ドラえもんとポルシェ博士の誕生日/軽ワゴンの草分けスズキ・ワゴンRデビュー!【今日は何の日?9月3日】

■世界中で愛されているドラえもん誕生

2112年9月3日は、藤子・F・不二雄先生が生み出したネコ型未来ロボットのSF漫画「ドラえもん」の誕生日です。1969(昭和44)年より小学館の学年誌で連載を開始、1973年からはアニメもスタートしました。誕生日にかけて、身長は129.3cm、体重129.3kg、スリーサイズはすべて129.3cm、足の長さ129.3mm、ジャンプ力129.3cm、おまけにネズミから逃げる速さは129.3km/hとかなり強引な設定ぶり。未来の道具をたくさん持ち、夢と思いやりに溢れたストーリーが、日本のみならず世界中で長く愛されている理由ですね。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●20世紀最高の自動車設計者フェルディナント・ポルシェが誕生

フェルディナント・ポルシェとポルシェ911(C)Creative Commons
フェルディナント・ポルシェとポルシェ911(C)Creative Commons

1875(明治8)年のこの日、ポルシェの創業者フェルディナント・ポルシェがオーストリアで生まれました。ポルシェは、ヒトラーの命を受けて国民車「フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)」を設計、その後ポルシェを創業して「ポルシェ911」など数々の名車を世に送り出した天才設計者です。多才でもあり、若い頃は電気自動車やハイブリッド、航空機用エンジン、戦車まで設計し、彼の手掛けた多くの技術遺産は、今も広い分野の基本技術に反映されています。ちなみにポルシェ博士と呼ばれますが、自身は叩き上げの技術者で大学を卒業していません。数々の功績が認められて、ウィーン工科大学とシュトゥットガルト工科大学から名誉博士号を授与されたので、博士の敬称で呼ばれているのです。

●今も続くハイトワゴンブームの火付け役、スズキ・ワゴンR登場!

1993(平成5)年のこの日、スズキから「ハイトワゴン」という新しいジャンルを開拓した軽自動車「ワゴンR」がデビューしました。ハイトワゴンは、従来の軽自動車の常識を覆す車高の高さによって圧倒的な居住空間を実現して、一大ブームを起こしました。

1993年発売のワゴンR
1993年発売のワゴンR

ワゴンRは、車高を「アルト」より頭一つ分(255mm)高く、さらにホイールベースをクラス最大の2335mmに設定して、従来の軽自動車にはなかった圧倒的なサイズ感を実現。またサイドシルの高さを低くしてフロアとの段差をなくし、自然な姿勢で乗降できるようにしたことも人気を呼びました。パワートレインは0.66L SOHC 12Vの3気筒エンジンと、5速MTおよび3速ATの組み合わせ。1995年にはインタークーラー付きターボモデルが追加されました。

1993年発売のワゴンR、乗降しやすさも大きなメリット
1993年発売のワゴンR、乗降しやすさも大きなメリット

爆発的な人気を博したワゴンRは、発売から3年2ヶ月で累計販売台数50万台を達成、なんと2008年まで販売台数トップの座に君臨しました。ワゴンRに続いて、ダイハツムーヴ」、ホンダライフ」、三菱「トッポBJ」が追走し、特にワゴンRとムーヴはスズキとダイハツのトップ争いの象徴として、今も続く熾烈な戦いを繰り広げています。

1993年発売のワゴンR、広々としたの前席周り
1993年発売のワゴンR、広々としたの前席周り

現在は車高をさらに上げた「スーパーハイトワゴン」が大人気となり、ハイトワゴンとスーパーハイトワゴンを合わせると軽乗用車の7割程度のシェアを占め、軽自動車を牽引しています。ワゴンRはそれまで「軽自動車はちょっと…」と躊躇していた人たちを振り向かせ、軽自動車をファミリーカーへと格上げさせた革新的なモデルといえるでしょう。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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