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■スバルのBEV(ソルテラ)が世界初公開
●駆動方式はFWDとAWDの2種類を用意
スバルが初めてグローバル展開するという電気自動車(BEV)として「ソルテラ」を初公開しました。以前から伝わっているように、トヨタと共同開発したSUVモデルです。
スバルらしさの象徴でもあるAWD(全輪駆動)についてはBEVとなっても欠かせませんが、ソルテラにはFWD(前輪駆動)も用意されています。
AWDであることがスバルのアイデンティティという見方もありますが、プロトタイプのスペックでいうと、AWDは車重が2020kg以上、一充電航続距離460km前後、FWDは車重1930kg以上で、一充電航続距離530km前後となっています。
BEVにおいてユーザーが気になる航続距離がこれだけ違うのであればFWDを用意するのもやむなしといえます。それはユーザーニーズに沿った判断ともいえそうです。
●FFではなくFWDと表現する妥当性
ところで気になるのは、前輪駆動のことを見慣れた「FF」と記さずに、あえて「FWD」と表記していることです。
ご存知のように、FFというのはフロントエンジン・フロントドライブの略称です。つまりエンジンを搭載していないBEVにおいてFFという表記を使うのは適切ではありません。そこで、フロント・ホイール・ドライブの略称である「FWD」を使っているのでしょう。
ちなみに後輪駆動については、リヤ・ホイール・ドライブの略称から「RWD」と記します。電動化時代においてFF、FRという表記は徐々に見る機会が減っていき、FWD、RWD、AWDというアルファベットで駆動方式を示すことが当たり前になっていくでしょう。
●エンジンにあたるのはバッテリーと捉えるべし
ちなみに、スバル・ソルテラにおいてFWDは1モーター、AWDは2モーターになります。
モーター=エンジンと捉えているとAWDは倍の出力を実現していると考えてしまうかもしれませんが、現時点で公表されているスペックを見るとそうではありません。
ソルテラのシステム最高出力は、FWDで150kW、AWDで160kWとなっています。なぜ、モーターが2つあってもに出力が倍に増えないのでしょうか。
一般論でいえば、BEVの最高出力を決めるのはバッテリーだからです。バッテリーが持っている出力性能が車両としてのシステム最高出力を決めてしまいます。
モーターというのはエンジン車でいえばトランスミッションに近い存在で、エンジンに相当するのはバッテリーと捉えるべきでしょう。その意味でも、BEVに限らず燃料電池車なども含めた電動車両においてはFWD、RWDといった表記を使うのは妥当といえます。
クルマの電動化がものすごい勢いで進んでいる今、「FF」「FR」といった言葉が死語扱いになってしまうのはそう遠くない話かもしれません。