カーボンニュートラルの実験場となっているスーパー耐久シリーズ。今度はバイオマスディーゼルでマツダが参戦!

■自動車工業会の記者会見?錚々たる顔ぶれが岡山国際サーキットに集結

11月13日、岡山国際サーキットで開催中のスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第6戦 スーパー耐久レースin岡山の中で行われたTOYOTA GAZOO RACINGの記者会見。

記者会見の様子
記者会見の様子

これまでROOKIE RACINGとして参戦する水素エンジンを搭載したカローラスポーツの開発経過や開発にあたっての協力体制を発表する場となっていたスーパー耐久シリーズでのTOYOTA GAZOO RACINGの記者会見でしたが、今回は趣きがかなり違います。

左からマツダ丸本社長、スバル中村社長、トヨタトヨタ社長、ヤマハ日高社長、カワサキ橋本社長
左からマツダ丸本社長、スバル中村社長、トヨタトヨタ社長、ヤマハ日高社長、カワサキ橋本社長

まず登壇のメンバーが違います。

前戦の鈴鹿での記者会見では水素を運ぶという面で水素の低温液化タンクなどを搭載した船舶によりオーストラリアから水素を運ぶという事業を行う川崎重工の橋本社長が登壇しましたが、その川崎重工は今回、バイクメーカーとしてのカワサキとして登場。

そして水素エンジンカローラの技術協力をするヤマハ発動機の日高祥博社長とともに、スズキ、ホンダをも巻き込んで水素エンジンのオートバイの研究開発を始める、という発表を行いました。

スバルの中村知美社長は、来年スバルが内燃機関によるカーボンニュートラルの研究開発のためにカーボンニュートラル燃料を使用した新型スバルBRZでスーパー耐久に参戦する、という発表を行いました。

トヨタ自動車 豊田章男社長
トヨタ自動車 豊田章男社長

「我々の敵は炭素であって内燃機関ではない」と明言するトヨタ自動車の豊田章男社長。水素エンジンカローラによる富士24時間レース参戦から半年で、自動車業界を完全に巻き込んでの電気自動車以外のカーボンニュートラルへの選択肢として水素やバイオマス燃料を発展させていこうとする目論見は功を奏したと言えそうです。

そのトヨタも新型GR86でカーボンニュートラル燃料を使用しての参戦をするという発表を行っています。

■マツダはバイオマスディーゼルでスーパー耐久最終戦岡山に参戦!

登壇した各社が来年以降の未来のお話をする中で、全く違う気合の入った発表をしたのがマツダです。

マツダ 丸本 明 社長
マツダ 丸本 明 社長

マツダの丸本 明 社長によると、今回のスーパー耐久最終戦であるこの岡山でバイオマスディーゼルを使用したデミオディーゼルでの参戦をする、と発表しました。

MAZDA SPIRIT RACING デミオ
MAZDA SPIRIT RACING デミオ

このプロジェクトのために新たに「MAZDA SPIRIT RACING」というチームを立ち上げ、今回の岡山戦で課題のあぶり出しを行い、2022シーズンでフル参戦をしていくとのことです。

株式会社ユーグレナ 出雲 充 社長
株式会社ユーグレナ 出雲 充社長

今回使用されるバイオマス燃料は日本のベンチャー企業である株式会社ユーグレナのバイオマス燃料が使われます。社名のユーグレナはミドリムシの学名とのこと。

この微細藻類ミドリムシから抽出した油脂と食用油の廃油を精製したものを合わせた完全なる脱化石燃料なディーゼル燃料での参戦となります。

MAZDA SPIRIT RACING デミオ
MAZDA SPIRIT RACING デミオ

商品名がサステオというこのバイオマス燃料はROOKIE RACINGの水素カローラが使う水素ステーションの移動用トレーラーヘッドやディーゼル発電機にも使われています。

ミドリムシも食用油の原料となる大豆やコーン、菜種なども植物です。植物由来のため新たに温暖化ガスである二酸化炭素を作り出すことがないというところがポイントとなります。

また石油を一切使用していないことから硫黄分などが含まれず粒状化物質、いわゆる黒煙が出ないというところも注目点です。

MAZDA SPIRIT RACING デミオ
MAZDA SPIRIT RACING デミオ

このバイオマス燃料に最適化したディーゼルエンジンや補器類を装備してモータースポーツでの高回転領域でどのような問題点が出るのか?出力などは普通のディーゼルに比べてどのような変化があるのか?レースに参戦したことでわかる課題は数多いと言われます。

そういった課題を乗り越えた先にバイオマス燃料で開ける未来があるかもしれません。

まずは11月14日の決勝レースに注目してみましょう。

(写真・文:松永 和浩