「Audi SQ8 スポーツバック e-tron」登場。3モーターで圧倒的な加速と航続距離482kmを実現するスポーツ系EV

■最高出力370kW、最大トルク973Nm、0-100km/h加速は4.5秒で到達

アウディも日本に多彩なバッテリーEVを上陸させています。ドイツ本国のAUDI AGは、電動化戦略の「Vorsprung 2030」でロードマップを策定し、2026年以降に新たに発表されるニューモデルは、すべてBEV化するとしています。さらに2033年以降は、全モデルの販売をBEVとする計画を発表済みです。

2023年12月19日にラインナップに加わった「Audi SQ8 Sportback e-tron」は、フルサイズEVクーペSUVを謳っています。「SQ8」の名からも分かるように、スポーツ系EVという位置づけ。

新型「Audi SQ8 Sportback e-tron」のエクステリア
新型「Audi SQ8 Sportback e-tron」のエクステリア

「Audi SQ8 Sportback e-tron」は、高性能なパワーユニットとquattro(クワトロ)によってダイナミックな走りを実現する「Audi Q8 e-tron」のスポーツグレード「Sモデル」になります。

モーターは、フロントに1基、リヤに2つの計3つのモーターが搭載され、力強い加速を実現。最高出力370kW・最大トルク973Nmを達成し、0-100km/h加速はわずか4.5秒でクリアします(メーカー測定値)。

搭載されるバッテリーは総電力量114kWh(先代比+19kWh:正味エネルギー容量106kWh)で、一充電走行距離482km (先代比+67 km:WLTCモード)を達成。充電はCHAdeMO(チャデモ)規格の150kW急速充電に対応し、短時間で大容量の充電ができます。

フロントモーターの最高出力は157kW、2つのリヤモーターはそれぞれ138kWの最高出力を誇り、通常走行時はリヤモーターのみが作動し、高効率化に寄与します。素早い加速が必要な場面や滑りやすい路面状況ではフロントモーターのトルクが加勢します。リヤモーターは左右独立して制御が可能で、コーナリング時には左右輪のトルクを変えることで旋回性能を向上させる「電動トルクベクタリング機構」が備わります。

また、バッテリーの総容量に対し、使用可能な正味エネルギー容量を増加させ、空力性能やモーターの効率をアップすることにより、一充電走行距離が向上しているのもトピックス。先代に搭載されたバッテリーの製造工程で生まれる電極材の隙間を折り重ねて配置する方法に変更されています。

隙間を極力なくすとともに、セル内の化学物質の配合も変更。これにより、バッテリー寸法やモジュール数を変更することなくエネルギー密度が向上、バッテリー容量の増加に成功しています。先述したように、CHAdeMO規格の150kW までの急速充電に対応するため、短時間での充電が可能です。

エクステリアは、標準モデルよりホイールアーチが拡大されるとともに、「S」モデル専用デザインの前後バンパーや「5Vスポークデザイン」の20インチアルミホイールなどによりダイナミックなムードを漂わせています。

また、シルバーのフロントバンパーリップをはじめ、シングルフレーム、ドアインサート、ディフューザー、ミラーハウジングが「S」モデルらしいスポーティな個性を演出。

新型「Audi SQ8 Sportback e-tron」のリヤまわり
新型「Audi SQ8 Sportback e-tron」のリヤまわり

インテリアは、精悍なブラックを基調とし、ダイヤモンドステッチが施された「S」ロゴ付きバルコナレザースポーツシート、マットブラッシュトアルミニウムダークのデコラティブパネル、「S」専用ビューを備えた「バーチャルコックピットプラス」ほか、16スピーカーの@Bang & Olufsen 3Dサウンドシステム」「パワークロージングドア」などが標準化されています。

なお、ケミカルリサイクルと呼ばれる革新的なプロセスにより、混合プラスチック廃棄物をアップサイクルできる強度に優れたシートベルトバックルカバーが採用されています。使用される資源の量を削減し、効率的かつ持続可能なクローズドループを確立。

アウディ ジャパンでは、ポルシェ ジャパン、フォルクスワーゲン ジャパンとともに「プレミアム チャージング アライアンス(Premium Charging Alliance)」として、急速充電サービスを拡大しています。全国のアウディe-tron店86店舗にすでに設置されている50kW-90kW急速充電器を150kW急速充電器へのアップデートを進めています。

●価格:1492万円

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる