S-GT最終戦富士GT300、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが今季2勝目。2021チャンプはSUBARU BRZ R&D SPORT!【SUPER GT 2021】

■アクシデント連発のS-GT最終戦

11月28日(日)、静岡県の富士スピードウェイで2021 AUTOBACS SUPER GT最終戦「FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE」の決勝レースが行われました。予選日よりは暖かく気温13度、路面温度は23度となります。

スタートラップの様子
スタートラップの様子

ウォームアップ走行でマシントラブルが発生した50号車 ARNAGE AMG GT3は決勝のグリッドには並ぶことが出来ず、全27台での決勝レースとなりました。そんな27台が戦いに挑む決勝レースは午後1時に2周のフォーメーションラップからスタートします。

スタートラップの様子
スタートラップの様子

ホールショットはポールポジションの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。続く2番手には52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、3番手に60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTと、3台が接近戦でスタートラップを周回します。

3周目の最終PanasonicコーナーでGT500マシン4台が絡むアクシデントがありましたが、GT300クラスにはほとんど影響がなく、そのままレースが進んでいきます。

そんな中、ランキング2番手で予選17番手からスタートの56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは序盤から追い上げ、5周目には7台抜きでポイント圏内の10番手に浮上!

6周目のアクシデント
6周目のアクシデント

後方集団でも序盤から激しい戦いが展開し、6周目のダンロップコーナーで、14番手を走っていた87号車 グランシード ランボルギーニ GT3に7号車 Studie PLUS BMWが接触。Studie PLUS BMWがダンロップコーナーのエスケープゾーンで動けなくなったことで、早くもセーフティカー(SC)が導入されます。

GT300クラスの11周目でSC解除のリスタートとなります。この時、トップのSUBARU BRZ R&D SPORTの後方に、完全に差が詰まった状態でSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTと埼玉トヨペットGB GR Supra GTが迫ります。そして23周目のTGRコーナーでSYNTIUM LMcorsa GR Supraの河野駿佑選手がでSUBARU BRZ R&D SPORTをオーバーテイクしてトップに浮上!

序盤のトップ集団
序盤のトップ集団

タイヤ4本の交換が義務づけとなった今大会は、タイヤ無交換作戦などが出来ません。そこで、早めのピットインを行いその後のロングランで差をつけよう、もしくは差を詰めようとするチームが出てきます。特に2番手を走っていた埼玉トヨペットGB GR Supra GTは19周目に、6番手を走っていた4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGが26周にピットへ向かいます。

グッドスマイル 初音ミク AMGのピットの様子
グッドスマイル 初音ミク AMGのピットの様子

2番手を走っていた61号車は、27周でピットイン、井口卓人選手から山内英輝選手に交代し、またトップを走っていたSYNTIUM LMcorsa GR Supraは28周でピットに入ります。

星野一樹選手、SUPER GT最後のスティントを終えて
星野一樹選手、SUPER GT最後のスティントを終えて

また、この最終戦富士を最後にSUPER GTのドライバーを引退すると宣言していた星野一樹選手も、このルーティーンピットインでラストランを終え、マシンを降り立った際にグランドスタンドのファンに手を振ってこたえていました。

SUBARU BRZ R&D SPORTのピットの様子
SUBARU BRZ R&D SPORTのピットの様子

ほぼ全車がピットインを終えると、トップに立っていたのは埼玉トヨペットGB GR Supra GT。2番手にはSYNTIUM LMcorsa GR Supra、3番手に65号車 LEON PYRAMID AMG、4番手にグッドスマイル 初音ミク AMG、5番手に88号車 JLOC ランボルギーニ GT3が浮上。チャンピオンを狙うSUBARU BRZ R&D SPORTは6番手と、下位に沈んでしまうかに見えました。

●ARTA NSX GT3がアクシデント!形成が大きく変わった瞬間!

予選でSUBARU BRZ R&D SPORTにポールを奪われたカタチの、タイトル争いのライバルである55号車 ARTA NSX GT3が7番手、リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが8番手と、SUBARU BRZ R&D SPORTの背後に追い上げてきます。SUBARU BRZ R&D SPORTはグッドスマイル 初音ミク AMGと JLOC ランボルギーニ GT3に絶妙なブロックを食らい、前に出ることができません。

ARTA NSX GT3 ピットの様子
ARTA NSX GT3 ピットの様子

この状態で、SUBARU BRZ R&D SPORTの前に出ることが出来ればチャンピオンが手に入るということで、ARTA NSX GT3とリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが攻撃の手を緩めるはずがありません。

そしてGT500の51周目、GT300の47周目となるTGRコーナーで、SUBARU BRZ R&D SPORTに仕掛けたのはARTA NSX GT3の佐藤漣選手。インを刺してSUBARU BRZ R&D SPORTの前に出ようとしたもののブレーキングが間に合わず、前を行くGT500の1号車 STANLEY NSX-GTの右サイドに突っ込んでしまうというアクシデントが発生! これによりSTANLEY NSX-GTは緊急ピットインでGT500クラスのチャンピオン戦線から離脱、ARTA NSX GT3も完走扱いにはなるものの、46周でレースを終えてしまいます。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

このアクシデントでもフルコースイエローやSC導入などは無く、GT300の上位陣に変化はありませんでした。しかし、アクシデントはまだまだ続きます。

トップを走っていた埼玉トヨペットGB GR Supra GTがGT300の51周目にリアタイヤのパンクで緊急ピットイン。続けてJLOC ランボルギーニ GT3もパンクに見舞われ順位を下げてしまいます。

ここでトップはSYNTIUM LMcorsa GR Supra、2番手がLEON PYRAMID AMG、そして3番手にグッドスマイル 初音ミク AMGとなり、SUBARU BRZ R&D SPORTは4番手まで浮上。そしてグッドスマイル 初音ミク AMGを刺して3番手に登ります。

GT300表彰式
GT300表彰式

そしてチェッカー! 優勝はSYNTIUM LMcorsa GR Supraで今季2勝目。そしてSUBARU BRZ R&D SPORTは3位表彰台を獲得しシリーズチャンピオンを決めました。

3位でチャンピオン確定の時の井口選手
3位でチャンピオン確定の時の井口選手
パルクフェルメでのチャンピオンボード
パルクフェルメでのチャンピオンボード

2009年のSUPER GT第6戦鈴鹿1000km「インターナショナル ポッカ GT サマースペシャル」に初参戦したR&D SPORT LEGACY B4から数えて12年、念願のシリーズチャンピオンを獲得しました。

2021シーズン表彰式
2021シーズン表彰式

シリーズ2位はリアライズ 日産自動車大学校 GT-R、そしてシリーズ3位はこの最終戦富士で優勝し40ポイントとなったSYNTIUM LMcorsa GR Supra。

最後の最後まで何が起こるかわからないSUPER GT。2022シーズンは2022年4月16日(土)、17日(日)に岡山国際サーキットを皮切りに富士、鈴鹿、富士、鈴鹿、SUGO、オートポリス、そして11月5日(土)、6日(日)の最終戦ツインリンクもてぎの全8戦が予定されています。

まだコロナ禍の影響が残り海外戦の無い変則スケジュールとなりますが、それでもSUPER GTのドラマチックでスリリングなレースが楽しみで仕方ありません。

(写真:吉見 幸夫/文:松永 和浩

この記事の著者

松永 和浩

松永 和浩 近影
1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。