ヤマハ発動機とティアフォー、eve autonomyの3社が新型自動運転EVを使った搬送サービス「eve auto」の先行受注をスタート

■一定の段差や傾斜に対応する走破性、1500kgまでの牽引能力、または300kgまでの積載能力を有する

2021年9月1日(水)、ヤマハ発動機は自動運転のスタートアップのティアフォー、両社によって2020年に設立されたeve autonomy(イヴオートノミー)の3社で新型自動運転EVを開発したと発表しました。

ティアフォーは、トヨタ自動車とも提携する自動運転分野では知られた企業です。ヤマハ発動機とティアフォーによる合弁会社のeve autonomyは、ホームページで「自動運転の可能性を、すべての工場へ」というコピーを掲げ、工場向けのSmart Factory Vehicleを開発するなど、自動運転技術を使った自動搬送ソリューションを提案しています。

ヤマハ 新型自動運転EV
ヤマハ発動機、ティアフォー、eve autonomyが開発した新型の自動運転EV

eve autonomyは、新型自動運転EVを使った自動搬送サービス「eve auto」の来夏からの提供開始に向け、同日より先行受注を開始しています。

この「eve auto」は、屋内外の環境を含めたクローズド(閉鎖)空間における搬送の自動化ニーズに対応できるように開発された自動搬送サービス。ヤマハ発動機の浜北工場をはじめ、複数の工場での実運用を通じたフィードバックが活かされていて、とくに走破性、牽引・積載能力を必要とする顧客の自動搬送ニーズに応えるために開発されたそうです。

今回の新サービスの展開に合わせて、車両が新規に開発され、自動搬送サービス向けの量産も見据えた小型EVになっています。ティアフォーが開発を主導するオープンソースの自動運転OS「Autoware」の技術と、ヤマハ発動機の高い信頼性を持つ車体開発技術を掛け合わせて共同開発された小型EVで、一定の段差や傾斜にも対応できる走破性を確保。

さらに、天候や周辺物などの変化に対するロバスト性(堅牢性)を有しながら、1500kgまでの牽引能力、もしくは300kgまでの積載能力を有しています。

また、新サービスでは、自動化を阻む初期導入のハードルになる高い初期費用、長期間におよぶ導入工事をクリアすることを目指して、サブスクリプション型契約形態が採用されたのも特徴です。

ヤマハ 新型自動運転EV
工場や物流拠点での導入のほか、自動運転技術の研究開発プラットフォームとしても提案している

運行管理システムやアフターサポートもワンストップで提供され、使い勝手の良さにも配慮。モノづくりや生産現場の物流状況は、高まる多品種少量生産のニーズに加えて、物流業界を含めた慢性的な人手不足に陥っていると言われています。

作業員の配置を前提とした従来型の設備・運用では、効率的な生産体制の維持も難しくなってきているそう。今回のような自動搬送サービスを導入することで、工場内での効率的なオペレーションの推進、人為的な事故件数の減少が期待できるとしています。

とくに、生産ラインの変化が大きい製造現場や工場、広い敷地内での搬送ニーズがあるプラント、建物間の坂路を含めた搬送自動化が求められる物流拠点など、さまざまな条件下で利用できる利点もあります。

商用サービス以外の用途として、自動運転技術の研究開発プラットフォームとしても活用できるとしています。閉鎖空間である工場の現場では、従来以上に、自動運転、EVの活用が進むのは間違いないでしょう。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘

塚田勝弘 近影
1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。クルマ、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。