悩ましくも楽しいホワイトデー/日本人インディレーサーの草分けヒロ松下生まれる/ホンダ・シティに燃費重視のEIIIが追加!【今日は何の日?3月14日】

■バレンタインデーのお返しをする「ホワイトデー」

今日3月14日は、男性には頭の痛い(?)「ホワイトデー」です。一般的にはキャンディやマシュマロなどのお菓子のお返しでいいようですが、彼女や奥さんはお菓子では納得してもらえないのでは……。いったい何倍返しすれば済むのでしょうか(笑)。

さて、3月14日に生まれたのは、女優の黒木華と栗原小巻、タレントの山口智充、サッカーの松田直樹、レーシングドライバーのヒロ松下、武将の毛利元就、物理学者のアルベルト・アインシュタインなどです。本日紹介するのは、インディ500参戦のパイオニア・ヒロ松下です。

●日本人で初めてインディ500に挑戦したヒロ松下が誕生

ヒロ松下(2000年) (C)Creative Commons
ヒロ松下(2000年) (C)Creative Commons

ヒロ松下(本名、松下弘幸)は、パナソニック創業者の松下幸之助の孫として1961(昭和36)年3月14日兵庫県西宮市に生まれました。甲南中学、高校、大学へ通いながら、15歳でモトクロス、18歳でラリーを始めます。1980年には19歳で近畿地区ダートラチャンピオンになり、全日本ラリーにも参戦しました。

レース中のヒロ松下(1991年) (C)Creative Commons
レース中のヒロ松下(1991年) (C)Creative Commons

1986年、25歳のときに渡米を決行。フォーミュラーフォード地方選手権に参戦し、1989年にはフォーミュラ・アトランティックシリーズチャンピオンに輝きます。1990年には日本人として初めてCARTドライバーとなり、1991年にはインディ500に参戦を果たします。インディ500での最高位は10位、CARTシリーズでは最高位6位と善戦し、1998年にCARTを引退後、1999年にはル・マン24にも挑戦しました。

引退後はレースカーのエンジニアリング会社スウィフト・レースカーズを買収して、スウィフト・エンジニアリングと改称、自動車に加えて宇宙工学の分野に進出します。現在、新型の多機能ドローンなどを開発して、市場への展開を計画しています。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●ホンダの初代シティ(トールボーイ)に低燃費仕様のシティEIIIが登場!

1985(昭和60)年3月14日、初代のホンダシティ」に量産車初のF.R.M.(繊維強化金属)コンロッドを採用したシティEIIIが登場しました。F.R.Mは金属を基材に繊維で強化した複合材料のことで、強度や耐熱性に優れ、結果として軽量コンパクト化ができる優れた部材です。

1985年に登場したシティ EIII
1985年に登場したシティ EIII
シティ EIIIの後ろ外観
シティ EIIIの後ろ外観

ホンダ・シティは1981年にデビューし、“トールボーイ”と呼ばれた独特の背高ノッポスタイルで、若者を中心に大ヒットしました。発売後もターボやインタークーラーターボ仕様、カブリオレなどを次々と追加設定して商品力の強化を図ります。

背の高いボクシーなスタイリングでトールボーイと呼ばれた初代シティ
背の高いボクシーなスタイリングでトールボーイと呼ばれた初代シティ

そして低燃費をアピールするために登場したのが、シティEIIIです。F.R.M.のコンロッドと、混合気を最適な空燃比に制御するL.L.R(リーン・リーン・リッチ)システムによって、1.2Lクラストップの燃費を実現。L.L.Rとは、低負荷時にはリーン(薄い)混合気に、中・高負荷では徐々にリッチ(濃い)混合気にきめ細かく制御する手法です。その他にも、非対称フロントグリルや、可倒式ドアミラーを採用するなど、静粛性や乗心地の向上も図られていました。

初代シティは次から次へと商品力を強化して多くのファンの心をわしづかみした大ヒットモデルでした。ところが1986年にモデルチェンジした2代目はロー&ワイドのオーソドックスなスタイルに変貌してから販売面では大失速。モデルチェンジで失敗した典型的なモデルとなってしまいます。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
続きを見る
閉じる