます。そうした最短で取得できる専用コースは、多くの自動車学校で用意されています。

ただし、コロナ禍におけるバイクブームもあって、どこの自動車学校でもすぐに枠が埋まってしまう人気コースとなっているようですが…。

原付二種バイクの場合は四輪の任意保険に「ファミリーバイク特約」をつけることで対人・対物事故などの補償も対応できますから、四輪オーナーがセカンドカー的に所有するときの維持費的なハードルが低いのも魅力です。

7月発売だからといって悠長にしていると、納期がどんどん伸びていくのが最近のバイク事情です。原付二種に生まれ変わったダックス125が気になるならば即断即決が重要!ということも肝に銘じておきたいところでしょう。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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