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■ロードサービス出動で最多がバッテリー上がり
冬はバッテリーが上がりやすい季節です。
久しぶりにクルマで出かけようとしたときに、いざエンジンをかけようとしたらセルモーターが回らない…なんてことがあったら大変! せっかくのお出かけができなくなってしまうこともあります。
そこで、ここでは冬に多いバッテリー上がりの対処法をご紹介しましょう。
●寒い早朝に出発する時は特に注意
JAFによると、ロードサービスの出動理由で最も多いのが「バッテリー上がり」だといいます。
たとえば、2020年度の全出動数211万7485件のうち、バッテリー上がりは88万2740件(41.69%)で第1位。2位「タイヤのパンク」(38万2439件・18.06%)、3位「落輪・落ち込み」(14万3902件・6.80%)と比べても、かなり数が多いことが分かります。また、この傾向はここ数年ほぼ同じで、バッテリー上がりが常に1位を占めています。
では、なぜ冬にバッテリー上がりが多いのでしょう。これは、主にバッテリー液の温度が下がって充電効率が下がることや、冬場にエアコンなどで電力使用量が増えることが挙げられます。
特に、冷え込んで、気温が大きく下がった早朝や深夜などに出発する時には、前日など事前にバッテリーの確認をしておきたいもの。当日にエンジンが掛からないことが分かり、慌ててJAFを呼ぶことになると、すぐに救援に来てもらえない場合もあるので、クルマの外出ができなくなってしまうこともあるからです。
●キーレスでドアが開くか調べる
バッテリー上がりは、まずエンジンがかかるか否かの前に、キーレスでドアが開くかどうかも判断基準として重要です。
最近のクルマの多くは、スマートキーやリモコンキーを使い、ドアの施錠や解錠を遠隔操作やドアノブのタッチ操作で行なうことができますが、バッテリー内の電気がなければ解錠すらできません。
キーレスが反応しなくても、リモコンキーに付いているカギを差し込めばドアは開けられますが、もしバッテリーが上がっていれば、メーター類も真っ暗だったりしますから、その場合はかなり放電が進んでいると考えていいでしょう。
●対処法にはジャンプスタートもある
バッテリーが上がってしまっていた場合は、一般的なガソリンエンジン車の場合は、JAFなどのロードサービスを呼ぶか、ジャンプスタートを行うなどの対処法があります。
ジャンプスタートは、ブースターケーブルで他のクルマと自分のクルマのバッテリーを繋ぎ、電気を分けてもらう方法です。最近はブースターケーブルを搭載しているクルマは減りましたが、持っていれば、たとえば出先などでも、救援してくれるクルマさえ見つかれば助かる可能性があります。
予め、カー用品店などで購入しておくことをおすすめします。
なお、ジャンプスタートの方法は以下の通りです。
1. 車両のエンジンをオフに(キーもオフ位置)
2. バッテリーが上がったクルマのバッテリー「プラス端子」に赤いケーブルを接続
3. 救援車両のバッテリー「プラス端子」に赤いケーブルを接続
4. 救援車両のバッテリー「マイナス端子」に黒いケーブルを接続
5. バッテリーが上がったクルマの金属部分に黒いケーブルを接続
6. 救援車両のエンジン始動
7. バッテリーが上がったクルマのエンジン始動(エンジンがかからない場合は救援車両のエンジン回転をやや上げたまま少々時間を置く)
8. エンジンがかかったら、接続と逆の手順でケーブルを外す
なお、これはガソリンエンジン車の場合で、ハイブリッドやEV、FCVなどは除きます。また、バッテリーが上がったクルマのエンジンが掛かったら、そのまま2時間程度はエンジンを切らずに走行して充電しましょう。
また、一度上がったバッテリーは消耗している可能性が高いので、カーディーラーやガソリンスタンドなどで点検してもらい、寿命がきていたら早めに交換しましょう。
●オルタネーターも故障の原因になる
バッテリー上がりの原因には、走行中にバッテリーへ電気を充電するオルタネーターの故障も考えられます。もし、オルタネーターが故障している場合は、バッテリーを新品にしても再び上がってしまいます。
オルタネーターも、カーディーラーなどで点検してもらうことができますが、市販の測定器でも、バッテリーだけでなくオルタネーターの充電量も診断できる機能が付いているものもあります。そういったタイプなら、手軽に自分でチェックすることができるので1台あると便利。
測定器の価格は機能などによりピンキリですが、ネット通販では1000円前後で購入できるものもあります。
新型コロナの影響で、移動を避けている人もいるでしょう。そんな方が長い間クルマに乗っていない場合は、特にバッテリーなど愛車の状態には注意が必要です。
気持ちよくクルマで遠出できる日のためにも、バッテリーをはじめ、定期的に愛車の点検をしておくことをおすすめします。
(文:平塚 直樹)
この記事は2022年1月28日に再編集しました。
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