眩しくて迷惑?「リアフォグランプ」間違ったで違法行為にも!正しい使い方とメリットとは?

■リアフォグランプ使用のルールとは

●リアフォグランプは何のためにある?

視界不良の際に、自車の存在を周囲に知らせることができるフォグランプ。

霧の中の運転イメージ
フォグランプとは、その名の通り「fog」、つまり霧などによる視界不良の際、視認性を高めるために使用するものです

本来、安全のために取り付けられているものですが、インターネットやSNS上では「リアフォグ 眩しい」「リアフォグ 煽り」などといった、批判的なキーワードが目立っています。周囲のクルマに迷惑をかけないためにも、正しい使い方を覚えておきたいところです。

そもそも、フォグランプとは、その名の通り「fog(フォグ)」、つまり霧などによる視界不良の際、視認性を高めるために使用するものです。リアフォグランプとは、そうした条件下において後続車に自車の存在を知らせるためのもので、正式名称を「後部霧灯」といいます。

国産車においては、山や峠道の走行が想定されるSUVなどに装備されていることが多く、そのほか寒冷地仕様車には重要な装備となっているようです。

設置基準については、道路運送車両法の保安基準により「照射光線は、他の交通を妨げないもの」「光源35W以下、照明部の大きさ140平方センチメートル以下」「数は2個以下」「灯火は赤色であること」などが決められています。

●点灯すべきは「霧等により視界が制限されている場合」

なお、正しいリアフォグランプの使用については、道路運送車両の保安基準の第37条の2に以下の記載があります。

「後部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の後方にある他の交通からの視認性を向上させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」

つまり、リアフォグランプは霧や吹雪といった悪天候時など、視界不良の場合に点灯するのが正しい使用方法といえます。普段多用することが無いだけに、うっかりルールを忘れてしまいがちですが、「迷惑」や「煽り」などと言われないためにも、正しく使用しないといけません。

●不必要な点灯は後続車への迷惑行為?

ライトスイッチ
リアフォグランプは視界不良の際に身の危険を守ってくれる安全のための装備ですが、無闇に点灯するのは逆に危険です

前述したように、リアフォグランプは視界不良の際に身の危険を守ってくれる安全のための装備ですが、無闇に点灯するのは逆に危険です。

実際、霧や吹雪の際に安全のために使うライトを視界良好の晴天夜間に点灯していれば、「眩しい」し、後続車のドライバーに対しても迷惑です。また、もし自車のリアフォグランプが、後続車両の視界を遮って、後続車が事故を起こした場合などは責任を問われる可能性もあります。

意図していなくても、ドライブレコーダーの映像が証拠となってしまう場合もあるので、不必要な点灯はやめなければいけません。

また、近年厳罰化されている「あおり運転」にも気をつけなければいけません。もし、不必要なリアフォグランプ点灯が故意的であった場合、また故意的であると認められた場合は、あおり運転などに適用される「妨害運転罪」とみなされる可能性があります。

その場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、違反点数25点、運転免許の取消し(欠格期間2年。前歴や累積点数がある場合には最大5年)が科せられます。

霧の中の運転
もし、不必要なリアフォグランプ点灯が「故意的」であると認められた場合は、あおり運転などに適用される「妨害運転罪」とみなされる可能性があります

また、違反行為によって著しい交通の危険を生じさせた場合、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金、違反点数35点、運転免許の取消し(欠格期間3年。前歴や累積点数がある場合には最大10年)が科せられます。

一般的に妨害運転罪は、車間距離不保持などが含まれていますが、リアフォグランプでの嫌がらせの場合、車間距離を取っていても関係ないので、より注意が必要です。

このように、本来、安全装備であるはずのリアフォグランプも、使い方次第で自分や周囲のクルマを危険にさらしてしまうこともあるようです。もっとも、本来の使い方をしていればなんの問題もないでしょうが、後続車ドライバーの「目潰し」をしないためにも、今一度「思いやり」のある運転を心がけましょう。

梅村 ゆき

※2021年12月10日の記事を2022年11月24日に追記、再編集しました。