米国で奴隷解放宣言/マスキー法が成立/シビックの兄貴分ホンダ2代目アコードデビュー!【今日は何の日?9月22日】

■リンカーンが黒人奴隷開放の予備宣言

米国第16代大統領エイブラハム・リンカーン(C)Creative Common
米国第16代大統領エイブラハム・リンカーン(C)Creative Common

1862年(文久2)年9月22日、南北戦争が続く中、米国第16代大統領エイブラハム・リンカーンが黒人奴隷解放の予備宣言を、翌年1863年の1月には本宣言を行いました。南北戦争の目的が奴隷解放にあることを、国内外に明らかにすることが目的でした。これを機に、北軍が世論の支持を受けて1865年に勝利を飾り、南北戦争が終了しました。奴隷開放の功績によってリンカーンは歴史的に高く評価され、歴代大統領の中でも最も偉大な大統領のひとりに挙げられています。「人民の、人民による、人民のための政治」というゲティスバーグの演説が有名ですね。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●世界を驚愕させた米国の大気汚染防止法「マスキー法」が成立!

マスキー法に世界で初めて適合したCVCCエンジン搭載の初代シビック
マスキー法に世界で初めて適合したCVCCエンジン搭載の初代シビック

1970(昭和45)年、自動車業界の猛烈な反対を押し切って、米国上院で「大気汚染防止法」が可決されました。米国ではモータリゼーションによってクルマが急増し、ロサンゼルスなどで発生する光化学スモッグが大きな社会的問題となっていました。これを抑えるために公布されたのが、1975年以降に生産されるクルマの排ガスを90%低減するという大気汚染防止法で、提案したマスキー議員の名にちなんで、通称「マスキー法」と呼ばれました。この規制に世界で最初に適合したのが、CVCCエンジンを積むホンダシビックで、ホンダの技術力が世界に轟きました

日本でもマスキー法に倣った「昭和53年排ガス規制」が施行され、1970年代は排ガス低減がメーカーにとって最優先技術となりました。日本の自動車メーカーは、これらの厳しい排ガスを世界に先駆けて乗り切ったため、排ガス規制が結果として米国での日本車大躍進のきっかけになりました。ピンチをチャンスに変えたというわけです。

●ボディ拡大を拡大して高級感が増したホンダの2代目アコード登場!

1981(昭和56)年のこの日、初代から5年ぶりのモデルチェンジによって2代目「アコード」がデビューしました。

1981年発売の2代ア目アコード(ハッチバック)
1981年に発売された2代ア目アコード(ハッチバック)
1981年発売の2代ア目アコードの後ろ外観、人気となったハッチバックスタイル
アコードの後ろ外観、人気となったハッチバックスタイル

初代のアコードは、シビックのワンランク上の上級モデルとして1976年にデビューしました。シビックをベースにボディとエンジン排気量を拡大、室内スペースの広さとシビック譲りの走りが人気を呼び、大ヒットとなりました。

1981年発売の2代ア目アコードセダン、直線基調のシャープなスタイル
2代目アコードセダン、直線基調のシャープなスタイル

2代目アコードは、初代に対してホイールベースを70mm、トレッドは20mm拡大してボディサイズがひと回り大型化。ボディタイプは、先代同様3ドアハッチバックと4ドアセダンが用意され、スタイルは直線基調を引き継ぎながらもよりシャープになりました。パワートレインは、1.6Lおよび1.8Lの4気筒SOHCと、5速MTおよび3速ATの組み合わせ。駆動式はFFのみの設定です。サスペンションは4輪ストラットを踏襲しながら、ハッチバックには世界初の電子制御式オートレベリングサスペンション、セダンには世界初の三次元リアダンパーを採用。さらにクルーズコントロールや世界初の車速応答型バリアブルパワーステアリング、オプションですがガスレートジャイロ方式のカーナビゲーションを採用するなど、最新技術を満載していることも見逃せませんでした。

1976年発売の初代アコード
1976年発売の初代アコード

シビックをひと回り大きくしたアコードは、大ヒットした軽の「N360」と小型車「シビック」に次ぐ、中級モデルとして登場しました。ホンダのフルラインナップ戦略の中では、その後登場する高級車「レジェンド」へと展開するための重要な布石となるモデルですが、大ヒットすることでその役割は十分果たしたと言えますね。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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