実家のミラ・ジーノで上京→駐車場契約→勢いでボクのクルマ探しが急遽スタート【東京でクルマ買っちゃいました日記・第1回 駐車場契約編】

■実家のクルマ「ミラ・ジーノ」が上京したのがきっかけ

●クルマに興味がまったくなかった男が、クルマを買っちゃう?

ミラ・ジーノ
ことの始まりはすべてこのミラ・ジーノから

こんにちは、ライターの半澤則吉です!

と、いってもクリッカー読者の皆さんはぽか〜んとするでしょう。そりゃあ、そうです。私は普段レシピ本や収納の本、ドラマ記事を書いたりしているフリーライター。クルマは完全な門外漢です。自動車の知識もなく、モノライターを名乗ることもあるのに細かなスペックとかめっちゃ苦手です。

クルマはまあまあ好きだけど、専門知識は皆無。こちらのサイトでよく見る「体験してみた!」的な記事を書けるような経験も能力もゼロで、歴史あるクルマ情報専門サイトで執筆なんて、プロ野球の試合に少年サッカーの選手が呼ばれているような状況です。

そんなボクですが、クルマを買うことを決めました。コロナ禍をたくましく生き抜くためでも、はたまた30代後半独身男のけじめでもありません。もう、あらゆる偶然が重なり「クルマ買おう」という感情が生まれたのです。初めて。

ということで、クルマ記事から一番遠いところにいたのにこちらで連載させていただくことに。

ライター稼業を始め10年くらいになりますが、ここまで自分から遠いジャンルを書くのは「断食道場10日間体験記事」か「日光修験道修行合宿ルポ」以来(昔は体を張っておりました)だなぁ。

第1回の今回は、クルマなんていらん、電車でいいじゃんと東京色にずぶずぶに染まったボクが、なぜクルマを買うことになったのか、そのいきさつを語っていきましょう。

●クルマを買おう…そう思ったきっかけは、2つの事件でした

大きな事件が起こったのは2020年の暮れ。忘年会などできないご時世ゆえ、近所に住むカメラマンのFさん(第2回以降にたくさん登場予定、覚えておいてください!)と2人でしっぽり飲んだ翌朝に電話のベルが。

二日酔いでぐらんぐらんと揺れる頭をさすりながら電話に出ると、母から前夜父が倒れたということを告げられました。大丈夫だから心配しないで、という旨だったのだけど、年が明けても父の入院は続き、自体は深刻に。

その後、父は幸い無事に生還したのですが、実家は自営業のためてんやわんやな状態が続き、長男という義務感から毎月実家に帰ることとなりました。そう、もちろん大好きな新幹線で! このときはクルマを買おうなどという想いは微塵もありません。

毎度毎度、田舎で後ろ指を刺されないようPCR検査を受け、空席の目立つ新幹線で帰省していたわけです。

しかし、2月にまたしても事件が起こります。2月の地震を覚えてらっしゃるでしょうか。東京でもけっこう揺れたと聞いています。聞いています…というのは、ボクはその日東京にいなかったのです。まさにあの日ボクは震源地である実家、福島に帰省していのです。

幸い実家は震度5強で、仏壇の花瓶が落ちたくらいのダメージしかなかったのですが、次の日から新幹線が10日間ストップ! テレワークだ、zoomだと声高に語る時代とはいえ、やはり東京に戻らねばできぬ仕事も多く、しょうがなく実家のクルマ(父が入院中だったので、2台あるうちの1台が空いていたのです)で帰京することに。これが地震の3日後のことであります。

●駐車場を発見したけど、契約まであまりにも遠い……

ということで、ボクは母の愛車、ダイハツ・ミラジーノで東京へ戻ります。ミラジーノは1999年発売のクラシック風軽自動車。どう見てもMINIのマネじゃん!という見た目が最高で、古いのに全然タフないいヤツなのです。

喜び勇んで東京まで来たのだけど、とても残念なことにボクの頭の中には「駐車場」という概念が欠落しておりました。幸いやさしい友人宅に「一時避難」させてもらえることになったのですが、あまり長く置いてもらうのも申し訳ない。

さっそく短期で借りられる駐車場探しを始めることにしました。

駐車場を探すサイトとか調べまくったのですが、なかなか良いところが見つからず。というか、東京の駐車場料金の高さに頭を抱えました。

それでも、駐車場は思いのほか簡単に見つかりました。駐車場サイトではついぞ引っかからない場所…これぞ灯台下暗し、今住んでいるマンションの駐車場が空いていたのです。しかも不動産屋に聞いたら、これが月2.4万円と相場より安い。さらに敷金礼金、更新料すべて0円。これなら2ヵ月くらい短期契約して、今度実家に帰るときまで置いておけるわ。

そう、思ったのが間違いでした。

なんと、駐車場を契約するまでここから1ヵ月以上かかってしまうことに。普通こんなにかかるものなのかしら。担当者にメールすると「休暇に入っていたためすいません」と1週間くらい空いて連絡が来るということが何度かあり、クルマを置いたままでも文句一ついわないやさしい友人に頭を下げ続けることとなったのです。

そしてやっとミラジーノを、マンションの駐車場に駐める段に。これが実家にクルマを返さなくてはならない約1ヵ月前のことです。

この頃になるとボクはいつもこんな言葉をひとりごちていました。「1ヵ月しか駐車場借りないなんてもったいない」「部屋を出て30秒で駐車場があるのに使わないのはもったいない」。そしてついに、この気持ちが生まれたのです。

「そうだ、クルマ買おう」。

それは、生涯で初めて生まれた感情でした。〇〇子なんてあんまりかわいくないけど、この前宿題見せてくれたからちょっといいヤツじゃん。あいつが、ほかの男子としゃべってるの見るのなんかちょっと腹立つんだよ…何だよこれ、この気持ち? 初恋の芽生えに戸惑う小学5年生男子のように、知らず知らずのうちに育った「クルマが欲しい」という感情に戸惑うボク。

こうして、完全に成り行きだけで契約した駐車場に入れるクルマを探すべく、ボクの葛藤の日々が幕を開けたのです。


次回、第2回【車種選び編】。ネット検索に明け暮れる半澤。検索に次ぐ検索、手が痛くなるまで検索。その末に出たまさかの選択肢とは?

(半澤 則吉)

この記事の著者

半澤 則吉 近影

半澤 則吉

1983年福島県生まれ。お金、レシピ、収納といった日々の暮らしまつわる事柄を専門とするライター。町中華を巡る町中華探検隊、ドラマライターとしても活動する。会社員時代にスズキスイフト(2代目)に乗っていた以外車との関わりはなく、父がスバルの歴代の名車を乗り継ぎ、母がダイハツミラジーノを愛車としているため、輸入車とは縁のない人生を送ってきた。
が、一念発起しフランス車を購入。車のある人生にわくわく中。
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