効果は薄くともしないよりはまし!? ドライバーにできる、せめてもの省燃費運転法とは?

■ガソリン価格高騰時代の低燃費運転法をさぐる

ガソリン価格は、高騰・下落を繰り返しながらも全体的には上昇、麻痺した私たちはその上がった価格をまた指標にして、再び上がった下がったと嘆くということが続いてしまっています。

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ガソリン価格高騰!

筆者はこれまで2度、大阪に住んでいたことがあるのですが、1999年2月当時はレギュラーガソリンが80円/Lだったことを覚えています。いまのレギュラー価格、いや軽油ですら、そのときのハイオクタンの価格以上でしょう。

こうなるとますます燃料を食わないアクセルワークを習得したくなりますが、どのような方法があるのか、あらためて探ってみました。

●ドライバーができる省燃費運転法はほとんどなし!

初めにがっかりすることを述べてしまうと、用途(通勤、買いもの、ドライブ)や使用場所(一般道、ご近所走り)を同じまま、昨日まで10km/Lでしか走れなかったクルマの燃費を、ドライバーの技量だけで今日から15km/Lにするということはできません。

なぜなら、しょせんはそのクルマの持っている燃料消費率よりも良好な数値をドライバーレベルではじき出すことはほとんど不可能で、エネルギーの消費は重さと移動時間(=速度)でおおかた決まってしまうからです。

したがって、ここで述べることを行っても劇的に燃費が好転することはなく、気休めか誤差程度にしか変わらないと思っていただくほうがちょうどいいと思います。その理由はあとで述べることにします。

●一般的手法編

1. アクセルの踏み込みはゆっくりと

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アクセルペダル、踏むときはふんわりとゆっくり。

車庫から出る、青信号で発進するといったとき、アクセルペダルをいきなり深く踏み込むのではなく、ふんわり踏みこみます。

メカ的にいうと、スロットルバルブの開き量を電気信号に変え、その信号情報に応じて電子制御燃料噴射装置がエンジンに送り込む燃料の量を決めるわけですが、何も走り始めから必要以上の燃料を供給する必要はありません。周囲の流れに応じてアクセル量をゆっくり深くして速度を上げていくというのが一般的な考え方です。

といった後で裏腹なことをいうようですが、筆者の経験上、早く流れに乗るべく、初めの方でアクセルを深めに踏み込み、狙った速度に達したらすぐに緩め気味にするというほうが燃費はいいのではないかと思ってもいます。

たとえば片側2~3車線の幹線路は、おおかた50~60km/hで流れていると思いますが、どこかのコンビニエンスストアの駐車場から、または交差点でその幹線路に入り込んだとき、周囲の流れに早く乗るためにアクセルを深めに踏み込んで早々に50~60km/hに到達するようにする。

そこから先は、車速が落ちないよう、右足をアクセルペダルに添えるだけというイメージでいると、燃料計の針の落ち込みは遅いような気がしているのです。

そんな考え方をするのは自分くらいのものだろうと思っていたのですが、実際、とあるメカニックに話してみたら、本当にそのような考え方があるようです。あくまでも「気がする」の域を出ませんが、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。

2. アクセルを放すときはさっさと放す

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アクセルを放すときは、潔くパッと放す。
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先の信号が青でも、その先の信号が赤なら何も加速する必要はなし。何ならこの位置でアクセルを放してもいいのだ。

走行中、前方に停止車両がある、または先の信号が青から赤に変わった、あるいは歩行者信号が赤で、車両用信号が赤になるのは時間の問題、といったシチュエーションになったらすぐにアクセルを放すことです。

にもかかわらず、それでもアクセルを踏み続け、自分の好みの位置でブレーキを踏み始める直前までアクセルを放さないひとがいます。これ以上車速を維持したところで、どのみちその先ですぐ停まらなければいけなくなることは目で見えてわかっているのに、なぜアクセルを踏み続けるのでしょうか。

また、先行車のストップランプが点灯したときも即座にアクセルを放すべきです。これは燃料消費の抑制というよりも安全のためで、先行車がその向こうで何かを見つけているのかもしれません。路上の障害物、ヘンなところで道を渡ろうとしている歩行者、自転車の発見、悪いタイミングで路側から別のクルマが流入してきたなど。

こういった「イヤな事態」を予測し、アクセルから放した右足は、いつでも減速、停車できるように、ブレーキペダルに持っていけるような心づもりでいるといいでしょう。

3. 余計な急加速・急減速はなるべくしない

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アクセルベタ踏みは、高速道の致し方なきシチュエーションのときに限定しよう。

当然ですが、必要のない急加速、急減速も無駄な燃料消費です。急加速したところですぐ先には赤信号、運が悪ければ白と黒のクルマに御用となるのが関の山。

ただし急加速が必要な場面がないかとなるとそうでもなく、高速道路で流れに乗って走っているのにもかかわらず、大型暴走トラックが自分のすぐ後ろにまで迫ってくることがあります。そのようなときに限って左右にもクルマがいてよけられない。このようなときは仕方ない、アクセルをいっぱいに踏み込んでクルマの群れから離脱し、群れから離れたところで車線変更してやり過ごしましょう。意固地になってふさぎ続けていると別のトラブルを招きかねません。

実感しにくいですが、急減速、急ブレーキも燃料の無駄につながっています。ブレーキをかけることがなぜ燃料の浪費にリンクするのかは「エネルギー保存の法則」を理解する必要があるのでここでは説明しませんが、横から何か(子ども、自転車など)が飛び出したとき以外、急なブレーキ操作は避けるように心がけましょう。

4. 変速ギヤは早めに上位に持っていく

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ATシフトをDに入れると、ギヤ選択の余地はないように思えるが、アクセルの踏み方しだいである程度は任意に選ぶことができるのだ。

トランスミッション(変速機)には手動変速のMT、自動変速するATには1、2、3…と変速していくステップATと、段数の概念がない無段変速機(CVT)の2種があります。どのタイプであれ、それぞれの速度に適したギヤ比(=段数)があるのですが、MTなら早めに変速して上位のギヤを選び、エンジンを低回転寄りにして走るのがいいでしょう(エンジン走行性能線図を見ると、回転数が低ければ低いほど燃焼消費量が少なくなるとはいい切れないのですが)。

とはいえ、エンジンが苦しがってノッキング(不正爆発)を起こしたり、車体がギクシャクする(シェイキング)ほどにしてしまうのは極端です。あくまでも、通常よりも変速操作のタイミングをちょっと早めにする程度にしてください。

ATではギヤ選択の自由度がないと思っているひとも多いと思いますが、ステップ式にしてもCVTにしても、MTで述べたのと同じ(早めに変速する)ことを、アクセルワークである程度は行うことができます。

shift position indicator
メーター表示も、「D」だけではなく、いま何速なのかを「1」「2」「3」「4」の数字で示してくれればいいのに・・・。

同じクルマに乗り続けていると、ステップATにお乗りの方なら変速ショックのタイミングを、変速ショックの起きようがないCVT車ユーザーなら車速の上昇につれてエンジン回転が下がることを身体が覚えていると思います。

ステップAT車ならショックのタイミング、CVT車なら車速に対するエンジン回転の下降度合いを普段から覚えておき、クルマが変速ないしエンジン回転下降を始める少し前のタイミングでアクセルをわずかに戻すと、早いタイミングで変速します。

アクセルペダルから足を放して完全に戻すのではありません。加速時に10段階のうちの5踏んでいたとしたら、2くらいまで戻すという感覚です。これを繰り返して最上位のギヤに達して以降、そのまま車速を維持しているとロックアップクラッチが働きます。

ロックアップの作動は、それまでゆらゆらしていたタコメーター指針の揺れがほぼなくなることでわかるほか、敏感なひとならタコメーターがなくても、そしてクルマの原理を理解していなくとも、メカ内部のどこか(実際にはトルクコンバーター)で何かが「ピタッ!」と磁石で吸い付けられたような感触が得られることでわかりますが、この感覚をつかむようになるには少し時間がかかると思います。ぜひとも感覚をみがいてみてください。

ただし、残念ながらCVT車ではその構造上、ロックアップクラッチの作動を把握することはほとんどできません。

5. エンジンOFF-ONをくり返すような使い方はなるべくしない

key swich
エンジンのON-OFFの頻度は低いほうがよい。

エンジンは、急加速時もさることながら、エンジン始動時も濃い燃料を送り込みます。

エンジンは様々な部品から構成されており、始動時は静止しているあちらこちら多数の部品が動くときの抵抗に打ち勝って初めてかかり、アイドリングに至るわけです。したがって、短い距離を走ってはどこかで停まり、用をすませて乗り込んで再始動…。これは濃い燃料の供給回数を増やすということですから、そうではない使い方に対してトータルでの燃料消費量が多いことになります。

その意味では、動いては停まりをときに数十秒単位でくり返すこともある渋滞下のアイドリングストップにはどれほど効果があるのか、疑問があります。

6. 長時間の暖機運転は不要

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冬場のアイドリングはそう長い時間行う必要はない。

主に冬場の話で、要不要がよく挙がる話題です。5~10分ほど暖気を行ったほうがいいのか? 始動したらすぐに走り出してしまってもいいのか? 「信号待ち時、ATは『N』か『P』か?」のときも似たようなことを書きましたが、どちらを行えばどちらのほうが長寿命短寿命という調査を行う機関があるわけでも統計があるわけでもありません。

それよりは無意味に吹かさない、オイルや冷却液、タイミングベルト(のエンジンの場合)の指定交換時期を常に意識するほうが、エンジン、ひいてはクルマを大事にするためにはよほど得策だと思います。

で、暖機運転。これまで数台の自車両で両方試したことがある筆者の経験からいえば、暖機運転を行わなくても何の問題も起きませんでした。冷間時の始動でも、すぐに走り出してしまってかまいません。ただし、何かひとつ節目を定め、走り始めて最初の5分間とか信号を3つ超えるまで、または幹線道路に入るまでなどの間は、温厚な運転を意識的にするという配慮は必要です。

朝ふとんから出るや、いきなりフルマラソンさせられたらたまらないでしょう。目が覚めたら両腕を上に上げて「ふぁ~あ」と1回伸びをし、しかるのちに顔を洗って歯をみがく、朝ごはんを食べた後にコーヒーを飲んで出かける。クルマも順序よく、エンジンのほか、トランスミッションやタイヤ、サスペンションなどを適度に動かしながら車両全体を暖めてやることが本当の暖機運転といえます。

ところで、5~10分かけて暖気するひとの中には、乗り込んだときに車内をヒーターで暖めておくという目的もあると思いますが、暖機目的のアイドリングと始動直後からの走行、同じキーONから5~10分後のヒーターの効きが早いのは後者のほうです。走ることでヒーターの熱源である冷却液の温度上昇が早く促進されるからです。

それでも始動直後に走り出すのは抵抗がある方は行えばいいですが、5分も10分もというのはガソリンの無駄使いには違いありませんので暖気アイドリングはせいぜい1分程度にとどめ、その間にガラス内外や計器盤、メーターパネルのほこりを拭き上げるなどの作業をすればいいでしょう。終わる頃には1分くらいは経っています。

ただし、日本は北から南まで長い島国です。ゆえにその気候は千差万別。寒冷地にお住まいの方はそのようなきれいごとはいっていられないと思います。

いま東京に住んでいる友人で、筆者と同じ群馬県の降雪地域出身のひとがいますが、彼の地では冬の朝の寒さたるや、平地に住む筆者が想像つかないほどなのだそうで、ガラスは凍るわ、ドアも凍って開かないわ。後付けのリモコンエンジンスターターによる暖機運転&ヒーター作動が必須なのだと。お住まいの地域の気候に応じ、臨機応変に対応すればいいと思います。

7. 余計なものは積まない

rear seat
筆者のクルマの後席には、洗車用に買いだめしたタオルやらケミカル剤やらが放り投げてある。このていどなら燃費にさしたる影響はないだろうが・・・。
trunk
いざというときのために荷室に載せっぱなしのもの(自前の工具など)は、使わないときには余計なものといえば余計なもの。

とはよくいわれることですが、ちょいとしたバッグていどの重量のものであれば何の影響もないでしょう。

筆者なら20kgほどの何かがトランクに入っていれば、動き始めるや「ん?何か積んでるな」と感じ取れるのですが、このように「ん?」と感じられてしまうほど重いものなら常時積んでいるのは燃料の浪費になると思います。トランクルームにゴルフバッグや代えのタイヤを複数入れっぱなしにしているひとがもしいたら、ちょっと考えてみてください。

8. 太いタイヤはつけない

tire
タイヤを幅広くするのは燃費に影響する。このタイヤは205/70R15だが、これとて筆者は太いと思っているほどだ。

ドレスアップと称して太いタイヤを履くひとがいますが、接地面積の増大は燃費に影響します。交換するにしても、やはりクルマを買ったときと同サイズのものが無難です。無難というよりも、自動車メーカーは、そのサイズが前提でクルマを開発し、国土交通省からの認証を受けています。

ドレスアップついでにいうと、空気抵抗の低減で燃費に貢献すると称してエアロパーツをつける例がありますが、それ自体重量がかさむものであり、空気抵抗低減と相殺されるような気が。

9. タイヤの空気圧確認は怠りなく

tire pressure
このクルマの前輪の指定圧は1.6kg/cm2。
tire pressure cortion plete
空気圧はメーカー指定圧が無難だ。

よく空気圧を高めにすれば燃費がよく、低めにすれば悪くなるといいます。しかし筆者の経験上、メーカー指定圧の20%ほど以内であれば、上げても下げてもそれほど燃費に差はありません。

むしろ影響するのは乗り心地のほうです。クルマのサスペンション形式やタイヤの種類にもよりますが、0.1kgm/cm2刻みの上げ下げだけで乗り味は劇的に変わります。

ある程度まで低くするぶんにはいいのですが、上げると乗り心地が変わるばかりか、タイヤの接地面積が減るために、特に首都高のような高速気味の速度で連続する急カーブを走るような場ではタイヤのグリップ感が下がります。燃費のために何かをするのはいいのですが、何事もほどほどがいいようです。

ただ、外から見てタイヤがつぶれているとわかるほどの空気圧低下は問題です。この状態で走るとさすがにクルマを引きずるような、重々しさが実感できます。燃費に影響するでしょうが、それ以前にそもそもこれは空気圧不足の範疇であり、この点に気づかず走行し続けるとバーストの危険が伴いますので、即座に空気を入れてください。これが「怠りなく」といったゆえんです。


ここまでは、日ごろのクルマの使い方の工夫を書いてきました。次は少しだけがまんや不便さが伴う手法です。

●少しはがまんも必要だよ編

10. エアコンは使わない

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燃費を抑えるならA/CはOFFに。

エアコン記事でも書きましたが、冷気を作り出すコンプレッサーの駆動源はエンジンです。コンプレッサーの駆動にはエンジン出力を7~8馬力消費します。エアコンをONにしている間はOFFのときに対し、7~8psぶんの落ち込みをカバーすべく、エンジンは余計にまわっており、この落ち込み=パワーダウンは低出力のクルマほど顕著に感じられるはずです。

ただし、見出しに掲げた「少し」という点を忘れないでください。この手法を採るべきは春と秋、そして夏でも気温の下がる夜間くらいのもので、毎年毎年、こうも猛暑続きとなってしまった日本の夏ともなると、エアコンも入れずに車内で過ごすというのは、いくら窓を開けたとしても朦朧としてしまい、はっきりいって自殺行為です。

修行するわけではないのですから、トヨタのカンバン方式(必要なときに必要なものを必要なだけ・ジャストインタイム)ではありませんが、暑いときには燃料をケチらずに素直にエアコンを入れるのが賢明です。

四季を通じてエアコンを入れっぱなしにしているひとがいますが、これはこれで間違いではありません。機械は「使いっぱなし」ならぬ「使わないっぱなし」もよくないからです。夏以外は一切エアコンを入れず、夏になっていきなりONにし、エアコンが壊れたというのもよく聞く話です。また、1年中、車内の湿度を常に適当に保つのにもいいでしょう。

筆者の場合は、エアコンのカンバン方式を採っていて、夏はもちろん、それ以外の時期ではちょっと湿気が感じられるとき、天候しだいでガラスがくもったとき、そしてそうでないときでも月1~2回ほどエアコンを働かせます。内部のエアコン冷媒流路のオイル循環をさせ、ユニット全体の固着を防ぐためです。

エアコンの使用が燃料消費の増大に結びつくのはいまも昔も同じですが、このへんはひとそれぞれの考え方に応じてエアコンON・OFFを決めてください。

11. クルマの少ない時間帯に乗る

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クルマを使うのは、クルマの流れがある時間帯にとどめるのもひとつの選択だ。

後述しますが、クルマの燃費は使う環境によって大きく左右されます。燃費は「走行距離÷消費燃料」で示されます。渋滞で移動距離が短くとも、あるいは停まっていてもエンジンが停まらぬ限り燃料は消費します(アイドリングストップ付車やハイブリッド車を除く)。つまり移動距離の割には燃料消費量が多いというのが困るわけです。

したがって、燃料消費を低減したければ、クルマを使うのは渋滞の少ない時間帯に限る、または乗るにしても渋滞の少ない道を選ぶというのもひとつの手です。ということは混雑しがちな時間での用事の際には徒歩でという不便が強いられるわけですが、燃料代節約を徹底したければ多少の不便も致し方なし。

ちなみに筆者は長距離を走る際は、燃料を前もって満タンにしておくことにしています。いま住んでいる東京から実家のある群馬県前橋市に向かって走るとき、高速道路と下道(東京、埼玉を経て群馬県に向かって国道17号ひらすら走り)のふた通りから選びますが、夜であれば高速道路で90分かけて80km/hで向かうのと、下道の約3時間&ほどほど速度+信号待ちの走行とでは、燃料消費量に差はありません。

これは昼間と異なり、動いては停まり、停まっては動きという渋滞がないからです。これが昼間となると燃焼消費が増え、燃費のことだけを思うなら高速道路のほうがいいということになります(ただしそのときは通行料金がかかる)。時間を取れば燃料代は儲かっても高速代がかかり、燃料代をケチると時間がかかる…。結局はひとの移動には何かを多く消費することが避けられないことがわかります。

●燃費低減に向けてドライバーができることは限定的。本当の省エネ・低燃費実現はインフラが決める。

ここまで読んで、みなさんはどう思われましたか?

これらはすべて一般的にいわれること、そして筆者の経験も交えてのことですが、エアコンのON・OFFはともかく、これら以外を実践しても、そうとわかるような良好な結果は得られていません。冒頭で述べたとおり、クルマの燃料消費率…エネルギー消費は重量と移動に要する時間でおおかた決まってしまうからです。ここに挙げた項目はどれもこれも、しょせんは実践した者の自己満足の域を出ないものばかりです。

街乗りに対して高速道路で燃費がいいのは、ある一定の状態を維持して走り続けるからです。ついでにいうと、クルマのテールパイプから出る排気ガスがより汚れるのは、エンジン回転が上がったり下がったりの変化をしたときです。つまり「ある一定」から外れたときが悪い成分を出すときなのです。

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信号、信号、また信号。

ということは…おわかりですね、いちばん多く使う一般の道が渋滞だらけ、速度に乗ったかと思えばまた赤信号という具合に、信号機の数が多いといった不合理がいつまでもある以上、自動車メーカーがいくらがんばって低燃費技術、軽量化技術を進化させても、そしてドライバーが個々にいくら低燃費運転に勤しんでも、クルマを使う環境(インフラストラクチャー)が変わらなければ、本当の意味でエネルギー消費低減にはつながるはずはないのです。

筆者の出身地である群馬県も、いま在住している東京都内も、「こんなところにまで要る?」といいたくなるような、交通量の少ない場所にまで信号機があります。これら無用の信号を減らすだけでどれだけエネルギー浪費が減らせるか。他の地域も状況は似たりよったりなのではないでしょうか。

と、硬い話で終わるのも心苦しいので、最後は、それこそ気休めでしかないヘンな手法をご紹介します。

●番外編

12. 燃料計サイズが小さめのクルマを選ぶ!

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メーター全体のうち、燃料計が占めるスペースが大きいと、同じ燃料消費量でも指針の動きが大きくなるので、何だか燃費が悪いクルマのように感じてしまうのだ。
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燃料計サイズはほどほどなほうがいいような気がする。

これは指針式のクルマの場合の話。気分の問題ですが、ケチケチ派の筆者の場合、燃料を満タンにしてから燃料計の指針がいつ動くかというのが気になります。

クルマの燃料計は、満タンにしてからしばらくは動きません。これは燃料残量を読み取るセンサー構造の都合と、メーターをコントロールするユニットが燃料計をあえて鈍感に表示するように教えられているからです。動き始めるまでの距離はクルマによって異なり、約100km走って動き始めるクルマがあれば、80kmほどで移動し始めるクルマもあります。

そしてその動き方も様々であり、動き始めてしばらく止まり、その後20kmほど走って再び動き始めるクルマがあるいっぽう、いったん動いたが最後、目に見えるように「E(empty・空)」にまっしぐらとなるクルマがあります。

動く速度もさることながら、ある同じ距離を走ったときの指針の移動量が、見る者に燃費良し悪しの印象を左右しているところも多分にあるのではないかと思っています。たとえば同じ40Lタンクのクルマ同士が同じ1Lの燃料を消費したとしても、サイズが大きい燃料計のほうが、小さい燃料計の場合よりも指針の移動量は大きいことになります。

もちろん燃料計は正しいのですが、これは「ん?もう針が動いた。燃費悪いなこのクルマ」と錯覚させてします要因になるのではないかというわけです。まあ、燃料計のサイズでクルマを選ぶひとはいないでしょうけどネ。

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ドット表示式の燃料計は残量が感覚的につかみにくいのが難点。

筆者のいまのクルマの燃料計は10個のドットで示すものです。40Lタンクですから1ドット4Lのはずですが、その減り方も給油時の増え方も均等ではない、ヘンなくせのあるとぼけたヤツ。給油後、最初の1ドット目が消えると「いかにも燃料が減った!」と実感させられるのがどうも…何とも思わなくなるまで2年かかりました。

どうも筆者は、どのようなメーターにしても、指針式のアナログメーターのほうが性に合っているようです。

というわけで、気休めでしかない低燃費運転術のお話でした。

最後にふたつほどまめ知識。

●あまり表に出ない、知っておいたほうがよい、高速道路走行時のまめ知識ふたつ

cylinder head
エンジンのシリンダーヘッド。
injector
このインジェクターからの燃料噴射を増やすことで、高速走行で高温になったシリンダーヘッドを冷却する。

高速道路を走るときなど、エンジン回転が高めで長時間走行をするとき、エンジンのシリンダーヘッドが高温になっているわけですが、このときのエンジン冷却は、冷却液だけでは追いつかないので、燃料を過剰噴射してシリンダーヘッドを冷却しています。その依存度も最近は下がっているのですが、それでもまだいくらか燃料冷却に頼っています。

その意味からも、高速道路での走行速度は80~100km/hの範囲にしておくのがいいでしょう。

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東名高速道路下り、226kmポスト前。

また、筆者の経験で、東名高速道の東京~名古屋間を往復する場合、下りと上りとでは、下りのほうが燃料消費量が低いことがわかっています。

東京で満タンにしての名古屋到着時、帰りに名古屋で満タンにして東京に帰着したときとでは、燃料計の指針は、名古屋では中間より下、東京では上にあったのです。下りより上りのほうが燃料消費量が少ないというのは、筆者が使ってきた複数のクルマで、それもこの区間の往復のたびに見られたことで、推測ですが、これはおそらく東京から離れる方向には道が全体的に登り傾向に造られているためではないかと思っています。

いずれ高速道路会社に取材したいと思っているのですが、東名、中央、関越、東北、常磐、そのほかもろもろ。高速道路は、平地で標高の低い東京から、わずかに上り下りを繰り返しながらも全体的には上り気味で伸びているのかもしれません。当然、行きと帰りとでは運転の仕方が同じであることが前提の話。

みなさんも高速道路を走る機会があったら、そのあたりも意識しながら走ってみてください。

(文・写真:山口 尚志