スバルのEV「SOLTERRA(ソルテラ)」が世界初公開。航続距離はFFが530km前後、AWDが460km前後

■AWDは前輪と後輪を別のモーターが駆動する

以前お伝えしたように、2021年11月11日、SUBARUとトヨタの共同開発で生まれた「e-SUBARU Global Platform」をベースにした、バッテリーEV(BEV)のスバル「SOLTERRA(ソルテラ)」が発表されました。

SUBARU ソルテラ
2021年11月11日に発表されたSUBARUソルテラと中村知美社長

先に発表されたトヨタのBEV「bZ4X」と共に、両社のEV開発の成果として具現化されたことになります。

新型バッテリーEVの「ソルテラ」は、2022年年央までに日本、米国・カナダ(北米)、欧州、中国などに導入予定とアナウンスされています。

スバル・ソルテラのボディサイズは、全長4690×全幅1860×全高1650mm、ホイールベースは2850mm。なお、トヨタ「bZ4X」のボディサイズもホイールベースも同値になっています。

SUBARU ソルテラ
SUBARUのEV「ソルテラ」のリヤビュー

ソルテラはFFとAWDを設定し、航続距離(WLTCモード)は、前者が530km前後、後者が460km前後と発表されています。

車両重量はFFが1930kg〜、AWDが2020kg〜。タイヤサイズは、FFが235/60R18。AWDには235/60R18、235/50R20が設定されます。

SUBARU ソルテラ
SUBARUソルテラのインパネ

搭載されるリチウムイオン電池は総電力量71.4kWで、FFのモーター(フロントのみ)は最大出力150kW。AWDのフロントモーターは80kW、リヤモーターも80kWで、システム最大出力は160kW。

ソルテラのエクステリアは、シームレスな造形のヘキサゴングリルにより、EVらしいエネルギー効率の良さが表現されたそう。ヘキサゴングリルから始まる水平軸が通ったボディ、内側から張り出したようなダイナミックなフェンダーがSUVらし い力強さを主張しています。

SUBARU ソルテラ
ソルテラのフロントマスク

一方のインテリアは、高さを抑えたインパネと、ステアリングホイールの上から見るスバル初採用の「トップマウントメーター」により、視線移動をさせながら開放感ある車内をもたらしています。

SUBARU ソルテラ
ソルテラのメーターディスプレイ

走りの面では「bZ4X」と同様に、EVならではのAWDシステムの採用がトピックス。前輪と後輪をそれぞれ別のモーターで駆動する新システムが採用されています。

スバルが誇る4つのタイヤを緻密に制御する技術と、モーターならではの高いレスポンスや自在な前後駆動力配分の採用が特徴。4輪のグリップ力を最大限に活かした安心感の高い走りを提供するとしています。

さらに、従来のSUBARUのSUVと同様に、悪路での安心感を高める「X-MODE」が搭載されています。

SUBARUソルテラ
ソルテラのシフトまわり

また、新たに、悪路でも車両を安定させながら一定速度での走行を可能にする「Grip Control」が追加されたことで、走破性の強化が図られています。

そのほか、衝突安全性能の向上も図られています。ボディ各部位の骨格形状の工夫や材料強度の最適化により、軽量化と高い衝突安全性能の両立。万が一の衝突時には、複数のボディ骨格に荷重をスムーズに伝達する構造で効率的に衝突エネルギーを吸収。乗員を守ることはもちろんのこと、高い安全性が求められるバッテリーEV特有の高電圧機器もしっかり保されます。

SUBARUソルテラ
SUBARUソルテラのキャビン

FFでも530km前後という航続距離は現在のEVとしては長い方で、日産アリアなどとの競争が繰り広げられそうです。

塚田 勝弘

SUBARUソルテラの主な諸元(日本仕様、社内測定値)】
全長×全幅×全高 (mm) :4,690×1,860×1,650
室内長 (mm) :1,940
室内幅 (mm) :1,515
室内高(mm) :1,160(ノーマル/ソーラールーフ仕様)/1,145(ガラスルーフ仕様)
乗車定員(人) :5
ホイールベース(mm) :2,850
最小回転半径(m) :5.7
最低地上高(mm) :210
車両重量(kg) :1,930(FWD)/2,020(AWD)
一充電走行距離(WLTCモード、日本国内向け基準)(km) :530前後(FWD)/460前後(AWD)
モーター 種類:交流同期電動機
最大出力(フロント) (kW):150(FWD)/80(AWD)
最大出力(リヤ) (kW):80(AWD)
最大出力(システム) (kW) :150(FWD)/160(AWD)
動力用電池 種類:リチウムイオン電池
総電力量(kWh):71.4
総電圧(V):355
AC充電器最大出力(kW):6.6
DC充電器最大出力(kW):最大 150
ステアリング:ラック平行式電動パワーステアリング
サスペンション形式 [前/後]:ストラット式コイルスプリング/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
ブレーキ [前/後] :ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
駆動方式:前輪駆動方式(FWD)/全輪駆動方式(AWD)
ホイール:18インチ(FWD)/18インチ/20インチ(AWD)
タイヤサイズ:235/60R18(FWD)/235/60R18・235/50R20(AWD)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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