プラスマイナスで電池の日/そろばんvs電気計算機の勝負/三菱のコンパクトカー・コルト発表!【今日は何の日?11月11日】

■今日は「電池の日」、そろばんvs電気計算機の日米対戦開催

今日は電池の日

11(十一)月11(十一)日は、「電池の日」です。十一が、プラスマイナスに見えることから制定されました。電池は、1800年にイタリア人のボルタによって発明されました。その後、フランス人のルクランシェが電解水に銅(+)と亜鉛(-)の棒を挿した液体電池(湿電池)を発明。現在の固形の乾電池の原型は、1888年にドイツ人のガスナーによって発明されました。ところが、その3年前に日本人の屋井先藏が乾電池を発明していたそうです。貧しくて特許が取れなかったので、発明者にはなれなかったのです。発明者とは、発明した人でなく、特許を取った人なんですね。

そろばんは脳トレに最適

また1946(昭和21)年のこの日、そろばんvs電気計算機の日米対抗戦が行われました。対戦したのは、逓信院東京貯金支局で働いていたそろばんの名手・松崎喜義と電算機を仕事で活用している米軍兵士トーマス・ネイサン・ウッドでした。5問の四則(加法・減法・乗法・除法)演算のスピードと正確さが競われ、結果は4:1でそろばんが勝利しました。最近は、昔ほど小学校でそろばんの授業に時間を割いていないようです。確かに計算の道具としての出番はありませんが、脳の活性化や情報処理能力の向上には役立つと言われていますね。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●ダイムラーとの提携で生まれた三菱のコンパクトカー・コルト発表!

2002(平成14)年のこの日、三菱自動車はコンパクトカーの新型コルトを発表、11月16日から販売を始めました。三菱は、2000年7月にダイムラークライスラー(現在はメルセデス・ベンツとステランティスという別会社)と包括的提携を締結。このアライアンスの第1弾として開発されたのが、コルトでした。コルトという車名は、三菱にとっては1962年に登場した「コルト600」以来、基幹モデルとして1970年代の「コルトギャランGTO」まで続いた由緒ある車名であり、久々の復活となりました。

2002年発売の新型コルト、フロント中心に大きなスリーダイヤモンドエンブレム
2002年に発売されたコルト。フロント中心に大きなスリーダイヤモンドエンブレム
2002年発売の新型コルトの後ろ外観、流れるようなサイドラインと縦長のリアコンビネーションランプが特徴
コルトの後ろ外観。流れるようなサイドラインと縦長のリアコンビネーションランプが特徴

新型コルトのデザインは、ダイムラー・クライスラーから派遣されたオリビエ・ブーレイが担当しました。フロントマスクは、スリーダイヤモンドマークを中心にしたグリルや立体的なヘッドライトを組み込み、リアにかけて流れるようなラインで構成。インテリアについては、面圧分布を考慮したシートや伸びやかな面構成のインパネなど、質感と心地よさが重視されました。パワートレインは、MIVEC(可変バルブ機構)が組み込まれた1.3L&1.5L直4 DOHC 16Vの2機種エンジンとCVTの組み合わせ、駆動方式は当初はFFのみでしたが、4WDが追加設定されました。

2002年発売の新型コルトの乗り心地が重視されたシート、フロントにはセパレートとベンチシートを設定
コルトの乗り心地が重視されたシート、フロントにはセパレートとベンチシートを設定

新型コルトは、当時リコール問題で販売が低迷していた三菱にとっては、信頼回復をかけた重要なクルマでした。販売促進にも積極的に取り組み、三菱として初めてのフリーチョイス方式「カスタマー・フリーチョイス」を採用。外装から内装色、シート形状、装備類に至るまで、ユーザー選択の自由度を上げました。

販売促進活動の効果もあり、発売1ヶ月の販売台数は1万5000台を超える好調なスタートを切りました。その後、徐々に販売は落ちるものの、三菱を代表するコンパクトカーとして新型ミラージュが登場する2012年まで販売されました。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
続きを見る
閉じる