アウディAGの一般社員が「Audi Q4 40 e-tron」に試乗して感じた本音とは?

■コンパクトEVの航続距離への不安や静粛性、積載性はどうだった?

電動化を推進しているアウディは、品揃えの強化に余念がありません。「Audi Q4 40 e-tron」の発売前にドイツ本国でアウディの社員から試乗するドライバーを募ったそう。

Audi Q4 40 e-tron
「Audi Q4 40 e-tron」の走行イメージ

全長4.6m未満のコンパクトSUVの「Audi Q4 40 e-tron」は、2種類のバッテリー容量と3種類の駆動バージョンを用意。

「Q4 35 e-tron」は、エネルギー容量52kWh(総容量55kWh)のコンパクトなバッテリーが搭載されています。また、「Q4 40 e-tron」には、エネルギー容量77kWh(総容量82kWh)の大容量バッテリーを搭載。最上位のモデルは、quattro4輪駆動システムが組み合わされ、220kW(299PS)の最高出力を発生。

全モデルともに長い航続距離を誇り、理想的な条件下であれば、約10分の充電で約130km(WLTP)を走行することが可能です。

中でも後輪駆動の「Q4 40 e-tron」は、WLTPサイクルで最大520kmの航続距離を達成しています。ドイツにおけるベース価格は、41,900ユーロ。9,000ユーロの補助金を受けることができます。

Audi Q4 40 e-tron
後輪駆動と4WDモデルを設定

正式発売を前に、ある社員は、このEVを徹底的にテストするため、事前に週末旅行の目的地をいくつか選び、山の中や街中を走破しています。「Audi Q4 40 e-tron」の150kW(203PS)のパワーとレスポンスの良さに驚いたそう。

ただ、最初は航続距離に不安を感じ、実際にどのくらいの電力を消費するのかわからず、初めはエアコンをつける勇気もなかったとのこと。しかし、WLTPサイクルで520kmという航続距離を誇る「Q4 40 e-tron」は、ロングドライブもなんなくこなし、数日間にわたるテストで航続距離に不安を覚えることはなかったそう。

また、数日間で1200km以上を走破したある社員は、当然ながらその間に何度か充電しています。最初の2日間は、ナビ(車両)が提案する充電ポイントが信用できず、自分で充電ポイントを選んだそうです。しかし、その後はクルマの提案を信じることができたそうで、自分も手動で選んだと予想できる充電ポイントをナビが的確に提案。

これは、次の充電ステーションまでのルートを表示する「e-tronルートプランナー」が搭載されているためで、同システムは、必要に応じて充電セッションをスケジューリングし、次の目的地が圏外の場合は、常に充電を行うことで、ドライバーをサポート。最速のルートを計算し、交通量やルートのデータも考慮し、ドライバーの運転スタイルも反映させ、充電にかかる時間を計算し、予想できる要素をすべてトータルで計算する機能になっています。

Audi Q4 40 e-tron
「Audi Q4 40 e-tron」のエクステリア

ほかにも、Audi Q4 e-tronの静粛性の高さを非常に高く評価した社員もいます。

とくに、高速走行時の乗り心地の良さ、静かなキャビンが印象的だそうで、高速道路でも通常の会話ができるほど静か。また、操作性の良さにも感銘を受け、長距離移動でも快適に運転できたとのこと。

さらに、ファミリーカーとして十分なスペースがあり、チャイルドシートはもちろん、ベビーカーなどのベビー用品も数多く積載できたそうです。

アウディAGは、9月末にインゴルシュタットとネッカーズルムにおいて約700台ものQ4 e-tronの試乗が予定されています。なお、日本導入に関してはまだアナウンスされていません。半導体不足などの不安定要素もありますが、2022年内の上陸が期待されます。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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