日本初の戸籍調査/レース界のレジェンド高橋国光生まれる/カール・ベンツがガソリン自動車の特許取得!【今日は何の日?1月29日】

■初めて日本の人口を調査

1872(明治5)年1月29日、日本で初めて戸籍調査が行われました。当時の人口は3311万796人でした。2021年12月1日時点の人口は約1億2547万人なので、現在の約1/4です。日本の人口は2010年頃から緩い減少傾向を示しており、2055年には1億人を切るそうです。

さて、1月29日に生まれたのは、宇宙飛行士の毛利衛、レーシングドライバーの中嶋大祐と高橋国光、米国女優のキャサリン・ロス、細菌学者の北里柴三郎、作家のチェーホフなどです。本日紹介するのは、高橋国光です。

●日本人初の世界GP優勝、生ける伝説と呼ばれる高橋国光が誕生

1961年の西ドイツGPでのRC162を駆ける高橋国光選手
1961年の西ドイツGPでのRC162を駆ける高橋国光選手

高橋国光は、1940(昭和15)年1月29日に東京の小金井市で生まれました。1958年に18歳で2輪レースにデビュー、全日本クラブマンレースで優勝し、浅間山火山レースで2位となります。わずか2年後の1960年にホンダのワークスライダーとなり、世界GPに参戦開始。翌年1961年、21歳の時に西ドイツGPの250ccクラスで日本人として初めて優勝を果たします。以来連戦連勝で驚異的な強さを発揮しますが、1963年のマン島TTレース中に転倒、意識不明となるアクシデントに見舞われます。

250cc直2 DOHCエンジン搭載のレースマシンRC162
250cc直2 DOHCエンジン搭載のレースマシンRC162

これを機に1964年に4輪に転向し、日産のワークスチームでR380やスカイライン2000GT-Rを駆って国内ツーリングカーレースで活躍します。さらに国内だけでなく、1977年にはF1日本GPにスポット参戦、1995年にはル・マン24時間レースでホンダNSXを駆ってGT2クラス優勝を飾るなど、4輪でもトップドライバーとして君臨し続けます。1999年に引退し、80歳を過ぎた現在も「TEAM KUNIMITSU」の総監督して、スーパーGTに挑戦中。2輪と4輪の世界の舞台で輝かしい記録を残す、誰もが認める日本レース界のレジェンドです。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●今から136年前、カール・ベンツがガソリン自動車の特許取得!

1885(明治18)年に、ドイツ人のカール・ベンツがガソリンエンジンで走る3輪自動車「モトールヴァーゲン」を完成させました。その翌年1886年の1月29日は、この3輪自動車の特許が認められたことから、ガソリン自動車が誕生した記念日とも言われています。

カール・ベンツ(1900年撮影の写真をカラー化)(C)Creative Commons
カール・ベンツ(1900年撮影の写真をカラー化)(C)Creative Commons
1885年に製造されたモトールヴァーゲンの複製(C)Creative Commons
1885年に製造されたモトールヴァーゲンの複製(C)Creative Commons

いっぽう、同時期にベンツから100km程度しか離れていない場所で、ゴットリーブ・ダイムラーもガソリン自動車を造っていました。1885年にガソリンエンジンを取り付けた二輪車の特許を取得し、これが世界初のオートバイとされています。また、馬車にエンジンを搭載した4輪自動車を1886年の冬に完成させています。

ゴットリープ・ダイムラーが1885年に製作した自動二輪(C)Creative Commons
ゴットリープ・ダイムラーが1885年に製作した自動二輪(C)Creative Commons
ゴットリープ・ダイムラー(C)Creative Commons
ゴットリープ・ダイムラー(C)Creative Commons

2輪車の発明はダイムラー、3輪自動車はベンツ、4輪自動車はダイムラーということになりますが、一般的には自動車の発明は、カール・ベンツと言われることが多く、ベンツとダイムラーの2人であると言われることもあります。さらに自動車が発明されたのは、モトールヴァーゲンの特許が認められた1886年とするのが一般的ですが、3輪車が完成した1885年とする場合もあるようです。

誰が発明者か、いつ発明されたかは、定義によっていろんな受け止め方があり得るので、難しいですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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