日本初の観光バス運行/ジェミニ6-A号打ち上げ/トヨタの燃料電池車ミライ発売!【今日は何の日?12月15日】

■観光バスの記念日。2基の有人衛星ジェミニが初のランデブー

現在のはとバス
現在のはとバス

12月15日は、「観光バス記念日」です。1925(大正14)年12月15日に、東京乗合自動車によって日本初の定期観光バス「ユーランバス」の運行が始まったことに由来します。運行ルートは、皇居前から銀座経由で、上野へと向かうルートでした。当時は、まだ馬車や人力車が主流だったので、それほど評判になりませんでしたが、徐々に評判が広まり、観光バスとして人気が高まっていきました。その後、一時的に経営不振に陥った時に、新日本観光株式会社(現、株式会社はとバス)に譲渡され、人気の観光バスとして第二次世界大戦が始まるまで運行されました。

宇宙船のイメージ
宇宙船のイメージ

また1965(昭和40)年のこの日に打ち上げられた米国の有人宇宙船「ジェミニ6-A号」と、12月4日に打ち上げられたジェミニ7号が太平洋上の宇宙空間で合流し、人類初のランデブー飛行(接近飛行)に成功。人工衛星が目指すドッキングの前段階の技術として、世界的に注目されました。これが起源かどうかわかりませんが、当時は男女が待ち合せたり、デートすることをランデブーと呼んでいたそうです。そういえば聞いたことがありますが、今は死後ですね(笑)。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●トヨタが世界初の量産型燃料電池車ミライを発売!

2014(平成26)年のこの日、トヨタが世界初となる量産型の燃料電池車「ミライ(MIRAI)」の発売を始め、世界的に大きな注目を集めました。トヨタは、2002年に市販モデルとして「FCHV」を発売。しかし、この時は官公庁などにリース販売するにとどまり、一般には販売されませんでした。

2014年に発売されたミライ。FCVとして近未来性をアピールするデザイン
2014年に発売されたミライ。FCVとして近未来性をアピールするデザイン
ミライの後ろ外観。力強く安定感のあるボリューミーなリアスタイル
ミライの後ろ外観。力強く安定感のあるボリューミーなリアスタイル

ミライのスタイリングは、FCVであることをアピールするように近未来的なデザインを採用。フロントからサイドにかけて組み込まれたLED灯のヘッドライトと、左右の大きなグリルが特徴的でした。左右のグリルは、水素と反応する空気を取り込みながら、システムを冷却するという重要な役目を担っています。

心臓部のFCスタックは、自社開発の固体高分子型で最高出力は155PS、モーターは最高出力154PSで最高速度は170km/h。水素は、容量61.2L(圧力70MPa)の水素ボンベを2基搭載し、航続距離は650kmを実現しました。また次世代車にふさわしく、「プリクラッシュセーフティーシステム」を標準装備して、衝突回避、被害軽減、ブラインドモニター、車線逸脱警報など、安全装備も充実しています。

2020年に登場した2代目ミライ。初代よりも、シャープでスマートなスタイリング
2020年に登場した2代目ミライ。初代よりも、シャープでスマートなスタイリング

20年ほど前は、1台に1億円かかると言われたFCVですが、ミライは性能を大幅に改善しつつ、販売価格を723.6万円(優遇税制で実質は500万円程度)まで下げました。しかし、水素スタンドの普及が進まないこともあり、まだ販売台数は限定的なのが実状です。

また現在は、ホンダ日産がFCVの市販化中断を宣言していることから、注目度もやや下降気味です。停滞しているFCVの普及のためには、FCV技術、あるいは水素インフラのブレークスルーが必要ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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